家出した日


市役所から 「住民基本台帳事務における措置申請」

の期限のお知らせが来るとなんだかちょっとしたアニバーサリーを迎えるような気持ちになる

でもうれしい、っていうより安堵感、そしてやるせなさでいっぱいになった。


2年前の5月21日

微妙に覚えてない というかはっきりとはもう思い出せないが(若年性健忘のような感じだ、)
良くは眠れなかった。仕事だと嘘をついた妹は既に8時くらいに現在の住居に着いていたと思う。

「彼氏と遊びに行ってくるね」

そういって嘘をついた私は荷物がパンパンに入ったピンク色のキャリーケースを引っ張って1度犬(同居人)と合流する。

「なんでそんなに大荷物なの?」

と聞かれたあたしはたまにはキャリーケース使っときたくて、とまた嘘をついた。

そして1度家を出て荷物をしまった私は母親が買い物に行ったタイミングを見計らって鍵をポストに入れるのと置いていくには心惜しかったゴシックなロングコートとヒョウ柄のコートを息も荒くまるで泥棒みたいにかっぱらって駆け足でその場を後にした。


車に乗って今の住居に向かうまでの間、涙が止まらなかった。

なんで泣いていたかは分からないけれど嬉しさだけでは無かったと思う。

それから数日間見知らぬ番号からの着信や同級生からのどこで何してるの?というメッセージも全てブロックして布団を被って震えた。生きた心地がしなかった。その日お祝いでいった居酒屋も酒の味なんて覚えてなかった。

けど2年、次回更新でおそらく3年目になるけれど
1度たりとも家出を後悔したことは無い。

なにかを探るような足音も、怒声も私を呼ぶ声も聞こえず眠りにつけることがこの世の幸せだった。

怒鳴り声なんか聞こえなければ泣かないで済むと耳を本気で潰そうと思って泣いていた小さい私をどうか絶望しないようにと、抱きしめてあげたい


家出の理由は次回書けたら書きます

23年間色々なことがありすぎてぐちゃぐちゃになってしまい立ち上がるのも困難なあたしだけれど、
それでもなんとか前を向いて好きなことで生きて行ければいいな、と思う

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