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COLLECTIVE 2022 ZINE レビューまとめ

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COLLECTIVE 2022 に全国から集まった ZINE を PARK GALLERY 加藤が1つ1つ向き合いレビューしていきます。まだ触れたことのないパーソナルな ZINE… もっと読む
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#レビュー

COLLECTIVE レビュー #26 リリー『Good day』(和歌山県)

毎年、こうしてレビューを書きながら、ZINE とは何か、というのをすごく考えてる。僕だけじゃなく、参加者も含めて意見の交換を行なっているうちに、だんだんと、ZINE とはどうあるべきかという研究は進み、見えてきた気もする。 その中で、実際、昨日、「こういう ZINE を作りたい」と思い立って、ZINE を作ってみた。テーマを1つ決めて、PC に保管していたたくさんの写真の中なからパッとテーマに合うものを引っ張り出して、デスクトップ上でレイアウトして印刷して折ってホチキスで留

【 ゲストレビュー 】 下司悠太 『反抗的味噌汁』 レビュー by 秋光つぐみ

反抗的。反抗するようなさま、また、反抗する気持を態度や言動に表わすさま。味噌汁。みそをだしにとかし、刻んだ野菜や豆腐やわかめなどを入れて煮た汁。 反抗的。むき出し、刺激的、あるがまま、不安定。 味噌汁。溶ける、吸い込む、ひと息つく、安心。 これは私のイメージ。 一見、相反するような気がする二つの言葉が並んでいることに「はて・・?」とかすかな疑問を無意識に抱き手に取るも、するりとその手中から抜け落ちそうな滑滑した真っ赤な装丁が、凝り固まった私の何かを破壊してくれそうな予感が

COLLECTIVE レビュー #03 よしのさくら 『とまれみよvol.2』 (宮崎県)

好きな小説家やエッセイストの続編はもちろん待ち遠しいけれど、ごく少数の、わずかな読者に向けられた ZINE というメディアを発信する人が世に送り出す「2」ほど頼もしいものはない。 「ただただ続きを作りたい」とか、「前作の反応がうれしかった」、「言いたいことがまだある」、など、理由は様々だと思う。「はじめから続きを見越していた」というタイプのひともいれば、惰性でやる人もいると思う。人気のあまり続編が出たという人ももちろん。でも、その中にときどき 「私がやらなければ誰がやる」