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Z世代に拡がるSNS『パラレル』のこれまでの成長と今後の戦略

この記事について

パラレルの共同代表の歳原です。
Z世代を中心に成長している日本発コミュニケーションサービス『パラレル』が狙っている体験や世界について、どういう仮説をもってすすめているか?などを共有できればと思っています。

パラレルを聞いたことある投資家の方や、僕らと同じようなマーケットを狙っていたり、コミュニケーションサービスを作っているスタートアップの人にとって何かヒントになればと思っています。

パラレルについて

Z世代の利用者が約8割を占める、友達と遊べるたまり場「パラレル」というアプリで、全世界で登録者数300万を突破しました。パラレルのリリース以降、プロモーションをほとんど行わず、MAU(Monthly Active Users)も右肩上がりに成長し続けています。

パラレルのイメージ

パラレルの現状

パラレルは学校の仲良い友達同士で夜な夜な集まるオンライン空間(=たまり場)になっており、その体験をしてくれる人たちを中心にユーザー数は伸び続けています。
※ 学生だけでなく、社会人同士の仲良いグループやゲームコミュニティなどでも使われています

パラレルは元々、友達とリアルで遊ぶことが難しかったコロナ禍という状況と、"FPSゲーム”と呼ばれる"荒野行動 -Knives Out-"や"PUBG MOBILE"などのオンラインゲームが流行ったタイミングが相まって、友達と気軽にオンラインで遊べる場として爆発的に成長しました。

当時は友達とオンラインゲームをするためにパラレルを使う、いわゆる"ゲーマー”がユーザーさんの大半を占めていましたが、友達同士の口コミを起点とし、普段あまりゲームをしないマス層である"非ゲーマー”にも拡がりました。

非ゲーマー層にユーザー層が拡大

現在は、放課後や暇な時間に友達と主におしゃべりをする場としてパラレルを使うユースケースが大きく伸びており(下図:非ゲーマーのMAU)、2022年3月~2023年3月の前年月対比の平均成長率は210%となりました。パラレル全体のMAUもサービスリリース以降、右肩あがりに伸び続けています。

非ゲーマー層のMAUの推移

僕らは『仲良い友達同士のコミュニケーションを最大化する』というビジョンのもと、2年前から着々とゲーマーだけでなく誰しもがオンラインで滞在できるような仕掛けを作ってきていましたがその種が開花してきています。

何がこの広がりを支えたのか

色々ありますが、大きく起因したのは

  • ①誰でも楽しめる内製コンテンツを提供し続けていること

  • ②内製ゲームだけでなく、外部コンテンツへ体験を繋げていくこと

の2つかなと思っています。実際インタビューやアンケートを通しても、上の取組があることで友達とのコミュニケーションが継続して楽しめているからこそパラレルを続けてくれていることがわかっています

①誰でも楽しめる内製コンテンツを提供し続けていること

パラレルには約30個のコンテンツがあり、1tapで友達と楽しめることができます。通話しながらだけでなく、非同期的にゲームのスコアを競い合ったりする機能もあり、そのような体験がとても受け入れられています。

最近のリニューアルで追加されたロビー体験

②外部コンテンツへの体験へ繋げる

友達が持っているゲームやアプリが可視化されることで、『みんなこれ持ってるならやろうや〜』『A君が持っているなら僕もインストールしよー』といった体験を作っており、外部のコンテンツでも一緒に楽しむきっかけを作っています

※良い感じの画像がなかったので画像は割愛

なぜそれをやり続けているのか

僕らはパラレルリリース当時から、コンテンツを中心にパラレルの体験を作っていこうと考えていました。なぜなら『人が友達と集まったり、コミュニケーションしたりするその中心には常にコンテンツがある』からです。

子供の時であれば友達と遊ぶ時に鬼ごっこしたり、任天堂やプレイステーションのゲームを遊んだり、大人だとしても飲みに行ったり、映画見たりなど、人と人が集まったり話すときの多くのシーンで、一緒に体験するコンテンツがあると思っています。

それは、コンテンツが人を誘う言い訳になり、また一緒にいることそのものを楽しくする装置になっているからです。

故に、僕たちはリリース当時、PUBGモバイル・荒野行動といったオンラインゲームを遊びながら友達とオンラインでコミュニケーションしている未来に生きている人々をターゲットとしてプロダクトを展開しました。
そして、その人たちが仲良い友達たちと居心地良くオンラインで滞在できるために体験を磨き続け、そこからのインサイトを得て、オンラインゲームを遊ばない、学校の仲良したち同士でも使ってもらえるようになってきています。

オンラインゲームを遊ぶ人たちにはオンラインで集まるきっかけや言い訳がゲーム側にあり、それと同じことを如何に誰でも享受できるのか?如何にオンラインで集まるハードルを下げることができるのか?を考え続け、結果 『パラレルをインストールした人が友達とエンタメコンテンツを楽しく、簡単に楽しめるようにする』ことをやり続けたことで多くの人に今パラレルを利用してもらっていると思います(他にも色々要因ありますが長くなるので割愛)

成長の図解

そして、オンラインゲームを遊ばないような非ゲーマーな人たちでも、今ではオンラインゲームをやる人たちと変わらないような熱量(滞在時間・頻度)を持って、パラレルで毎晩のように友達たちとコミュニケーションを楽しんでいます。

なぜそんなカジュアルなゲームで熱狂するのか?

一言でいえば、ソーシャルとコンテンツが掛け合わされることでめちゃめちゃ楽しい体験になるからだと思っています。

確かにパラレルにあるコンテンツは一つ一つのゲームは超シンプルで一見何が面白いのかわからないものも多いと思います。
ただそこに『仲良い友達と一緒に簡単に楽しめる』というソーシャルな部分を追加することで、コンテンツは何倍にも面白くなっています。

僕世代だと、例えば『touch the number』みたいな1~25まで数えるゲームを友達と永遠にタイムを競っていたり、川に石を投げて何回川の上を跳ねるか?みたいな謎のゲームをずっとやっていたりしましたが、パッと内容聞くとおもろないやろ!というゲームもソーシャルが載ることでめちゃくちゃ楽しくなりえます

ソーシャルボイス

誰もが『友達と話したい / 一緒につながっていたい / 友達と一緒のことをしたい』という欲求があるわけで、そのコンテンツをやりたいから集まっているわけではなく、コンテンツこそが集まる言い訳や集まった時に楽しい媒介として心理的ハードルを下げていると思っています。
(何にもない空間で友達と会うのはきついですけど、友達の家で集まれば、盛り上がらないなーみたいな状況になっても、ゲームや映画・漫画に逃げることができるのと同じような状態。バーにいって普段やらない山手線ゲームや置いてあるシンプルなゲームをやるみたいなのと同じ)

僕らはそのソーシャル✖︎コンテンツの体験がうまくまわるように設計しているからこそ、仲良い友達と絶えずコミュニケーションが生まれるサービスになれていると思います。

左:友達が今何をしているかわかりすぐに同期できる
右:友達が遊んでいるゲームや友達のゲームの結果/アクティビティが共有される(一部開発中)

これから僕らは何をやっていきたいか

パラレルはソーシャルを通して、コンテンツをより楽しく/便利にする体験を作れてきています。これはパラレルの中のサービスだけでなく、パラレルの外にあるコンテンツの多くに適用できる体験だと思っています。

スマートフォンが登場し、各々がそれぞれ好きなコンテンツを消費するような体験になり、またAIの進化によってパーソナライズされたコンテンツ消費は更にすすんでいくと思っています。

それはそれで良いと思っていますが、
僕らは友達/好きな人と一緒のものを消費することでコンテンツがより楽しいものになると確信していますし、人間の根源的な欲求として『人と同じ体験をしたい』『人と同じことについて話したい』『人と同じ空間にいたい』というものはなくならないと思いますし、むしろこれからの世の中、逆にその課題がどんどん深くなっていくのではないかと思っています。

その課題があるから、鬼滅の刃のような大ヒット作品が生まれるのだ!
と言っている弊社元インターン、現社員の徳永の記事とても良いのでみてみてください
https://note.com/icecream_tokeru/n/nc088b427de5c

僕らは自社内で開発できるカジュアルなゲームでトライしてきていますが、より多くの人が仲良い人たちとコミュニケーションしてもらうために、カジュアルなゲームだけでなく、世の中のあらゆるエンタメコンテンツとソーシャル(友達とのコミュニケーション)を繋げたいと思っています

既にパラレルの中でYoutubeを楽しんだり、一緒に外部アプリでドラマや映画を見ていたり、スポーツや競輪等を楽しむユーザーさんなど、ユースケースは既に多岐に渡ります(Switch等のスマホ以外のゲームやもちろん今まで同様にFPSのようなハイエンドなゲームを遊ぶ方にも使われています)

そういうパラレルの中にはないエンタメコンテンツをよりシームレスに繋げることでより良い体験を他社様とも協力しながら広げていきたいと思っています。

そういう取り組みの中で、
『個人個人ではなく、友達同士の集まりに対してコンテンツを届けたい』
『コンテンツを個人消費にとどめず、友達とのコミュニケーションを通して共同消費させたい』
という方々に声をかけてもらうことがありますが、これからよりそこに注力していこうと思います。

パーソナライズされていく世の中で、ソーシャライズされるエンタメ体験を作っていきたいと思っていますので、是非お話しさせてください!

IVSではこの二人が参加するので声かけてください〜!

共同代表の歳原(左)と青木(右)

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