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COLLECTIVE 2022 ZINE レビューまとめ

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COLLECTIVE 2022 に全国から集まった ZINE を PARK GALLERY 加藤が1つ1つ向き合いレビューしていきます。まだ触れたことのないパーソナルな ZINE… もっと読む
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#東京

COLLECTIVE レビュー #23 YU TANAKA『Mood Swings』(東京都)

PHOTO ZINE と写真集の違いっていうのは言葉にするのはなかなか難しい。一般的に PHOTO ZINE は、写真集よりもステートメントが熟考される前の状態の冊子(写真業界ではダミーブックともいう)、もしくは直近の作品をまとめたポートフォリオ的な役割を持つ冊子で、比較的、コピー機やキンコーズで刷った紙を簡易的に製本したものとされるが、近年ではネットプリントで製本までを任せているものもある。ネットで注文したものなんて ZINE とは呼べない、という原理主義者がいるけれど、ま

COLLECTIVE レビュー #18 牧角春那『公園のあの子』(東京都)

2020年にイラストレーターとしてのキャリアをスタートさせ、2021年に自身の描き溜めた作品をまとめた初のZINEを制作し COLLECTIVE にエントリー。そして今年も参加してくれたイラストレーター牧角春那さん。2年という短い期間で、このクオリティのイラストを描けるのかと驚いてしまったが、プロフィールを見ると多摩美出身で、MJ イラストレーションズにも通い、ザ・チョイスにも入選している実力派だ。納得。 昨日レビューしたマサキヒトミさんと先週まで一緒のグループ展に出てい

COLLECTIVE レビュー #17 秋光亜実 『TRIP』(東京都)

ぼくの好きな ZINE のジャンルの1つに「旅」系の ZINE がある。国内外問わず、パーソナルな視点で切り取られた街の風景、暮らしの延長にあるささやかなドラマ、光と影が織りなす時間や季節。その瞬間にしかない特別な時間が、写真や、時に言葉でつづられる「旅の手帖」。その旅先に行った気分になれたり、知らなかった街のことを知れたり、誰かの思い出の中にお邪魔させてもらっている感じが心地がいい。 今回紹介する ZINE も、旅の手帖的1冊だ。タイトルは「TRIP」。作者は金曜日のパ

COLLECTIVE レビュー #16 ショージサキ『ガール イーツ ガール』(東京都)

自身のイラストや写真はもちろんのこと、日々の日記やレポートなど、さまざまなスタイルの ZINE を見てきたけれど、毎年必ず「こんなジャンルのZINEもあるのか」と驚かされる。 中でも今回異彩を放っているのが、短歌ZINE 。歌人・ショージサキさんによる「ガールイーツガール」という作品。表紙のブルーがこの季節にちょうどよくて、たくさんの ZINE が並んだ空間でもひときわ鮮やかだ。これにまさか<短歌>が掲載されているなんて誰が思うだろうか。 5・7・5・7・7 なじ

COLLECTIVE レビュー #15 マサキヒトミ『HITOMI MASAKI』(東京都)

もう何年も何回も言ってきたことだけれど、COLLECTIVE をやっててよかったなと思えるのは、好きな作家さんに新たに出会えること。Instagram という大海原では出会うことがなかったかもしれない作家さんの ZINE が届いた時、本当にやっててよかったなと思える。参加者全員に対してそう思いたいけれど、ぼくの心はそんなに都合よくできていない。数人いればいいなと思う。 COLLECTIVE 2022 ZINE レビュー #15 マサキヒトミ「HITOMI MASAKI」