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issue 09 「髪を切ろうか」 by ivy

仕事に行き詰まると、眉間に皺が寄る、髪をいじる、頭を掻く、げんこつを側頭部に押し当てる ... 人の癖は色々あるけれど。どうも思い悩むと人は『頭』に何かを感じるみたいだ。

社会人生活も気がついたら1年が経ち、とうとう新入社員じゃなくなってしまった、この春。日々の創作も平日の仕事も悩みが尽きないこの頃は、わたしもなんだか首が重たい。逃げるかのようにオフィスを抜け出して、コーヒーを買って外を歩いていたら、ふと思いたった。


「そろそろ髪でも切るか。」


揉み上げをさっぱり刈り上げて、重たくのしかかる髪を整えれば、見た目は勿論、気分まで、なんだか余計なものが落ちたようで気持ちいい。

さて、今日はどんな髪型にしようか。インスタでいいなと思った髪型は漏れなくスクショするのだけれど、いざ髪を切るときになるとあまり惹かれないんだ。最近は、あえて美容師さんにやんわりとしか伝えないことにしている。その方がどんな風になるんだろうって、楽しめるから。

頭の中も外も、凝り固まって、悩んで、煮詰まっていたんだから。いっそ外から、新しいものを取り入れようじゃないか、って。



私の髪を切ってくれるのは、駿河台でプライベートサロンを営む矢口さん。ギャラリーの2階、個人宅と見紛うようなスペースでひっそりと、アートに囲まれながら仕事をする大ベテラン。

必ずしも真面目な話とは限らないけれど、髪を切ってもらう間、いろんな話をする。相談を聞いてもらったり、住んでいる街の話をしたり。髪を切る間、話すことというのは、他愛もなく、とりとめもなく、それでいて、深く話す。だからいい。髪を整えて、人生の先輩に助言を乞うて、頭の中も外も、リフレッシュするんだ。

不思議なもので、髪よけを外して椅子を立つとき、ほんの少し身体が軽いような、荷が降りたような気がして、何か新しいことをしたくなる。



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悩んだら髪を切ろう。

きっと、道は開けるはず ⁉︎ 

根拠はないけれど。




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ivy(アイビー)
会社員で物書き、サブカルクソメガネ。
自己満 ZINE 製作や某 WEB メディアでのライターとしても活動。
創り手と語り手、受け手の壁をなくし、ご近所付き合いのように交流するイベント「NEIGHBORS」主催。
日々出会ったヒト・モノ・コトが持つ意味やその物語を勝手に紐解いて、タラタラと書いています。日常の中の非日常、私にとっての非常識が常識の世界、そんな出会いが溢れる毎日に、乾杯ッ!
https://www.instagram.com/ivy.bayside​

イラスト:あんずひつじ

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