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カーボン製オリジナルストロベルボードインソール「スジオカーボン」パフォーマンスレビュー

【物理で見るバスケ】エントレのぱらとです。
Twitterで話題騒然となったオリジナルストロベルボード「スジオカボード」。

昨今の荷重圧縮率の高いクッションが多いバッシュに対して荷重による沈み込みを抑制して体感を変えてやろうという代物です。
スジオカボードの正体は繊維状に加工されたPP系樹脂を平織にして織物上にしたうえで熱可塑性樹脂で浸漬させて硬化させたいわゆる化繊ボードです。
工業用樹脂特有の柔軟・軽量という特性を持ちながら引張強度が高いので荷重に対しても変形しにくくなります。
これをインソール直下に配置することで沈み込みの大きいバッシュのレスポンスを上げることができるということで一部で流行しているようです。

発案者のスジオカさん(https://twitter.com/attention2021)とは面識があるバスケ仲間で作製の進捗は伺っていましたが思ったよりも流行っていて驚いているのが正直なところ。
材質的にも狙いにはピッタリのものでストロベルボードの代用として効果の高いものであることはモノづくりメーカーの研究開発職で同種の材質を取り扱う身として納得できるよな、と感じていました。
ただし、材料物性の観点で懸念点もあるので自分用の作製は不要かなと考えていました。

ところが、スジオカボードの作製元であるフットプロンプター(https://footprompter.com/)を運営されている靴職人の関さんとのやりとりでカーボン素材での作製が可能かもしれないという連絡をいただき考えを手の平返し。

カーボンはちょっと作ってみたい、、、

色々と無理言ってあちこちに協力を仰ぎながら私の思惑通りにカーボン素材版スジオカボード「スジオカーボン(関さん命名)」を作製してもらいました。


図1 スジオカーボン、カーボン目が美しい

カーボンのグレードや織り方、配向性、成型の仕方、加工の仕方などなど色々と融通を利かせてもらい市販されているカーボンプレートとは一線を画すものを仕上げていただいたのは非常にありがたい限り。

今回はそんなカーボン材で作った代用ストロベルボード「スジオカーボン」のパフォーマンスレビューをしていきます。
パフォーマンスレビューを起こすにあたって色々と検証したい与件を考えて以下10モデルで着用しました。

・Air Jordan1 MID
・LeBron17 low
・LeBron18
・LeBron20
・Kyrie Infinity EP
・Air Jordan37 PF
・Curry10
・T-MAC3 Restomod
・Harden vol.6
・MB0.2

予め断っておくとスジオカーボンを入れたときにどのような変化があるのか?を中心にレビューしているのでそれぞれのモデル本来のパフォーマンスに対する言及は少なめです。
YouTubeやnoteでレビューしていないモデルも多数ありますがご了承ください。
ちなみに、いずれのモデルもインソールはSuperfeet GreenまたはSIDAS Action 3Dです。

本当はこの10モデルに加えてFoamposite ProとLeBron19を入れてみたかったんですが特性考えたら流石に無謀だろうということでチャレンジしていません。

それではスジオカーボンについて詳しく見ていきましょう。


1.ディテール、仕様

 仕様としては平織カーボンシートを重ね合わせて接着したもの。
カーボンシートの織り方は目的に合わせていくつか種類が存在しますが、今回は織数が多く面強度が高い平織のものを使用。
ラストはスジオカボード同様にNIKE標準ラストを参考に加工してもらっています。
カーボンシートは0.27mm厚のものを使用して2枚重ねと3枚重ねのものを試作してもらいました。
カーボンシート自体は1枚でもCFRPとして成型できるんですが、今回は重ね合わせて検証したかったのであえてお願いしています。
カーボンの成型方法にも織り方同様いくつか種類があります、今回はウェットカーボン仕様で成型。
実測の厚みは実測ベースで2枚重ねが平均0.73mm、3枚重ねが平均0.91mm。
作製は手加工なので作るたびに多少厚みは前後すると思いますので参考までに。


図2 2枚重ね使用の横からの図

シューズに入れてみると元々のストロベルボードの平面的領域をを余すことなく埋めてくれます。
本来ストロベルボードはアッパーと縫い合わせることでアッパー空間を形成する効力を発揮する部材ですが、インナー側から見たときのストロベルボードの面をピッチリ埋めることで既存ストロベルボードの補強として十分機能するものと考えています。
カーボン素材を使ったインソールにVKTRYのような製品がありますが、VKTRYをはじめ他のカーボンインソールにありがちなシューズのストロベルボードに対してカーボンサイズが1周り以上小さいということはなく、前足部に関してはほぼほぼジャスト。
インソール(足側)の機能としてではなくストロベルボードの代用(シューズ側)として機能できる状態を作り出します。
完全受注生産だからこそできる丁寧な仕上がりです。
端部加工もしてあるのでカーボンシート特有の端部がポロポロしてしまうこともなし。
接着も丁寧で浮きやヨレもなく良かったです。

2.作製の狙い、懸念点

色々と考えて作製してもらったスジオカーボンですが、作製意図としては面対圧の低減(圧力分散)です。
硬く沈みにくい材質がストロベルボードの位置に配置されることで荷重によって局所的にミッドソールが沈むことを防ぎます。
点で押す状態から面で押す状態にテコ入れできるのでミッドソールを圧縮する力を小さくして沈みにくくします。
ミッドソールの変形量が小さくなるということは復元までの時間が短くなるということなのでミッドソールのレスポンスを上げることを狙えます。
材質の違いはありますが効能としては熱可塑性樹脂で作られたスジオカボードも同様です。
厚く重ねればVKTRYのようになるわけですが、あえて薄型にすることでVKTRYのような弾性反発向上を狙っていません。
シューズ本来の剛性を消しすぎない(補正しすぎない)ことも今回の狙いに入っています。

恐らくこのレビューを見ているほとんどの人はスジオカーボンはスジオカボードの上位互換であると考えていると思いますが、2つの懸念点から作製する前から個人的には上位互換にはならないだろうと予測していました。
その懸念点とは一定角度以上の変形で塑性変形すること、剛性に対して弾性が弱い(低い)こと。

・塑性変形する
塑性変形というのは一度変形させたら元の形に戻らない変形のことを指していて簡単言うと折り目がついてしまうような特性です。
塑性変形すると元の形には戻らないので平板の状態で得られる物理的な特性が失われたり低減したりしてしまいます。
また、繰り返し応力(何回も曲げる)ことで折り目から疲労破壊を起こして割れたりすることが予想されました。
つまり耐久性が低いということです。

・剛性に対して弾性が弱い(低い)
剛性に対して弾性が弱いというのは曲げようとする力に対して変形しにくい特性はとても強いのがカーボンです。
しかし、変形した状態から元の形に戻ろうとする弾性力という点では実はそこまで高い特性を持っていません。
なので単に曲げにくいソールになってしまってエネルギーリターンの点でデメリットが出てくる可能性があります。
VKTRYなんかを使ったことがある人はカーボンだから戻る力は強いんじゃないの?と勘違いしてしまうと思いますが、実はカーボンは変形しにくい&しなるように変形する2つの特性によって反発力を稼いでいるんです。
軽量で剛性を稼ぐことができるので厚く重ねることで実質的な反発力は高くできるんですが、今回のように薄型にすると剛性の高さは際立ちつつ弾性の低さが露呈しやすいです。
シューズ本来の特性を生かす方向に調整しているストロベルボードの代用品としては逆効果になる可能性があるということです。
以上のような予想が作製前からあったので一定の効果はありつつもかなりじゃじゃ馬的な乗り味になるんだろうな、と想像しつつ試作をお願いした次第でした。

では、実際のところどんな感じだったのか?ここからレビューを書いていきます。

3.効果確認、使用感

それでは、実際にスジオカーボンを使用した時の感触について書いていきますが、それに先んじて物性調査と称して2つの評価を行い特性を確かめました。

評価1.荷重に対する圧縮量の変化

まずは荷重量に対する圧縮量(ミッドソールの変形量)がどれくらい変化するのか測定してみました。
簡潔に結論だけ書いていきますが、圧縮量ベースで10~15%低減が確認されたので荷重に対してミッドソールが変形しにくくなり沈み込みを抑えられるというのは間違いないということが明らかになりました。
ただ、測定をしながら材料物性的にはちょっと表現が正しくないことに気づきました。

バッシュの沈み込みは圧力分散によって荷重量、つまり押す力が小さくなって抑えられています。
ということは今までと同じ感覚で押し込んだ時に身体が出す力は同じでも実際にミッドソールを押す力は弱くなることで沈み込みにくくなっていたということです。
ここから分かるのは厳密にはシューズ側の沈み込みを抑えたではなく、我々の身体側が沈み込ませることができなくなったというのが正しい表現になるのかなということ。

荷重に対して沈み込ませられなくなったということはバッシュから得られる反発力も小さくなっているはずなので動きにくいと感じられるように思いますが、巷のスジオカボードの使用感をみると軒並み反発力の向上を感じられるというコメント。

この要因については以下のような推測が立ちます。
バッシュからのエネルギーリターンを最大限利用するには返ってくる力の大きさと早さが自分の身体操作に合っていることが重要です。
私はこれをバッシュの反発特性として情報発信していますが、スジオカボード購入者は沈み込みが大きいことでバッシュからの反発応答が遅いことに不満を持っている人がほとんど(というか全員?)です。
なので沈み込みにくい分反発が返ってくる早さが早くなったことでミッドソールのレスポンスが上がり今まで無駄にしていたエネルギーを十分に活用できるようになった。
これにより動きやすい・反発力が上がったと感じていると思われます。

【荷重量低下による反発力の低減レスポンス向上による反発力利用効率向上】

という図式が成り立つことで実質的に反発力の向上を感じられたと考えられます。
逆にレスポンスが早くなることでプレイヤー自身が対応しきれず身体操作を崩してしまう可能性もあるということです。
反発力が増減する分には対応できる人は多いですがレスポンスの早遅は普段から荷重コントロールや重心移動、骨盤コントロールなどを気を付けている人でないと対応しきれず身体にはダメージとして伝わる可能性があるので注意したいところです。

上記図式が成り立つのであれば軽量プレイヤーや地面を押す操作ができないプレイヤーによっては無用の長物になる可能性が高いのもこの代用ストロベルボードの特徴と言えます。
程度は違いますがスジオカボードも同様の事が言えるので、もしこのレビューを見ている人でスジオカボードを既に持っていてあまりレスポンス面の感触が良くない人はスジオカーボンは更にセンシティブなレスポンスになるため手を出すのはオススメしません。
スジオカーボンがどんな人にオススメできるかは後述しますがスジオカボード含めて万能なものではない事は理解しておいた方が良いですね。

評価2.塑性変形角度(屈曲可能角)

懸念点のところで書いたようにカーボンは塑性変形(折り目が付く)して元の形に戻らなくなる変曲点があります。
これがプレイ中に屈曲させる角度に満たない場合は1発で割れるという事になりかねません。
バスケの動きで起きる足指のMP関節の屈曲角は大体50-60度ぐらい、少なくともこれぐらいは曲がっても塑性変形しないでいてもらわないと今回の試作は履く前から失敗が分かるわけです。


図3 屈曲(しなり)に対して弱すぎると意味がない

結論から言うと60度の屈曲角では塑性変形は発生しなかったので試作前に懸念していた塑性変形は発生しない可能性が高いということが分かり安心しました。
(ちなみにこの後実使用で裏切られます、詳しくは耐久性の項目で。)

実使用感

さて、肝心の使用感についてですが予想通りとても扱いが難しいものであるというのが正直な感想。
検証した10モデルは目的別にいくつかのグループに分けて検証を進めました。
使用感はグループごとにまとめていきます。

【薄い高密度ミッドソールに対する効果】
⇒Air Jordan1 MID
大きな効果はなし。
元々、私の体重(95㎏)でも沈ませられるようなソールユニットではないのでスジオカーボンを入れても効果がないだろうというのは予測の範囲内。
屈曲特性が折れる形から少ししなる形にテコ入れされるので多少加速しやすくなる感じはありました。
Air Jordan1のようなモデルを履いても足が痛くなるようなことは無いプレイヤーであれば試してみる価値はあるかも。

【荷重により塑性圧縮されきった(ヘタった)モデルに対する効果】
⇒LeBron17 low、LeBron20、T-MAC3 Restmod
繰り返し使用によってミッドソールが圧縮されてサイズ感が調整しきれなくなったモデルやヘタってしまったモデルをロールバックさせる効果を期待して試してみました。
今回検証したモデルはいずれも使用によってミッドソールが圧縮されて機能的寿命を終えてしまったモデル達、ゲームのような強度の高いバスケでは使えずシューティングなど強度低めの使用に限定されている状態。
試してみた感じでは一定の効果あり。
圧縮によってミッドソールの屈曲剛性がヘタったなと感じられたモデルもカーボンの特性によって少し力を取り戻した感覚が得られました。
圧縮が進むと前足部が落ち込んだように感じやすいんですが硬いカーボンのおかげで落ち込みの感じ方はかなり減りました。
とはいえ、新品時の感触には遠く及ばずであえて点数付けしていくなら新品の状態が10現状が4だとすると6-7ぐらいにロールバックする感じでした。
元々のモデルとの相性もあると思いますがズームなどの別体クッションはない方がロールバックする割合は大きそうです。
ただ、厚み方向には厚手ではないこともあってそこまで大きな貢献はしてくれません。
トゥボックスの空間を埋めつつミッドソールの応答性についてもテコ入れする欲張りな思惑は外れた形です。
T-MAC3なんかは結構期待してたんですがヘタリによる圧縮量が結構大きい状態だった事もあって思ったような効果は得られませんでした。

【ズームストロベルに対する効果】
⇒Lebron18、Kyrie Infinity EP、Air Jordan37 PF
今回の検証で最も期待していたモデル群がコチラ。
実際に乗ってみた感触は期待とは裏腹に最もじゃじゃ馬感を得られバッシュの奥深さを感じたモデル群となりました。

フルレングスズームストロベルに対してはスジオカーボンによって面でズームを押す形になるので今までは荷重によってフラットに感じていたのが超前傾に感じるぐらいになるまでテコ入れされました。
Why not Zer0.3かな?というぐらい前傾になって常につんのめっているような状態。
感触的には沈む云々というよりは浮いている感じ。
浮力とも言える感触で走ったりジャンプする時はまるでロイター板に乗っているようでした。
反発力自体は上がっているように感じられましたが、レスポンスは早くなっているとは言えずラグの大きさからロイター板、トランポリンというイメージがピッタリかなと思います。
LeBron18で試してみて、あ、今まではキチンとズームストロベルを潰しながら乗れてたんだな、というのをめちゃくちゃ実感する場面でした。

フォアズームストロベルの場合は強い前傾感はないもののフォアズームストロベル特有の屈曲角度を増すことで剛性が急上昇する特性が消されてしまってバッシュとしての面白みが消えました。
確かに全体の屈曲剛性は向上したように感じられますし、レスポンスも好みの早さまでテコ入れされるのでパフォーマンスとしては個人的に良い方向に変わりました。
ただ、フォアズームストロベルの面白さはそこじゃないんだよなーというのが正直なところでYouTubeレビューでも言及したように他のクッションセットアップでは出せない特性を見せてくれるのがフォアズームストロベルの特徴なのでそれを消す方向に働くのはどこか勿体ないと感じざるを得ませんした。
また、全体の捻れ剛性などとのバランスも不自然になるので総合的に見るとそこまでパフォーマンスアップとは言えませんでした。
元々フォアズームストロベルが苦手なプレイヤーが無理に代用ストロベルボードでてこ入れしてまで履く必要はないと感じます。

【単一フォームに対する効果】
⇒Curry10、Harden vol.6、MB0.2
色々試して結局のところ一番相性が良いと感じたのはこのモデル群。
ただし、クッションの種類によって反発力が消えたり増したりするので注意が必要だなと感じました。
MB0.2とHarden vol.6に関してはレスポンスの向上によってかなり満足度の高いパフォーマンスを発揮してくれました。
元々アッパーの成型などが良い2モデルだったのでソールユニットのてこ入れが功を奏した形です。
特にHarden vol.6は以前から好感触のモデルではありましたがスジオカーボンによってもう一段引きあがった感触。
ブーストフォームとの相性は意外に良いようです。

一方でCurry10は反発力が消えました。
フロークッションが低硬度、低粘度のフォームによって荷重に対して接地面積を過大に稼ぐタイプのため、クッション特性としては反発力よりも接地感を重視したもの。
そのため、本来であれば局所的な荷重をミッドソールが受け止めて面で地面を捉えるはずなんですが、荷重自体を面で押すように強調するスジオカーボンによって荷重面も接地面も面で力を伝え合う形になります。
するとどうなるかというと反発力がめちゃくちゃ低減します。
動いていて絶望的になるぐらい反発力がないため対人練習を中断してもらって履き替えたぐらいでした。
反発の感触はAsicsのGEL Hoopシリーズに近かったです。
個人的な感触としては反発力が無に感じられて全く跳べない・動けない。
無理に押し込んでも横アーチが潰れてスジオカーボンを押すだけなので足趾MP関節にただただダメージが溜まるだけでした。
出来る限りアーチを立てればなんとかいけるか?と思って試してみましたがそれを打ち消すように力が働くのでアーチ崩れを滅茶苦茶助長して個人的には危険だなと感じました。

感触の違いは出ましたがスジオカーボンによる効果が如実に現れやすいという点では単一フォームクッションのモデルが良いというのは恐らく間違いないかと思います。
今回の検証には入ってませんが、新品状態でリアクトクッションのモデルを試したら同様に好感触になるのではないかと予想されます。

4.耐久性

事前検証で屈曲角などは問題ないとしたスジオカーボンですが、実際に使用してみると完全に裏切られました。
屈曲部位が割と簡単に塑性変形して割れ・キレが発生しました。
単純な屈曲角では折り目が付くなような変形はしないですが実際に着用すると沈み込み+屈曲という形になって塑性変形してしまいこのように割れてしまうと予想されます。


図4 母指球部分で折り目が付いて割れた様子

この状態になっても面で受ける効果は維持できるのでスジオカーボンの効果自体は継続します。
しかし、亀裂は進行していくだけなので耐久性としてはかなり低いと言えます。


図5 5モデル着用後の様子、沈み込みに対して端部に応力が掛かっているのが分かる

改善するには熱可塑性樹脂に変更して再度作製する方法が考えられます。
今回熱硬化性樹脂であるエポキシ系樹脂を浸透してもらって作製したんですが、これはいわゆるCFRP。
熱可塑性樹脂に変更することでCFRTPへ変更されます。
CFRTPの方が塑性変形しにくくなるので今回の懸念は改善する可能性はあります。
ただ、CFRPは作れてもCFRTPは作れないというところは結構多いのでCFRTP版スジオカーボンを作る構想はあっても実現するかは微妙なところです。
それに面で押すという点では、体重が90㎏もないような人たちが多いと思うのでスジオカボードでも十分に感じられるプレイヤーの方が多いと思います。

5.使用にあたっての注意点

ここまでのレビューを読んで既にお分かりだと思いますが、スジオカボードに対して素材が高機能になったからと言って良い物になるわけではないという代物です。
特に荷重する足に対してはダイレクトにスジオカーボンの硬さを伝える形になるので反発のレスポンス向上によるダメージの蓄積が顕著になります。
元々アーチが潰れがちな人の場合、足底腱膜炎や中足骨痛などの傷害に発展する可能性があるので使用には注意が必要だと思います。
また、アーチがしっかり立てられる人でも荷重に対して横アーチを潰してくる力が強く働きやすいので着用後のケアは通常より念入りにした方が良さそうです。
少なくともショートフットエクササイズでアーチが全く動かないような人はスジオカーボンには手を出さないのが無難かと思います。

私自身は引き続き検証という形でスジオカーボンが真っ二つに割れるまでは定期的に使っていこうと思います。
検証の過程ではなんだかんだLeBron19やFoamposite Proにも入れてみると思うので追加レビュー希望の方はこのnoteの告知ツイートを引用RTする形で感想をお願いします。
~10引用RTぐらいだったら面倒なので書きません!(笑)

6.作製費用、依頼の方法

ここまでのレビューを読んでスジオカーボンを作ってみたい!と思った方はフットプロンプターの関さんまでご連絡をお願いします。

https://www.instagram.com/footprompter_atoriseki/

シューズサイズや厚み(重ね枚数)の情報があれば作製可能です。
価格は2枚重ね¥14,300、3枚重ね¥16,500となります。
スジオカボードに比べると値が張るので懐に余裕のある方だけ作製をオススメします。
レビュー内にも書きましたが万能感はなくショートフットなどのアーチ形成ができない人は怪我をする可能性が高まるのでご注意ください。

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