【 レビューあり 】 ハザマチヒロ 『ハザマチヒロの 「ちょっと、あのみぃ。」 』 奈良県

ZINE REVIEW by いのうえ あかね（PARK GALLERY）

奈良県を愛し愛され生きる、ハザマチヒロさんから届いた ZINE「ちょっと、あのみぃ。」を読んでみた。

イラストレーターとしての活動と同時に「文章の仕事」に夢を持つハザマさんは、ZINE なら自由やん〜ということで、ハザマさんがやってみたい仕事のひとつでもある「新聞コラム」をコンセプトに、架空の新聞「挟間新聞」を刊行 !? その意欲の現れと仕上りには感無 …！本物の新聞の切り抜き？ってくらいの仕上がりにリアリティーを感じるし、「新聞コラム」として、ちゃんと『コラムコラム』しているのである。完全オリジナルだから挿絵ももちろんハザマさんが担当。イラストレーターとしての魅力もムンムンと感じられる。

内容はご本人が生まれ育った奈良県を題材としたあらゆるお話。自虐か、はたまた愛なのか … 奈良の『良いところ』を正確に伝えてくれる。タイトルの「ちょっと、あのみぃ。」の意味は、奈良弁で「ちょっと、あのね。」ってことみたい。口に出して言ってみたら、こんなわたしにも可愛いらしさを感じた（笑）

ちなみにわたしは「その３」ページの『ショッピングモールで県境』エピソードがお気に入り。この世にも珍しいショッピングモールの話なんだけど、某恋愛バラエティー「あ○のり」の定番シーンを思い出させる謎の懐かしみを感じた（笑）あとあと、「その16」もツボだった。西瓜を買えずにいるハザマさんの話。あーもっと話してしまいたいけれど、せっかくならぜひ手にとって読んでほしいのでネタバレはここまで。

そう、鹿しかいないわけではない！
シュールな表現の中に地元愛を織り交ぜながら、奈良の魅力を伝えようとしているアンミカ風のハザマさんの表情が不思議と浮かんでくるのだ（お会いしたことないけれど笑）。

ちなみに今日、ハザマさんのレビューを書くぞって考えていたらこの ZINE が立て続けに会場にて売れた。ひとりは「シュールでおもしろかったので」。ひとりは「妻が奈良に行きたいと言っていたので手土産に」、と。それぞれに愛を感じるなー。これってハザマさんが『新聞コラム』にして受けたかったリアクションとニアリーイコールなのでは …？ とすごく嬉しくなった。だれかに伝えたいこと、だれかを通じて伝わってほしいこと、これって新聞としての役割も、コラムだからこその自由さも、「挟間新聞」には溢れているのだ。

やりたいことをやってみるって、すごく勇気がいることもあるし、きっとすんなりこなせることもできる。「やってみたいからやってみた」を目の当たりにするとすごく勇気をもらえるんですよね。そんな強さも感じた ZINE でしたー。

この先もきっと、奈良を愛し愛されて生きるのさ〜

ハザマさんの夢が叶いますように。

レビュー：いのうえ あかね（PARK GALLERY）

---- 以下 ZINE の詳細と街のこと ----

【 ZINE について 】

イラストレーターとしてイラストを描く中で、文を書きたい欲をずっと抱えていました。また、やってみたい仕事の１つに「新聞コラム」があり、その２つを ZINE で勝手に実現しちゃおう！と思い、今回の ZINE を制作しました。

コンセプト：架空の新聞「挟間新聞」に、毎週木曜日に連載されているコラム集「ちょっと、あのみぃ。」は奈良弁で「ちょっと、あのね。」。すべての記事が生まれ育った大好きな奈良を題材とし、大それた話じゃない、ふと私が感じたことを淡々と書いたコラムです。

価格：¥1,650（税込）
ページ数：16P
サイズ：185 × 273mm

ハザマチヒロ 『ハザマチヒロの 「ちょっと、あのみぃ。」 』

作家名：ハザマチヒロ（奈良県奈良市）

イラストレーター。大阪を拠点に活動。昭和と平成の狭間に生まれる。かわいらしさの中に、クスッと笑えるシュールな面白さを感じるイラストを得意とする。黄色を基調としたイラストで、一度見たらクセになるイラストを描く。ノーシュール ノーライフ！

https://www.instagram.com/hazama_1016
https://twitter.com/hazama_1016

【 街の魅力 】
なにもない。だから、いい。それが奈良の魅力。

【 街のオススメ 】
旬感居酒屋 む～ちゃん ... 海なし県の奈良で味わう海の幸と、地元の温もりを感じられる。ビールケースに座布団を乗せた椅子で味わうのは、白子のポン酢、サンマのお造り、鯨の唐揚げなど、どれもこれも新鮮で美味。てんぷらは、紙に具材を書いて注文するスタイルで楽しい。一番のおすすめは漁師汁。たくさんの魚介のアラから作った漁師汁は〆に欠かせない一品。人気メニューのため、最初に注文しておき最後に出してもらう食後のコーヒースタイルが ◎