燃えるゴミ(MCバトルの紹介)


「MCバトルなんて、ペラペラしゃべれる人が言い合ってるだけで、音楽じゃないし」

実際、韻を踏んだら「オヤジギャグ」、まくし立てれば「聞き取れねぇなぁ」、基本的には「口くっせぇ」とか「マジだっせぇ」とか言い合ってる訳で、まったく観ていて心が痛い、、

とか思ってたのですが、最近、よく観てます。
紹介します。

1 MCバトル?

MCバトルというかラップは、曲(ビート)の小節に合わせて言葉(リリック)を吐くものです。
(リリックといったり、バースといったり、そこはよくわかりませんが)

MCバトルは、だいたいは先にいったような、うっせぇだっせぇマジくっせぇの言い合いですが、一方、MCが曲にうまくのったり、リリックがきれいにはまったりするのは、聴いていて気持ちがいいです。
(中には、お互いを認め合うような試合もありますが、そういうのはそんなに好きじゃないです。)

また、仕事柄、マウントを取り合う環境なので勉強のため聴いてます。

有名どころですと、R指定、晋平太、呂布カルマ、鎮座doopnessあたり。(大御所ばかりですが)

バトルは、1:30から

書き起こしたいパンチライン(決めセリフ)はチプルソのこれですね。

うまくなったねR(指定)の影響?
デュハ
ちゃんと書いてこいよ、ほら履歴書
破って捨ててやるぜ、○ね、キショ

また、これもね

マジで燃えちまった火種
敗者にインタビューはイラネ


2 MC?

MCバトルは、見方を変えると、アイドルのコンサートのような側面もあり、推しのMCががんばっていると、つい応援したくなり、そこもおもしろさのひとつかと思います。

ちなみに、日本最大の大会のUMBでは「自身が主人公であることを一番アピールできたMCが優勝者」といわれたりもします。

名バトルはいろいろありますが、中級者にオススメといわれているmol53を紹介します。

バトルは、1:45から

とがってた頃のR指定。

おいKREVA、今日からは俺が基準

R指定はこの大会で優勝し、その後3連覇を果たすので有名なバトルですが、mol53は負けてしまいました。mol53目線でみれば最後の音抜きがとても残念な感じで。。
このときの主人公はやはりR指定ですかね。

mol53は「燃えるゴミ」と読みますが、アンダーグランドの実力者、オールドスタイル、リズムキープが絶妙などと定評があり、一方、声が高い、バイブスが足りないなどともいわれます。

要は、メディアでの登場は少なく、実力はあるものの華はそれほどなく、いかつくもなく、どちらかといえば昔ながらのラッパーという感じです。
ただ、今でもrawaxxxという名義でバトルに登場している、第一線で戦うMCでもあります。

3 ヒートアップ?

バトルは、1:00から

魂ってやつは一度燃えたら
灰になるまで、俺は燃やしきるMCだ
俺が死んでも、俺の言葉は死なないと思っている

とか熱いこといいながら、

勢いだけのビックモーラ、でも
ぜんぜん感じないピンクローター

とかいって相手に煽ってます。
その結果、バトルはめちゃくちゃ熱くなりました。

4 パンチライン?

バトルは、1:40から

韻を落とすことは簡単じゃねえ
これはrhyme、難関だぜぇ、頭使え
がんばったってお前は超えられねえ
俺は、でっかい壁を超えてここにきたぜ

戦極MCバトル史上、最高のパンチラインがでたともいわれるバトル。

rhymeとは韻のことですが、正直、どんな意味、どんな意図でいっているのか、正確には分からないのですが、これをビートにのっけられるテクニック、言葉の響きのかっこよさ、リリックに残る考えさせる余地・余韻、そんな魅力があるのかも知れません。

5 伝説のバトル?

MCバトルは、言い合いなので、悪い意味で熱くなったり、険悪になったり、手を出したりすることもあるようで、また観客を沸かせた方が勝者のため、やはり裏ワザというか、そこにサクラを仕込んで有利に進めようとする輩もいるようです。
(そもそもMCバトルのルーツをたどれば・・・)

それはよくある話らしく、いくつか動画もあがっているのですが、観ていて気分が悪いものです。

次の動画は、観客のほとんどがサクラ、司会からDJまで仕込みと思われる有り様。
そんなひどい状況でmol53が戦い、不穏な空気の中、延長戦にもつれ込むというものです。
動画のタイトルは「伝説の試合」ですが、なぜなのか。

手っ取り早くみるなら3:55から

ビートはいらない
俺の独壇場でもっていって間違いはない
やり方は一つ二つ三つ四つある
このビートでも関係ねぇ
曲がなくても即興でやるだけ
これがやり方、誰が一番段違いか
お前たちが一番よく知ってるはずだ

普通なら砂を噛むように終わるところ、
逆境が追い風となって、
圧倒的なまくし立てが決まるという・・・、
胸熱ですね。

6 おわりに

歴史とは、勝者を軸に語られるものですが、こなれてくると、正伝に対する列伝や外伝も気になるものです。いまどきこっちの方が注目されるといった側面もありますね。
そんな中、mol53はいぶし銀の輝きを持ったMCかと思います。

mol53の紹介でした。
まあ、並べてみると、YouTubeの検索ヒット順のようになりましたが・・・

7 最後に

最後は古きよき昔の試合から

「はいはい、韻が固すぎてオヤジギャグ」のパンチラインから始まり、最後は握手して握手したまま二人で退場するという、書いてみるとコントのような試合です。

もちろんチプルソも好きです

最初に書いた「MCバトルなんて、ペラペラしゃべれる人が言い合ってるだけで、音楽じゃないし」へのアンサーとしては、まあDJが曲をかけてるから音楽なんじゃないかな、という感じ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?