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satsukim 連載 『ひびときめき、きょうてりやき』 〈13〉

台風のせいで、風がつよい。
晴れたり、晴れたまま大雨が降ったり、へんな天気の日。


朝、うだうだと9時ごろ起きる。
世間は三連休みたい。
週末が近づくたびにどんどん重くなるあたまのまわり、目の奥、全身。
" 低気圧によわい " ということがわかりはじめてから、じぶんの身体のペースとゆっくり向き合えるようになってきた気がする。

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今週、気がついたら時間が経っていたような。
手帳を開いて何やってたんだろうと振り返ってみると、

・お仕事の絵を描く
・チヂタムのふたりと打ち合わせをする
・あつい
・えりさん
・歯医者(2回)
・オリンピックを観る

そんな感じ。


たまに楽しみがあって、それに向かって日々を淡々と過ごすような。
概ねはそんな感じでした。


そしたらある日の夜、いつものように映画を観ながらビールを飲んでいたら、部屋の窓にこつこつと何かが当たる音がする。

なんだろうと思ってよく観ると、でっかいハチが!
ああ、こりゃでっかいスズメバチだな、と思ってしばらく眺めていた。
窓の外にいるから、まあこっちはつよい気持ちでいるわけで(片方は網戸だった)。
でも、また来られてもこわいし、なんとかしてやっつけたいと思い、なんとか買ってあったフマキラーを片手に構えて片方の窓を網戸にした。
そしたら!
網戸と窓の隙間から、そいつが部屋の中に入ってきた!!!
あほやん。なんで開けてん。
普通に考えてほっとけばええやん。
っていう、今思うとなツッコミを自分でしながら、あほなわたしはスズメバチさんに部屋までの道を譲ってしまった。

そこからはわたしとスズメバチさんとのたたかい!
天井に飛んでいったので、そっちめがけてフマキラーを吹きまくる。
寝室にいたので布団を盾がわりにしながら。
しばらく吹いていたら、次にフマキラーが部屋を充満し始めそれで咳き込み、ちょっとしにそうになる。
フマキラーの吹きすぎは、本当に気をつけた方がいいです。
くるしかったので、布団をかぶったままどうにか作業部屋の方にわたしは逃げた。
スズメバチなんか知らない。
フマキラーがくるしかった。

そこからの攻防(実際は、その大量フマキラー攻撃でスズメバチさんはお亡くなりになっており、わたしがひとりで見えない敵とたたかっていただけ)は1時間半くらいつづく。
(そのおかげで、卓球団体の決勝戦を見逃した!)

でも、ほんとうにここでわたしはハチに刺されて死んでしまうのか、今日やっと、ひとつ溜めてたお仕事を納品してほっとしたところだったのに ... という悲しい気持ちになったり、この状況のシュールさ(ど真夏に真っ赤なウインドブレーカーを着込み、汗ダラダラになりながら頭に手ぬぐいを巻いている29歳おんな)に笑い。
すごく真剣な状況になると、笑けてくるタイプなのだなわたしは。

生きてて本当によかったです。
そして、ハチはこわい。

何かあった時に、と近所のうめちゃんに逐一報告を入れていたのだけど(本当にごめんね)、中に入ってきてしまったハチなどは、部屋の明かりを全部消してベランダなどに LED ライトを置いておくことで出ていく、というような回避方法があると調べてくれたりしたので、そういう経験をもし今後されそうな方はぜひ、前もって知識として入れておくと良いかも。
都会ではなかなか見かけないけれど。
自然と共生することの大変さを痛感した。
それでも好きだけれどね。

すこしぼんやりしていた夜にものすんごい一石を投じてくれたあの経験に、ありがとう。



低気圧とスズメバチとたたかった1週間のこと。

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satsukim
絵描き、イラストレーター
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