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issue 33 「PARK から徒歩15分、異国が渦巻く地下市場⁉ 」 by ivy

あったかくなってきたね。あちこち散歩するにも、これくらいが丁度いい。さて、PARK からのお散歩ルートといえば、やっぱり上野方面か。桜でも見て、昼から酒を飲んでもいいし、ちょっとした観光気分もいい。

さて、本日はアメ横と PARK、どちらもゴリゴリの徒歩圏内に住む私から、 PARK のついでに寄りたいローカルスポットのご案内。旅行にもなかなか行けないこの頃、一番身近に異国を味わえる、摩訶不思議な地下空間の話を。

行き先は、上野駅と御徒町駅の中間、『アメ横センタービル』。地上5階のショッピングビルなんだけど、テナントの半分以上が空いている。某老舗セレクトショップやら、名物ケバブ屋やら、スニーカー界のメッカやら、癖の強いテナントだけが生き残っている。おかげでやたらと存在感だけはあるんだけど。

で、この建物で一番の見所は間違いなく、地下。『アメ横地下食品街』だ。名前のとおり、デパ地下というか、地下に食料品売り場が広がっている。ただ、そのコンテンツは、日本国内において他に例を見ない異様さ。

まず、館内表示。エスカレーターを降りたら、突然日本語表記がめっきり減る。漢字、ハングル、アラビア文字、タイ文字、見たことがない謎の字 …。次に会話。客も店の人も、空港でも珍しいくらいの多言語マッシュアップ!ただ歩いているだけでお腹いっぱいになりそうな、すさまじい情報量に圧倒される。最後に、匂い。フロアへ足を踏み入れたら、モワッとくるから覚悟して。ありとあらゆるスパイス、熱帯フルーツ、干物、漬物、その他諸々が放つガスが襲いかかる!

ここは、アジアを中心に世界各国の食料品が集まる、インターナショナルマーケットなんだ。

決して広くはない。せいぜい、都心のスーパーにしては少し広いかな、くらいのもんだ。ただ、人口密度、情報密度、文化密度 … すべてにおいてこれ以上のカオスはなかなかお目にかかれない。

ここに行ったらやることは決まっている。異国のスナック菓子をディグって、キムチとスパイスを買ったら、あとは見学!ただ歩いているだけでも気になるものがいくらでもあるし、スマホで打てない文字だからググりようがない。

得体のしれない、けれど食料品店だから身体に危害はない…ギリギリの安全圏を持つスリリングな冒険は、どんなエンタメよりも刺激的だ。

ちょっとしたおつまみや話のネタに、行って損はない非日常体験。PARK へ遊びに来た皆さん、よかったら夕飯の買い物にいかが?

徒歩15分!お散歩にも丁度いいよね。

イラスト:あんずひつじ



旅とビーチを愛する女の子のためのカルチャーマガジン『Anna Magazine』ウェブ内にて ivy くんの新連載がスタート!気になるあの人のスタイルを、長年の愛用品から紐解いていきます。こちらもお見逃しなく。

ivy(アイビー)
会社員で物書き、サブカルクソメガネ。
自己満 ZINE 製作や某 WEB メディアでのライターとしても活動。創り手と語り手、受け手の壁をなくし、ご近所付き合いのように交流するイベント「NEIGHBORS」主催。
日々出会ったヒト・モノ・コトが持つ意味やその物語を勝手に紐解いて、タラタラと書いています。日常の中の非日常、私にとっての非常識が常識の世界、そんな出会いが溢れる毎日に、乾杯ッ!

https://www.instagram.com/ivy.bayside

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