山吹色のニット
これ買ったのはずいぶん前のことになる。デパートの大改装工事前の在庫処分セールで、角の折れた値札には何重にも値下げシールが貼られ、びっくりするくらい安くなっていた。
山吹色のウールで、ボートネック。肩から二の腕あたりまではラグラン袖ふうで、その先は細くてまっすぐなリブ編みに切り替わる。身幅はどちらかといえばルーズで、丈はやや短め。
Dries Van Notenがまだ、ベルギー生産だった頃の品物だ。
このときに一緒に買った、太畝コーデュロイ地のペンシルスカートは今でもだいじに履いているけれど、ニットと同じ山吹色のシャツの方は気の迷いで数年前に手放してしまった。わりとジメジメ後悔している。
途中に何年も着ないでいる時期があった。黒・グレー・紺・カーキ・茶のワークウェアしか着なかった数年間(今では信じがたいが)と重なっていたはず。でも手放す気にはどうしてもなれなくて、そうこうしているうちに再び着るようになった。それも頻繁に。
ここ2年ほどは、冬の普段着として週3くらいで活躍している。ニットの中にはロシア軍のボーダーカットソーを着て、ヴィンテージのLevi’s 501と白いスタンスミス。
そうだ、このカットソーとの相性が抜群にいいので、山吹色ニットを再び着るようになったんだ。ニットの襟からカットソーの縞模様が見える(チラ見せどころではない)のが気に入っている。
襟ぐりが大きめなデザインなので、中に着るものが常に見えてしまう。かなり襟ぐりが深めの無難なインナーをいくつか試したものの、黒やグレーだとニットに透けてせっかくの山吹色が沈むし、ギリギリ肩のあたりではみ出してかえって半端で気持ちわるいとかの理由で、採用に至らず。それがどうだ、中に着たものの柄を堂々と見せてしまうことにすると、逆にカッコいいではないか。
これをずっと着ていた冬も、もう終わりそうだ。
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