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COLLECTIVE 2022 ZINE レビューまとめ

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COLLECTIVE 2022 に全国から集まった ZINE を PARK GALLERY 加藤が1つ1つ向き合いレビューしていきます。まだ触れたことのないパーソナルな ZINE… もっと読む
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COLLECTIVE レビュー #28 かどでんこ 『大学生がバイト先でセクハラ発言を受けてから謝罪の会を開催するまで そしてそれから』 (東京都)

1本の映画を見たような気持ちになった。 ZINE を手にしてこんな風に思うことはあまりない。この ZINE を前に「おもしろい」というと語弊があるかもしれないけれど、映画の満足感を「気分の浮き沈み」で表現するならば、この ZINE を読んでいるあいだは、映画のそれに似た浮き沈みがしっかりあった。 最近は仕事が忙しいということもあって、文章をゆっくり読む時間が取れない。だからこの COLLECTIVE のレビューでも、内心、文章の長いものは後回しにさせてもらおうと思ってい

COLLECTIVE レビュー #27 下司悠太 『反抗的味噌汁』 (神奈川県)

写真をアート作品として語る時、「コンテクスト」が大事になってくる。かんたんに言えば、その写真を撮るに至った背景や、理由のようなもので、それを「ステートメント(声明文)」という形で写真家は発表したりする。コンテクストの深さやオリジナリティが写真の評価を大きく左右する。例えば同じ花の写真でも、感動できたりできなかったりする。フォトコンテストは、写真の見せ合いではなく、コンテストの殴り合いだと揶揄されることもある。極端に言えば、コンテクストさえしっかりしていれば、有名だとか無名だと