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猫背で小声 season2 by 近藤学

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猫背で小声がちょうどいい、会社員・近藤学による人気エッセイのシーズン2。人生の半分を『自分磨き』(ひきこもり)に費やした青年が、社会の窓を開いて外に出るまでの小さな物語をシーズン…
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#離人症

猫背で小声 season2 | 第21話 | 生きづらい脳味噌

生きてりゃつらいことは必ずと言っていい程ある。 つらいよ、つらいよ、と言いながら生きてくのが人間なんだろうと思う。 ぼくはよくひとから「生きづらさを感じませんか?と」聞かれることがある。もちろん無い訳ではないが、健常者に比べると、生きづらさという「事故物件」に住み続けていることになる。 まずこれまで生きてきて統合失調症という病気から逃れられることはなかった。中学生の時に発症して、生きること自体に違和感を感じながら生きてきた。今日も明日も昨日もその昔も統合失調症。 次に

猫背で小声 season2 | 第8話 | 膜張さん

隠しているわけではないけれど、ぼくにはいま「離人症」という症状がある。 メンタルの病気なのだが、かんたんに言うと「生きている現実感がない」。 自分の見ている風景に膜が張られたようで、現実の世界に自分がいなくなってしまったような症状に悩まされている。 通称「膜張(まくはり)さん」 自分の中ではそう呼んでいる。 わかってはもらえないだろうけれど、知恵を絞って目一杯わかりやすく言うなら、「録画した荒い画質の世界」で生活しているような感じ。 まず視界がクリアじゃない。