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霞の空色シェットランドウール

春分を過ぎたら、いかにも冬用のアウターとかニットは着ない主義なのだけれど、いまさら欲しいと思っている冬物ニットがある。

某ブランドの店頭で見かけていいなと思った品が、セール待ちをしているうちにうっかり売れていってしまい、美しく儚いイメージだけが力強く脳内に残った。

シェットランドウールの水色って、カシミヤとかモヘアとかにはない独特のニュアンスがある。なんというか、ぼんやり霞みがかった、発光するような感じ。澄み切った濃い夏の青空ではなくて、むしろ春先の夕方の、淡くて眠たい空の色。ごく微妙に黄色味を含んだ、温かみのあるブルー。気温で例えるなら17度くらいの、ぬるいと冷たいの合間の色。

シェットランドウールは、襟ぐりと袖口と裾のリブ編み部分がいかにも「ニット」らしい。これぞ「The ニット」と呼んでいいのではなかろうか、と見るたびに惚れ惚れする。王道オブ正統派オブ元祖オブ・ニット、それが私にとってのシェットランド。もちろんクルーネック派。カシミヤニットはこの先おそらくもう買わないと思う(じゅうぶんな量を持っている)けれど、シェットランドは見つけたらたぶん買っちゃうね。

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