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猫背で小声 season2 by 近藤学

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猫背で小声がちょうどいい、会社員・近藤学による人気エッセイのシーズン2。人生の半分を『自分磨き』(ひきこもり)に費やした青年が、社会の窓を開いて外に出るまでの小さな物語をシーズン…
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#統合失調症

猫背で小声 season2 | 第21話 | 生きづらい脳味噌

生きてりゃつらいことは必ずと言っていい程ある。 つらいよ、つらいよ、と言いながら生きてくのが人間なんだろうと思う。 ぼくはよくひとから「生きづらさを感じませんか?と」聞かれることがある。もちろん無い訳ではないが、健常者に比べると、生きづらさという「事故物件」に住み続けていることになる。 まずこれまで生きてきて統合失調症という病気から逃れられることはなかった。中学生の時に発症して、生きること自体に違和感を感じながら生きてきた。今日も明日も昨日もその昔も統合失調症。 次に

猫背で小声 season2 | 第17話 | 俗に言う続続

最近も具合が悪い。 今にはじまったことではないが、さらに具合が悪くなっている。なにが原因かは言えないが、言えないくらいがこの社会に生きる大人っぽくて、なんか誇らしい。 最近は引きこもりから脱した今現在の姿を語りすぎのような気もしてきたので原点回帰。 “病み” に暮らした経験を語ることで、“闇” を抱えているひとに寄り添えたらという、この連載の当初の目標。胸に手を当てても当てなくても当たり前のように出てくる答え。 「やっぱり “やみ” で困っている人を助けたい」というの

猫背で小声 season2 | 第3話 | 死んじゃだめ。

いつの時代も苦しいことはある。 ひきこもり時代のぼくは毎日なにかに悩んでいて、生きた心地がしない毎日を過ごしていた。希望の持てない中学時代や、みんなが普通に過ごした高校時代も、毎日病んで苦しかった。本来なら「思春期」という病に罹るはずだったが、ぼくはあかりさえ灯らない将来に悩んでいた。 まず「統合失調症」という病気。 薬を飲んで休養する、ということを繰り返していたけれど、ベッドに横になっている時も気持ちが悪く、こんな状態がいつまで続くんだろうと、狭い部屋の中で現実と未来