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ミニマリストなウエスタンブーツ

買った当時はもっと明るくて、マットな色合いだった気もする。かれこれ10年以上は持っているだろうか。

今では少しツヤのある飴色に。ヒール高が10センチ以上というのもあって頻繁には履いていないのだけれど、よい感じに年を重ねてくれたのでは、と思う。

長い寸胴シャフト、前後中央が割れた履き口、斜めに削られたスタイルのヒール、鎧に通しやすいように尖らせた爪先。第一印象は明らかにウエスタンブーツだ。ところが、私が頭に描いていたウエスタンブーツには欠かせない装飾ステッチが、このブーツにはない。

装飾なしのプレーンな、且つ、まごうことなきウエスタンブーツ。ゴリゴリの西部劇っぽい雰囲気を狙っているわけでは決してなく、ちょっとウエスタン風味が欲しいという私のニーズにぴったりだった。

おそらくこのような素っ気ない姿だったのだろう、発明初期のウエスタンブーツは。カウボーイの落馬の際のの安全という、純粋な日常の必要性から考案されたのだから。

私の持っているのはウエスタンブーツ専門メーカー製ではなく、フランスのSartoreのもの。こんなにシンプルでクセのないウエスタンブーツを作ったシーズンは、あとにもさきにも無かったのではないか。あのとき無理して買っておいてよかった。

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