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COLLECTIVE レビュー #56 Yuu『The A to Z of Feeling 』(東京都)

「作るのが難しいので納品数が限られてしまうのですが、大丈夫ですか?」
 
47都道府県、全国各地から公募で ZINE を集め、展示しながら販売するエキシビジョンCOLLECTIVE の募集をかけてしばらくすると、そんなメッセージが届いた。5~10冊くらいの納品が基本になっているけれど、特にルールというわけではないので OK ですと伝えた。それよりも「作るのが難しい」という表現が気になってワクワクしていた。
 
「手作りがいい」「手作りであるべきだ」というわけではないけれど、誰かがワクワクするアイデアというのは大事だと思う。目的が「手で作ること」になってしまうと、それはそれで違うと思うし。
 
COLLECTIVE ZINE REVIEW #56
Yuu「The A to Z of Feeling」

 
そうして届いたのは<じゃばら>でできた厚みのある1冊。今回集まった ZINE の中で一番分厚いのではないかと思うそれは、「作るのが難しい」というのを容易に想像させた。A4の厚紙を山折にして縦に1枚1枚テープで貼り合わせ、長い帯を作って、じゃばらに折り合わせていく。26ページというページ数ではあるが、その行程を想像するだけで気が遠くなる。

タイトルは「The A to Z of Feeling」。
 
作者は台湾出身で、東京在住のイラストレーター、デザイナーの Yuu さん。台湾の芸術大学卒業後、多摩美へ留学。2020年からはフリーランスとしてジャンルに捉われることなく表現活動を行っている。工芸や陶芸なども手がけているというから驚きだ。

内容はシンプルで、イニシャルでAからZまでの感情表現を1つ1つイラストで紹介しているというもの。例えば Aだったら Angly(怒り)。L は Lonely(寂しい)。表情豊かなかわいらしいイラストが添えられていて、絵本のように楽しめる1冊だ。英語にあまり縁のない生活を送っていると、あまり聞き馴染みのない英単語もある。子どもと一緒に、感情を表現しながら、英単語を覚えるにちょうどいい教材みたいな本だと思った。

お子さんがいる人へのプレゼントなんかにもいいんじゃないかなと思った。じゃばらの裏面は無地になっているので、英語の練習帳にもなるかもしれないとも思ったり。
 
日本人のオーソドックスな感情表現とはまた違った感覚も見ていてたのしい。豊かな感じがする。
 
Yuu さんのインスタグラムをのぞくと、多彩でアクティブな活動の様子が見ることができる。ライフワークにもなっているタイポグラフィもかわいいな。ぜひ、気になる人はインスタグラムをのぞいてみてください。
 
そして今日は COLLECTIVE 最終日。ぜひ会場に来てほしいけれど、来れない人はぜひオンラインで、作品を購入してみてください。

レビュー by 加藤 淳也


---- 以下 ZINE の詳細とそれぞれの街のこと ----

【 ZINE について 】
A から Z までの感情図鑑。本の中に色々な感情を表すキャラクターを収録し、素材を楽しみながら、楽しく自分の感情を認識することができる一冊子供であろうか、大人であろうか、読んでいただいた方に「一つ一つ気持ちを大切に、楽しい時全力楽しむ、つらい気持ちになってしまう時も自分を責めないであげてください」というメッセージを伝いたくて、制作しました。

Yuu『The A to Z of Feeling 』
価格:¥1,600(税込)
ページ数:26ページ(ジャバラ本)
サイズ:A4

作家名:Yuu(東京都)
台湾出身、東京在住。 国立台湾芸術大学視覚伝達デザイン学科/工芸デザイン学科、 多摩美術大学グラフィックデザイン学科短期留学中。 2020年からフリーデザイナーとして活動中。

活動経歴|
2021 台北松山文創園区 文化創意スタジオコラボ展出展
2021 台東美術館 台東国際青年工芸デザイン展 出展

2022年6月からインスタで作品の投稿開始、今はタイポグラフィを中心に投稿していますが、これからイラスト、写真、グラフィックデザインなどの作品も少しつつ載せていきたいと思っています。ビジュアル以外に、手作りが好きで、金属工芸、陶芸など、工芸創作もしています。

https://www.instagram.com/yuuuuu.yt_

【 街の魅力 】
落ち着く住宅街。

【 街のオススメ 】
一本堂(パン屋)… 地元民の食パン専門店。内装が可愛くて、毎日違う味の焼き立て食パンが買える。


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