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【 完結 】 COLLECTIVE 2022 レビュー

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COLLECTIVE 2022 に全国から集まった ZINE を PARK GALLERY 加藤が1つ1つ向き合いレビューしていきます。まだ触れたことのないパーソナルな ZINE…
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#リソグラフ

COLLECTIVE レビュー #40 koji 『DO.DO.DO. doodle note 2』(東京都)

イラストレーターが ZINE という媒体を使って自身の作品のプロモーションに使ったり、展示やグループ展でグッズとして販売するケースが、ここ数年で一気に増えた。オンデマンド印刷が進化して、より簡単で安くなったこともあるし、原画を売ることは難しいけれど、ZINE ならという考えで活動の費用の足しにするということもある。ただ、正直にいうと、出来すぎたカタログみたいな ZINE も増えていると思う。だから COLLECTIVE を通じて、作り方のアイデアを手に入れたり、少し工夫するよ

COLLECTIVE レビュー #33 おおや『magenta no mono』(東京都)

ZINE を作るにはかならず、内容を考えたりする「編集」という作業と、誌面を構成するための「レイアウト」の作業、そしてそれを紙にするための「印刷」の作業があって、さいごに「製本」というとどめの作業が待っている。この作業を一貫して個人で行うのを ZINE づくりというように言っていたような気もするけれど、最近ではずいぶん変わってきた。   パソコンも便利になって、ネット印刷もかんたんになったけれど、そのせいで内容どころか印刷と製本をおざなりにしてしまう人が多いように思う。すごい

COLLECTIVE レビュー #32 ヨシモト『私はなぜか山が好き。なんでだろう。』(埼玉県)

どこからどこまでが手作りかはさておき、「手」で「作った」、もしくは手をかけてるような ZINE は、作品の好みや、内容の共感有無以前に好きだなという気持ちになれる。かんたんな作業ではないはず。多くの人が、仕事をしながら、学校に通いながら、いろいろな時に、ZINE と向き合うことになる。そんな中、少しの時間と手間で、装丁を考えたり、誰かが喜ぶ、ちょっとした仕掛けをそっと組み込んだりする。   会場にいると、やはり少し作りに工夫のある ZINE が手に取られているしファンが多いな

COLLECTIVE レビュー #16 ショージサキ『ガール イーツ ガール』(東京都)

自身のイラストや写真はもちろんのこと、日々の日記やレポートなど、さまざまなスタイルの ZINE を見てきたけれど、毎年必ず「こんなジャンルのZINEもあるのか」と驚かされる。   中でも今回異彩を放っているのが、短歌ZINE 。歌人・ショージサキさんによる「ガールイーツガール」という作品。表紙のブルーがこの季節にちょうどよくて、たくさんの ZINE が並んだ空間でもひときわ鮮やかだ。これにまさか<短歌>が掲載されているなんて誰が思うだろうか。   5・7・5・7・7   なじ