「X理論とY理論」〜人は怠惰か?勤勉か?〜
ダグラス・マグレガーの「X理論とY理論」はご存知でしょうか。
「なんとなく聞いたことある、大学の講義で〜」って人は多いかと思います。理論って聞くとアレルギー反応を起こしそうですよねw。でも、言ってることはすっごいシンプルなので安心してください。
先に結論を言います。
「X理論とY理論」とは、人は「X(怠惰)」、もしくは「Y(勤勉)」な生き物なので、人がどちらに分類されるのかを考えて仕事を与えないといけない。
と言う理論です。もうちょっと詳しく書いていきますね。
▼X理論とは「人は怠惰」だと考えることです
X理論の考えはこうです。
「人は生まれつき怠け者、仕事が嫌いだし、責任を取りたがらない生き物。だから強制したり命令しないといけない。」
パワハラ上司、奴隷をムチ打つ監督人、高圧的な学校の先生とかのイメージですね。彼らは皆、人を強制したり命令したりして動かそうとします。その根底にある考えこそ、「人は怠惰な生き物だとするX理論」です。
経営学の父ドラッカーはこの理論を「悪いもの」だと捉えていますが、実際に導入されている現場はあります。例えば、肉体労働が必要な現場、機密情報を扱う仕事など、個人の自主性に任せた管理ではリスクが大きい場合に有効です。
▼Y理論とは「人は勤勉」だと考えることです
Y理論の考え方はこうです。
「人は欲求があり、やりたいことがあるはずだ。だから、魅力的な目標や責任を与れば自然と動くはずだ。」
X理論の真逆ですね。とてもポジティヴな考え方です。会社の尊敬できる上司、甲子園優勝を目標に掲げる先生、などですかね。彼らはみんな魅力的な目標を掲げて彼らのやる気を引き出します。その根底にある考え方こそ「人は勤勉だとするY理論」です。
この理論を活かすなら、目標を社員一人一人が共有している場合に有効です。社員の少ないベンチャー企業の社員は休みを取らずに働き続けたりしますよね。彼らは魅力的な目標を掲げられて「能動的」に動いているんです。
X理論とY理論の違い、分かっていただけましたでしょうか。
でも、どっちがいいの?って思いますよね。
でも、
現実は複雑でそんな一面で決められません!
「Aさんは怠惰でやる気がないからX理論」
「Bさんはモチベが高く意欲的だからY理論」
なんて単純に決められるほど現実は単純ではないんです。
ドラッカーはこの理論に対して一面で見るべきでないと言います。「精力的な人もいれば怠惰な人もいる。同じ人が、違う状況のもとで違う反応を示す。」
つまり、人は「怠惰なX理論」にもなりうるし、「精力的に努力するY理論」にもなる可能性があると言うわけです。
権力を持って、高い地位についた人は「Y理論」が有効だと考えて、一人で抱えきれないほどの責任を与えてしまったら、彼は恐らく耐えきれないでしょう。逆にこいつは命令しないと動かないと思っていた人がとある仕事だけ意欲的に働くなんて状況もあるはずです。
同じ人間でも状況が変われば反応が変わります。
個人をX理論とY理論という一面的に見るのではなく、状況に応じて使い分けるべきなんです。個人と状況を当てはめて、もっと多面的に見ることが求められるかもしれません。
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