satsukim 連載 『ひびときめき、きょうてりやき』 〈4〉

夏のような雲が流れる、晴れた日。
風があるので裏の森が、さわさわと音を立てている。

朝、８時に起きておかえりモネを観る。
最近は朝起きてすぐ窓を開けるのだけれど、今日は外の空気がどこからどうみても夏の匂いで、それだけなのに少し気持ちがすっきりとした。
そういえば、どの季節が好きかと聞かれると、困っちゃうくらいにどの季節も好きになったなあ。

梅雨かと思っていたけれど、ここ数日は朝のお天気が多くてうれしい。
夕方になるにつれて曇りはじめちゃうのが、すこし残念だけれど（この日も例外ではなく、どんどん曇ってきた）。

先週、かなりのろのろとしてしまったので今週は張り切って絵を描く。
仕事の締め切りも近づいてきたので、展示用の制作もやりつつ仕事も。
締め切りって、なぜかいつもいくつか重なってしまって、気持ちがバタバタとしてしまう。なぜだろう。
器用ではないので、ひとつずつちゃんとやっていこう。

前日、あすみちゃん（鎌倉の友だち）に教えてもらったバンドの曲をひたすら流しながら制作をする。
めちゃくちゃ気持ち良くて、いまの気分や空気にも合っている気がする！
Heron というバンドの "Upon Reflection : The Dawn Anthology" というアルバムです。

すこしまえに、あすみちゃんと海のちかくに黄昏れに行ったときのまわりのようす。おじさんやお姉さんとかが、ぽつぽつと、ひとり黄昏れてるのがとってもよかった。

お昼ご飯をたべて、午後はバスでうめちゃんちに向かう。
あすみちゃんもそうだけれど、ちかくに友だちが住んでいるのは、考えるだけでいつも嬉しくなるし安心する。


赤ちゃんが無事に産まれてからはじめて会ううめちゃんは、もう顔がしっかり "お母さん" になっていた。
そういうのってよく聞くはなしだったけれど、ほんとうなんだねえ。すごいなあ。
おうちでは元気なリリー（真っ白のトイプードル、男の子）が出迎えてくれた。
トリミングしてもらって、フワッフワのわたのかたまりみたいになっていた。
そして、赤ちゃん。小梅ちゃん（仮名です）。
ほっぺがもっちもちで、これから先に、まぶしい未来しかない光が、すやすや寝ていた。

うめちゃんの大きなおなかをしばらく見ていたから、こうやっていのちとして生まれてきたことが、不思議だし、奇跡だし、すばらしいことだなあとしみじみ思った。
あたらしいいのちが生まれるということは、ほんとうに奇跡的で、まぶしいことだ。

よく泣いて、よくおっぱいを飲んで、よく寝て。すこやかに育ってほしいとこころから思う。
抱っこさせてもらって、わたしの寿命が少し伸びた気がする〜！エネルギーのかたまり！
赤ちゃんって、おもた〜い（泣き笑い）。


こころからお祝いの気持ちで向かったのだけれど、わたしの誕生日をお祝いしてもらったりして（ハッピーバースデーの音楽が流れてケーキが出てきた時は、ちょっと泣きそうでした）、なんだかしあわせな１日だった。
庭の紫陽花をおすそわけしてもらったりして。
にやにやしながら、歩いて帰った。
まだ晴れていて涼しく、風の気持ちのいい夕暮れどきだった。

もらったエネルギーを、すこしずつ誰かに渡していけるようにしたい、と思った、そんな日。

〈とおくにいるリリーのスケッチ〉

satsukim
絵描き / デザイナー

来週から個展が始まります！
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