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7:公的機関不振の原因

役所に行けば紙の書類で申請手続きをしないといけない。
企業の事務方の職員は仕事が遅く感じる。

公的機関(学校・教会・病院など)や企業内のサービス部署(総務部、システム部、経理部など)は十分な成果を上げていないとドラッカー先生は言います。

その理由について過去のnoteをまとめてみます。

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7−1:三つの誤解

私たちは公的機関について3つの誤解をしています。

「公的機関が不振な理由は?」と尋ねるとしたら、どう考えますか。
多くの人が以下3つの原因を思いつくでしょうが、どれも間違いです。

①企業のようにマネジメントしていないから?
→企業と公的機関は異なるので、企業と同じマネジメントは無意味です。

②人材がいないから?
→企業も公的機関も同じく人材はいません。

③目的や成果が具体的でないから?
→目的が抽象的なのは、企業も公的機関も同じです。

公的機関が不振な理由はもっと別のところにあります。


7−2:公的機関と企業は何が違うのか

公的機関に企業と同じマネジメントは効果がないと言いましたが、そもそも公的機関と企業は何が違うのでしょうか。

違いは、支払いの受け方です。

企業は顧客の欲求を満たすことで支払いを受け取る一方で、公的機関は予算から支払いを受け取ります。この違いが彼らにとっての成果の違いを生みます。


7−3:成果をあげるなかれ

公的機関にとってはより多くの予算を手に入れられるかが関心ごとです。

予算は①全体の予算量と②組織が抱える人の数によって決まります。

つまり、人が多ければ多いほど予算型組織は多くの予算を手に入れられるのです。その結果、予算型組織は不要な仕事でも捨てずに抱え込もうとします。また、どんな仕事も等しく予算を獲得するための手段なため、仕事に優先順位を設けようとしません。

予算型組織にとって、効率をあげて仕事をあげる成果は望ましくないのです。

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公的機関不振の原因を一言で言えば、その予算依存体質にあります。

より多くの予算を手に入れるために不要な仕事を全て抱え込み、それに従事する人を抱えた結果、彼らはさらに多くの予算を必要とします。それらの予算は不要な仕事のためであって、決して顧客の欲求を満たすためのものではないのです。

役所で申請をするときにわざわざ出向いて紙の書類に書かないといけないのはなぜなのか?快適さや便利さを求めようとせず、古い体質を持ち続けるのはなぜなのか?

全ては予算をより多く手に入れるためです。

それを認めた上で、どうすれば公的機関が成果をあげられるのかを考えようと思います。

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