スキマ的風景 vol.3 by NATUMI
今回は「スキマ的」存在、張り子についてです。
張り子の作り方は、原型となる型があり、それに紙を貼り付けて乾かし、
型を抜き取って塗料を塗り、絵付けをします。
型は繰り返し使えて同じかたちの張り子を何個も作ることができます。
大量生産できる仕組みになっているのです。
しかし手作業が多いので、一体一体表情やサイズが違ったり、
どうしても個体差が出てきてしまいます。
私はこの、出てきて“しまう”ところが張り子の魅力だと思っています。
例えば、大量に印刷されるチラシも、よく見れば断裁のズレやインクの乗り具合は一枚枚違うはずですが、
ほとんど意識されることはなく同じものとして扱われます。
張り子の個体差もそのくらい些細な違いとして捉えられて、同じものとして扱われます。
手作りの“作品”でもありつつ、“製品”という要素も持っているところが、張り子ならではと思います。
個展開催中に行う張り子の絵付けイベントでは
そんな魅力を感じられたらと思い、一型のみのご用意にしてみました。
そっくりにはなりませんが、張り子ならではの魅力を楽しんでもらえたら嬉しいです。
*張り子 …. 粘土などの型に紙を張り付けて成形する郷土玩具。日本各地にみられる技法です。
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