【 レビューあり 】 MIZOZINE 『MIZOZINE 緊急特別編集 おうちで、できること。'21』 北海道
ZINE REVIEW by ivy(ゲスト)
これでお別れじゃないよね?
そう言ってくれ!
魂の叫びが響き渡るのは、COLLECTIVE 2021 の会場だ。
その原因は、「MIZOZINE」休刊前最終号となる本作『MIZOZINE 緊急特別編集 おうちで、できること。'21』にある。雑誌の休刊ってこの頃インディーズバンドの活動休止より怪しいオーラ醸してるじゃない?実に不安でならない。
『MIZOZINE』は、グラフィックデザイナーのミゾテケンタさんと中台健太郎さんの2人で編集を手がけるフリーマガジン(COLLECTIVE ではステッカー付きで100円で販売している)。毎度アーティストやクリエイター、芸能人、一般人、様々なヒトが登場し、時勢を捉えた切口で掘り下げていく。
まず、冷静に考えてこれを2人でやるのって脱帽以外の何モノでもない。一応私も ZINE を雑誌に近い、文章コンテンツと写真の組み合わせで作っているからこそ、頭が下がる。何がすごいって、もちろんデザインやコンテンツのクオリティもあるんだけど、これだけ愛に溢れた紙媒体を私は他に知らないということ。これは、特筆したい。
編集やデザインのスキルはもちろん、文章力も、それ自体が目的にはならない、あくまでツールなんだと私は思う。なんのためのツールか、となれば、媒体があるということは "伝える" ため。ミゾテさんや中台さんの周囲に渦巻く事象をいかに魅力的に伝えるか、それ自体に興味を持ってもらえるか、そのために仕掛けられた技がいっぱいのおもちゃ箱。読んでいて毎回、アッと驚かされるんだ。
今回のテーマは、ステイホーム。
タイムリー且つ、人気のテーマかもしれないけど、大切なのは、あくまでステイホームを主役にはしていないということ。
やはり、主役は誌面を彩る、人。
ステイホーム、という切り口から登場する人の魅力・生き様・スタイルを見せている。
フォントも、言葉も、デザインも、すべて掲載対象の本質をいかに引き出すか、その観点から無駄がない。だから、洗練されているし、逆にいえばただおしゃれなだけの雑誌にはない魅力がある。
雑誌を読んで、その人に会いたくなる、知りたくなる、知らなかったことに興味が湧く。雑誌は、辞書ではなく、ガイドブックであって欲しい。知らない場所へなんとなく開いたら行きたい場所、やりたいことができるように。答えではなく、日々に膨らみをもらえる存在だ。
だから『MIZOZINE』は読者にも愛されている雑誌だ。
私もこれから『MIZOZINE』が教えてくれた素敵なヒト・モノ・コトを追いかけていきたい。
休刊らしいけど、敢えて言おう。
次号が楽しみだ。
レビュー:ivy(ゲスト)
---- 以下 ZINE の詳細と街のこと ----
【 ZINE について 】
2021年になっても自粛ムードは続いています。我慢する日々、思い通りに動けない毎日に彩りを与えるために、今年も我々が今 "おうちで、できること" を届けます。本当はみんなで手を繋いで近い距離で大人数で話がしたい。でも今はまだできないから、僕らの思い、心からのメッセージを受け取ってください。また笑顔で会える日を待っています。
価格:¥100(税込)
ページ数:28P
サイズ:148 × 210mm
作家名:MIZOZINE
2017年発足のフリーマガジン、『MIZOZINE』は今号にて一旦休載となります。これまでの沢山のご愛読本当にありがとうございました。
編集者:中台 健太郎(北海道札幌市)
編集長:ミゾテケンタ
1998年生 グラフィックデザイナー
仕事外では edit、graphic、web、movie、photo など様々な事を経験しながら今後の方向性を模索中。
https://www.instagram.com/mizozine.gram
【 街の魅力 】
時の流れがゆっくりで、過ごしやすいです!
【 街のオススメ 】
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