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よむラジオ耕耕 #16 「星野京都へ行く」


加藤:どうもこんにちは、パークギャラリー加藤淳也です。

星野:こんにちは、こんばんは、北千住のギャラリー PUNIO の星野 蒼天(そら)です。

加藤:3週目は、ひそかに人気のある星野回ということで。

星野:どうなんですかね(笑)。星野回やりはじめてから視聴率が下がってる⋯(ような気がする)。

加藤:全然そんなことないよ(笑)。せっかくなんで星野くんの話も耕していきましょう。なんか京都に行ってたよね?

星野:そうなんです。4日間ぐらい京都に行きまして。

加藤:PUNIO で?

星野:そうです。PUNIO と作家さんと行ったんですけれども。アートとは全然違うジャンルのイベントのお手伝いで行きました。「IVS京都」という全国規模、1万人くらい参加者のいるビジネスコンテストに友人がブースを出すことになって。そこで「ライブペイントをコーディネートしてほしい」ということで、うちで展示してもらった作家さんと一緒に行きました。

加藤:おーいいね。

星野:3日間イベントの手伝いをしながら過ごしたんですが、結構大変でしたね。作家さんはライブペイントをするという目的があって、それを見に来た人が集まって、ブースに貢献できていたと思うんですが、僕らはあくまで PUNIO っていう場所をやっているだけで、自分たちで絵を描いたり、写真を撮ったりしてるわけではないから、どう立ちふるまえば良いのか分からなくて。

加藤:わかる。そのジレンマ。

星野:結局ブースの手伝いをしたり、プニオの宣伝をしたんですけれど。難しかったですね。加藤さんは外部のイベントに参加したことありますか?

加藤:そうだね、呼ばれて参加したことあるかな。それこそ出張展示みたいなこともあるし、物販を持ってパークのキュレーションでブースを出して販売するとかあったしね。でもやっぱり(星野くんが)言ってることは分かるというか、場所を持っていて、そこに来てもらう方が僕らとしての強みで、「行く」となると裸一貫で人間力試されるじゃないけど「お前どんだけおもしろい奴なん」「何ができるの?」みたいなのを突きつけられている気がする。「絵が描けます!」とかだったら良いけれど、PUNIO が胸を張って言えることとしては「3人仲良しです」ってことになるよね(笑)。

星野:そうなんですよね(笑)。わざわざ京都まで行って「3人仲良しです!」というのをニヤニヤしながら言いに行ったようなもんです。世界的なイベントで僕たちは文化祭みたいな感じでした。はじっこで内輪ノリで盛り上がってただけじゃないかと。まあ⋯この先はそうともいってられず⋯。


歴史ある京都の寺で、
ギャラリーはどうあるべきか。


加藤:せっかくの京都で観光の時間とかあったの?

星野:1日だけ。最終日を観光日として取って。それが昨日だったんですけれども、有名な南禅寺に行ってきました。久しぶりにちゃんとお寺に行ってきたんですけど、やっぱりすごいですね。

加藤:いいね(笑)。キョウトノテラ、スゴイヨネ。

星野:いや改めて京都の寺ってめっちゃ凄いんですよ(笑)!なんか、パワースポットとかよく言いますけれども、そんな感じがしました。変に柱に触ったりとかしちゃって。あの極限まで削ぎ落とした感じは、ギャラリーに取り入れたいなと思いましたね。

加藤:千年とか続いてる建物なわけだからね。

星野:そうですね。あと「熊間」というすごいおもしろいギャラリーに行ったんですよ。ここもパークやプニオと同じ住居兼ギャラリーなんです。住んでる方はおひとりなんですが、運営は3人でやっていて、なんだかプニオみたいな感じがして。そこは築130年と言ってました。

加藤:えー、やっぱ京都はすごいな。

星野:歴史がすごいですよね。そこを改装してギャラリーにしているという感じでした。

加藤:(スマホで写真を見て)あーこれ一瞬 PUNIO に見えるね。

星野:間取りとかも似てました。「熊間」は建築家の3人でやっていることもあって、空間の使い方も素敵でした。もとの壁を残したまま、壁の上を金網でおおって、そこに作品をかけたり、その場所を活かして展示するみたいな。

加藤:D.I.Y のレベルが高いね、もはや設計だ。
 

星野:熊間でおもしろかったのが、芳名帳があったんですけど、それを何気なくめくっていったら、メモみたいなものが書いてあって。(そのメモは)今年の2月にスタートしたらしいんですけど、その前に「『熊間』をどうしていくか」というメモだったんです。そこに書いてあることが、僕が PUNIO を構想した時のメモと本当に一緒で。例えばいろんな色を持ったというか、いろんな職業のひとが交流できる場所にしたいとか。自分はひとの話を聞くのが好きで、でも自分が認められることが好きだから聞くのが好きだとか、そういう類のことが書いてあって。

加藤:それが芳名帳になってるの?

星野:そうなんですよ。

加藤:すごい赤裸々な(笑)。

星野:そうなんです「見ちゃって良いの?」みたいな(笑)。そういう、あくまで個人的な感覚で問題を解決するマインドってその場所にも現れるというか。「京都にも PARK や PUNIO のような場所がある」ということが勇気付けられましたね。まだ僕らも知らないスペースがいっぱいあるし、そことどんどんつながって何かできたら一番良いんですけれども。できなくても分布みたいなのを作ったらめちゃくちゃおもしろいだろうなとすごく感じました。「熊間」いい場所でした。

加藤:はい。ぜひリンク等で紹介したいと思います。

「熊間」の詳細はこちらのリンクから
https://www.tokyoartbeat.com/venues/-/kuma

星野:あとは、バーに行きました。

加藤:いいですね。京都でバー。

星野:で、夜行バスで今日帰ってきましたね。

加藤:お疲れさまです。

加藤も負けじと京都の思い出


星野:加藤さんも京都好きですか?

加藤:京都ね、僕も好きですよ。しょっちゅう行けるわけじゃないけれど、時々行った京都がめちゃくちゃおもしろかったな。それこそ、お寺さんや神社も好きで。「上賀茂(かみがも)神社」ってとこが好きだよ。鴨川の上流に上がっていくとあるんだけど、厳密には「下鴨(しもがも)神社」っていうのと「上賀茂神社」というのがあって、下鴨神社もね、水祭りみたいなのがあって。裸足で水の中をじゃぶじゃぶ歩いていくみたいな祭りがあったり。上賀茂の方に行くと、神の馬とかいて「神馬」という白い馬がいて、にんじんあげたら良いことがあるよというような。

星野:あーデカい、赤い、ドーンとした鳥居があるとこですよね。

加藤:そうだね(笑) 語彙(ごい)力が⋯。

星野:僕も行ったことがあったので興奮しちゃって(笑)。いいですね京都。

加藤:あとは登山鉄道で頂上まで登って「貴船(きふね)神社」という水の神様を祀(まつ)る神社に行ったね。そこに水占いというのがあって、紙を受付のところでもらって、そこの水に濡らすと占いが浮かび上がってくるんだけど。楽しかったですねー。

星野:出張とかですか?

加藤:いや、京都はラップユニットの WEEKEND をやっていた時のツアーだね。いい思い出だよ。前乗りして旅行でみんなで行ったのかな。貴船神社にはみんなで行ったんだけど、叡山鉄道で最寄り駅の手前で降りて、ビール片手に歩きながら行こうとなって、みんなで歩いた夏の思い出がありますね。青春というか。

星野:いいですね。

加藤:そういえばその時にちょうどセブンイレブンの店頭でアイスコーヒーを出すようになったんだよ。アイスコーヒーを買うと、氷のカップがついてくるじゃんね。それで、氷入りのカップ買って、普段ならアイスコーヒーを入れるんだけど、入れずに焼酎いれたらいいんじゃない?ってなって。

星野:うわー(笑)。それ発明したの加藤さんが最初かもしれない。

加藤:そうそう(笑)。アイスコーヒーのカップに焼酎と烏龍茶入れて、勝手にウーロンハイ作ったりとか、なんかそういうの、みんなで発明しました。「これは革命だ!」って思ってたけど、高くついてるだけかも(笑)。コーヒー代払って氷買ってんだもんね。今でこそ氷だけのカップって売ってるけれど、当時売ってなかったのよ。だから発明した!と。どうしようも無い京都の思い出だけれど。

星野:今もやりますから、それ、僕も(笑)。缶チューハイ買って、氷に入れてってね。

加藤:あれいいよね(笑)。あと、いまはもう無いんだけど、京都に「伏見」っていう居酒屋の名店があって。升(ます)席になってるんですよ。コの字のカウンターだけのお店。奥に厨房(ちゅうぼう)があって板前さんたちがお魚をさばいたりしているんだけれど「古めかしい京都の老舗の居酒屋」って感じでさ。もう80歳ぐらいのおばあちゃんが一人でコノ字の升の真ん中に立って「おじいちゃんたち何飲む?」ってダミ声で、いろいろ仕切って切り盛りしてる。その頼ませ方がうまくてね。注文に迷っていると「これおいしいよ」とか、隣の人が頼んだ料理を目の前でちらつかせて、ああそれ食べたいなって思わせてきたり。そしたら「食べたいと思ったでしょう」って感じで、こっちが言う前から「しめサバ追加!」でと板前に伝えちゃう。

星野:すごい店っすね(笑)

加藤:あと、お盆に小皿をたくさん乗せて「好きなの取りー」と言ってくるんだけど、その小皿を取ったらちゃんと有料という(笑)。すごい名物女将がいて、安くておいしくてさ。お魚も新鮮で、カニとかも頼めたのよ、カニも奥で茹でてその場でむいてくれる。いいお店だったんだけど、惜しまれつつも閉店しちゃったみたいなんだけれどね。そこもみんなで遊び行って、並んでも呑みたい場所だったな。やっと入ってお酒を飲んでると後ろにもうすでに人が並んでるの。見られながら食べる優越感みたいなのも感じたりね(笑)。京都の思い出だね。それこそ深夜バスで行って、レンタサイクル借りて京都の街中を走り回るみたいな。京都って、自転車で意外と回れるんだよね。

星野:確かに。坂がすくないですもんね。

加藤:そうそう。金閣寺とか銀閣寺、あと花園ラグビー場の方かな。おもしろかったです、みんなで自転車で。思い出だねえ。

星野:定期的に行きたいなと思いましたね京都は。

加藤:京都は今回がはじめて?

星野:いや、3年前の冬に、ひとり旅で京都に行きました。その時は「ゆるる」というゲストハウスに泊まったんです。そこがおもしろい場所で。

加藤:コロナ前くらいだ。

星野:そうです。日本における1番最初のゲストハウスは沖縄にできたらしいのですが、それを本土に持ってきたのが「ゆるる」だったらしく。「ゆるる」がある通りが「姉小路」という通りで、何百年も続く老舗の和菓子があったりとか、結構古い建物が密集してたりとか言う通りらしくて、そこで外様の人がゲストハウスという外国人向けの場所をやると言うことで最初はやっかまれていたそうですが、姉小路の通りの賞をもらって地域に貢献しているそうです。毎週、町内会をしていて、なんでか僕も参加させてもらうことになって⋯(笑)。

加藤:すごいね(笑)。宿泊客なのに?

星野:はい。なぜかマスターに誘われてそうなりました。それも、姉小路でちょうど建築家の隈研吾さんが新しいホテルを建てると言うことで町内会議が開かれていて。結構おもしろい会議でなにもわからない僕が参加したのはいい思い出でしたね。

加藤:京都は町会の歴史が全然違うだろうね。

星野:緊張感がありましたね。重鎮(じゅうちん)みたいな人が町会にいて。僕のことをなんで参加してるんだろうと思いながら見ていた。 

加藤:平清盛の子孫とかいそうな雰囲気だね(笑)。

星野:本当、みなさん長く町に住まわれていますしね。今回の旅は地元の人との交流はなかったですけれども、京都のまちを歩けたので。次また行きたいなと思いました。

星野は新潟に行きたい

 

加藤:星野くん的にこの先行ってみたいまちとかあります?

星野:そうですね、行ってみたいまち⋯。新潟ですかね。

加藤:えー珍しい(笑)。

星野:新潟に、米を⋯。

加藤:米を食べに⋯!?

星野:おいしい白米を塩むすびにして食べに行く旅に出たいなと。

加藤:新潟じゃなくてもよさそうだけど(笑)。

星野:パッと出てきたのが新潟でしたね。

加藤:新潟お酒もおいしいですしね⋯ってなんもなかった気がするけどなあ(小声)

星野:そうなんですかね(笑)。でもなんも無いって新潟出身の人も言いますよね。なので本当に何にも無いのか確認しに行きたい。知られざる場所があるんじゃないかなと。

加藤:郷土料理の店とかにもいったけど、なんかピンとこなかった⋯。

星野:そうかあ、じゃあやめとこうかな⋯(笑)。

加藤:いろいろ行ったけど、だいたい郷土料理の店行くと感動するんだけれども、唯一新潟だけ感動していない。でも、田園風景とか美しいなとなった記憶はありますね。新潟市内だったけれども。もうちょっと田舎の方に行くとおもしろいのかもね。

星野:あ、でもそれこそ山形は行ったことないから行ってみたいですね。

加藤:ぜひぜひ!まあ、山形も何もないと言われたらそれまでだけど。食はいいし、山がきれい。新潟もそうだけど(笑)。

星野:山がきれいなのはいいですね。

加藤:そうそう。「山寺」という山の中にお寺さんがあるみたいな文化もあって。京都のお寺もいいけれど、(山形のお寺は)天狗とか出そうな雰囲気というか、山伏、山岳信仰が根付いていて、山への信仰心がある。神様がいそうな感じみたいなのを、高校生の時は1ミリも思わなかったけれど、今はたまに(実家に)帰ると、ところどころにそういうのを感じる。最近山に登るようになったから、山形の山に登るとちょっと懐かしい感じが不思議でおもしろいですよ。

星野:なるほど。あんまり東京で感じることないものだから、ぜひ行ってみたいです。
 

\ かのちゃん後記 /

よむラジオ耕耕スタッフかのちゃんによる文字起こし後記

今回は星野くん主体のレア会。蒼天くんが「京都へ行くんだ」とそわそわしながら旅立ち、帰ってきてもまだそわそわと落ち着かない様子だったので、京都で何があったんだ...と思っていたが、今回その全貌(ぜんぼう)が明らかになった。

そわそわの理由の一つは、"ギャラリストがギャラリーを離れたときの立ちふるまいの難しさ"についてであった。

彼はラジオ内で「自分たちで描いたり撮ったりしてるわけではないから、どう立ち振舞ったらいいのか分からなくて、結局ブースの手伝いをしたり、プニオはこういうことをしているということをそこで話したりしたんですけれど。難しかったですね。」と述べていた。確かに、多くの人々が展示空間で作品を前にすると、アーティストを第一にていねいにとらえ、キュレーターやギャラリストはあくまでも黒子としてとらえがちだ。ましてや、プニオは展示空間だけではなく彼らの住居の役割も兼ねており身体性を帯びた空間であるため、見ることが第一の価値を持つため、きっと蒼天くんは大変もどかしい思いをしたことと思う。

また、加藤さんがおっしゃるように、作品や展示空間から切り離されたギャラリストがまるで力自慢の腕相撲のように、トークや一見した人柄による人間力で試されてしまうのは、なんだかもったいないなあと思わずにはいられない。しかし、忘れてはならないのは、作家の作品やイマジネーションを最大限に引き出し、アプローチできるのはギャラリストの力あってこそである。そしていつかの来訪のために種を撒けたことは長い目で見て大きな成果であろう。今回彼が出会った人がプニオへ訪れることを期待したい。蒼天くん、プニオのみんなお疲れ様でした。

また、今回の京都旅の文字起こしの最中、私は用事で香川にいたのだが、またこちらものんびりとしてとても良いところだった。日本中がご存知のことだとは思うが、あまりにもうどんがおいい。どこのしょぼくれた食堂でも、ばあちゃんしかいないような定食屋でも、喫茶店でさえ、うどんがおいい。そして安い。ここは楽園かと思った。また、帰りの最終飛行機で空から香川を見た時、大通り沿いの明かりが暗い山の風景の中に筋となって天の川のように連なっていて、なんだか涙が出そうになってしまった。この地域はまだ自然と共生している、そう直感的に感じた。新型コロナウイルスによる規制も落ち着いた今年、またいろんなところに旅立ちたい。京都にも行ってみたいな。

最後に写真家 荒木経惟氏の『10年目のセンチメンタルな旅』のあとがきより一文引用。「やはり旅は愛する女とのふたりがいい。」

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