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【第0611稿】議論に便乗して勘違いしている人がいるようです

この3つくらい読むと良いかもしれない。

「ラーメン屋。あの美味さで730円は安すぎる。もうちょっと値上げするべき。ってか色んな業界がもう少し値上げするべき。高すぎるか安すぎるかの両極になり過ぎ。次ラーメン食うときは2000円支払います。必ず」

本田圭佑のツイート

これさ、「日本は味に対する料金(評価)が安過ぎる」って言ってんのね。それは分かるよね。正直、好きなだけ払えばいいじゃんって思うのよ。チップでもなんでも渡せばいい。ただ、それを国民全体に強要するんじゃねぇよ、って俺は思うわけ。

これに対して内山くんは、

「ラーメンって昔から食べている。いくらまで出せますかっていうのがある。僕はトッピングしたり大盛りにしても一杯のラーメンには1200円がギリギリラインですよ」
「1500円以上出すんだったら、正直、違う物。もうちょっと出せばトンカツとかウナギ、ランチだったらおすしとかも食べられるじゃないですか」

内山くんのコメント

内山くんも、味やラーメンという料理に対する評価価値観はこれくらいという応戦なのね。金銭感覚的な話として、2000円はさすがに高過ぎると。これも分かる。むしろ庶民寄りの考え方で、俺もほぼ同意見。

ただ、そこにきて

 カタール・ワールドカップ(W杯)で解説を務めて話題を呼んだMF本田圭佑は、ツイッターのフォロワーが180万人を超え、大きな影響力を誇る。1月9日には「次ラーメン食うときは2000円支払います」と宣言し、さまざまな業界に値上げを促したことで注目を集めた。そのなかで、関東サッカーリーグ1部南葛SCのMF楠神順平が、ツイッターでラーメンの値上げニュースに反応している(中略)。
 かつて川崎フロンターレやセレッソ大阪などでプレーした楠神は南葛SCが拠点を置く葛飾区にある「ラーメン三浦家」の投稿をリツイート。「意地で踏ん張りたかったのですが限界が来てしまいました。650円ライス無料 消費税を引くと585円 上がりまくる光熱費と材料費。三浦家のクオリティの維持の為にラーメンを200円程上げたいと思います。どうかよろしくお願いします」という値上げの報告と理由説明だった。

FOOTBALL ZONE編集部の記事

この記事は…なに?

前者2名は「ラーメンの価値」についての話だけど、榊神氏が取り上げているラーメン屋の話は「光熱費と材料費」の話。つまり店側の商売としてのやり方に限界が来たって話であって、前者と絡めちゃダメなヤツなの。

これをごちゃ混ぜにして話が進んでいくと、あっという間に「材料費」「光熱費」あるいは「人件費」の話にすり替わって、気付いたらラーメン業界全体がなんとなくラーメンを値上げしていくことになるの。

これは3つ目の記事を書いたFOOTBALL ZONE編集部が悪い。本田氏の話題に絡めて、別の話をぶっこんでいるだけ。関連させてはいけないんだよ。

ラーメンは(もちろん開発過程での発想力、技術力というのは重要だと思うけど)内山くんの言う通り、今までずっと庶民の食べ物であり、これがいきなり「この美味しい食べ物は1杯2000円です」って方向転換して高級料理に代わってしまうと、庶は誰も食べられなくなるのよ。

少なくとも1食500円~1000円くらいでやりくりしている庶民にとっては、ラーメン業界から突然離縁状を突き付けられたようなもので、「貧乏人は食うな!」って言われているようになるわけ。

わかる?

つまり、本田氏は「ラーメンという美味しい食べ物は庶民が食うのではなく、1食2000円出せる金持ちだけが食うべきだ」って言っているのと一緒なのよ。いやもちろんそれが本田氏の真意じゃないのは分かるけど、庶民からすればそう言われているように感じてしまうってことを、俺は言いたい。

これが、国民全体の賃上げが上手くいって、それこそニューヨーカーみたいにランチ1食15ドルが平均になるなら、ラーメンが1500円でも仕方ないと思えるかもしれないけれど、現時点でいきなり2000円は無理。

もちろん食材や人件費を合わせると、ラーメン1杯5000円にしないと原価割れしちゃうよ、って店は5000円でいいんだよ。それがその店のそのラーメンの適正価格なんだから。

でも現状730円でやっていけるラーメンを、ただ「美味いから」という理由で2000円に値上げして欲しいと考えるのは、本田さん間違ってますよって言いたいの。

あと、値上げした三浦家は+200円の価格帯で頑張って下さい。
美味しいラーメン、これからもよろしくお願いします。

余談だけど、「札幌・すすきの」にあった天下一品。オレの記憶では2014年くらいから2021年まで営業していたと思うんだけど、当初は1杯650円くらいだったと思うんだよ。事実、2017年の価格帯を見る限りでは、こってり1杯648円になっている<参考>

これが、4年で値上がりを繰り返し閉店直前の2021年は830円4年で200円近く値上がりしているんだぜ?そりゃすっかり足が遠のくよ

そしたら閉店だもの

つまり、少なくとも札幌の人間にとって、ラーメンというのは1杯800円じゃ高いよ、ってこと。分かりやすいじゃん、チェーン店が閉店するくらいなんだもの。だから多分、本田氏がどんなラーメンを食べたのか知らないけれど、730円はとても適正だったんだと思うよ?

これが2000円になったら、ほとんどのラーメン屋は軒並み潰れていくだろうね。その価格をスタンダードにすることは難しいよ、さすがに。

余談その2。

天下一品すすきの店の跡地に出来た「鶏味万彩」というラーメン屋。店主は天下一品のスープを作り続けて30年の職人だったらしく、60歳を機に自分の店を持ちたくて、跡地に店を開いたんだとか。

そこまでは良い話だなぁと思うんだけど…

味もメニューも、セットやトッピングに至るまで天下一品のそれとほぼ一緒価格も一緒。なんならオーダーも会計もいわゆるセルフ丼を下げるのもセルフ(これはのちに解消され店員が片付けるようになった)で、どう考えても今までより人件費は抑えられているだろうと思うのにこってりラーメン1杯830円だった。

スープもさすが、天下一品で培った技術がふんだんに活かされているほぼ天下一品と同じ味

え…もしかして天下一品すすきの店って、この人のために潰したの?

だって味も値段も一緒なら天下一品でなくなる理由がないじゃん。
いや微妙に違いますよ、って言うかもしれんけど、俺から言わせたらほぼ一緒だよ。セットメニューまで一緒で、値段も前と一緒なんだもの。

早晩潰れると思っている。

年1~2回くらい、近所のそば屋が混んでいる時にくらいしか行かないけど、たまーーーーに食べたくなる味ではある。

頑張れ鶏味万彩応援しているよ!滅多に行かないけど!


ということで、だ。


ラーメンは1杯600円~800円くらいに収めてもらっていいですか?


って話でした。多分。

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