十善戒はなかなか難しい。
モーセの十戒ではないですが、「〜するな」と言われると、なんだか窮屈に感じる人もいるかもしれない。
江戸時代のとある解釈書(『十善法語』)で、「不邪淫戒は男女の理(ことわり)を表すのじゃ〜」と書いてある。「はあ。」と、なんだか引いてしまう。
そもそも、「盗むな」、と言われても、現代において、大抵の人は盗みを働かない。
今とは時代背景が異なるのだろう。
それでもお四国のときには何度も唱える。
そんななか、お遍路仲間の一人に、一つの解釈文をご教示いただいた。
なかなか、ハッとさせられました。
とくに、次の解釈文。
「不偸盗 他人のものを尊重しよう
不邪淫 お互いを尊敬しあおう」
まさにこれだ。
結婚や、形だけの同意があることが、不邪淫なのではない。
相手をモノ扱いしたり、性奴隷のように扱えば、それは邪婬であり、偸盗でしょうと。(これは、私の解釈も入っています。)
現代的な、でありながら、宗教的な核心もついているような読み直しです。
これは、イエスの隣人愛にもつながりそうです。「互いを愛せ」、って、互いを尊重しようということでしょう。
少し調べたところ、高尾山で掲げられているようですね。
忘れないように、以下の文を引用させていただきます。横田南嶺さんの文章です。
隣人を愛そう。