舞台『最遊記歌劇伝ー外伝ー』感想

すごく良かったので自分用メモを兼ねて感想を書きます。

現地観劇:2023年10月1日(日)18時 ソワレ 東京公演
配信観劇:2023年10月23日(月)18時 ソワレ 大阪大千穐楽公演

現地での観劇後すぐにメモったのですが、記憶が曖昧な部分があるので間違いがあるかもしれません。
皆様の感想は読めていませんので、もしかしたらn番煎じな部分もあるかもしれません。
峰倉先生の感想と被ってる部分は「もしや先生と同じ部分に着目できた!?」と、あえて残しているところもあります。

全編通して、「エモい」「キャラ/役者さんの顔がいい」「原作のストーリー最高」と思っているので、それは割愛します。
どうしても言いたいところだけ、時系列順で箇条書きじみた羅列になります。ネタバレしかないです。
敬称略となってる部分もあります。

 

影ナレ。ニコ生のコメントで「円盤に影ナレ全部入れてほしい」って書かれていたのですが、もしかして何種類かある?
私の現地観劇と配信は同じだったので1種類だと思ってました。

捲天の出会いから始めるのね。先にやることによって時系列がととのうし、李塔天も哪吒も出せて分かりやすい。
捲簾のシャツの峰倉先生みが凄い。最遊記の柄って感じがする。

歌は観世音菩薩から始まるのね。外伝って感じがするし最適なのかも。
配信では乳首が気になってそこばっかり見ちゃいました、ごめん。
それにしても髙﨑くん、お歌が上手!
チャージマン研のイメージだったので(よりにもよって笑)、こんなに歌が上手いとは……。
ミュージカルにおいて歌唱力は戦闘力であり説得力なので、観世音菩薩は歌で圧倒しないといけないわけで。
キャラ力に負けない実力で、とても良かったです。

オープニングが名シーンを凝縮したような立ち回りだったので、エモさがたまらんかったです。オープニングで掴まれてしまった。
原作を知っているからもあるのだけれど、歌詞が、セリフが、何を表しているのか分かったし、特に哪吒と悟空のところに李塔天が現れて……という踊りのところでもう「外伝見た」って気になりました。うん、要約するとそういう話だよね、って。もうOPだけで満足度が高くて。OPだけで舞台1本見たぐらいの濃さだなって。まだ人物紹介シーンを兼ねた顔見せ状態でしかないのに。

金蝉、執務室の机に左脚を乗せて片足立ちの体勢から座るのめちゃくちゃ大変では?
原作再現ポーズで、歌終わりだからその動作なんだろうけれど、たぶん普通なら座ってるところから脚を机に乗せるのでは。
鈴木拡樹の体幹だからなせるワザすぎて草。たぶん原作の金蝉はあの動作できないと思う……そもそも立った状態で机まで足が上がらなさそうだし。よしんば上がったとしてそのまま動けないと思うし、綺麗に座るなんてとても無理。たぶん倒れる。でも金蝉っぽさからズレるとしても、これはこれで舞台ならではって感じで好きです。

金蝉の髪引き千切るところ、後ろのポニテの部分なのかなと思ったけれど前髪からで、現地観劇したときは、「本来はポニテからだったけどたまたま前にポニテ持ってくるのを忘れたので鯛ちゃんが機転きかせて前髪から取る動作に変えたのかな?」って思ってたんですけど、千秋楽の配信も前髪からだったので、前髪から取る動作がデフォなんですかね?
他の場面ではポニテを肩から前面に持ってきているときもあったけれど、このシーンではあえて後ろのままで前髪から取ることにしてある模様。
そもそも、悟空が右手にずっと金蝉のむしり毛を隠し持ちながら暴れてたのだと思っていたのだけれど、両手ひろげてるしポケットから出した様子も無くて、むしられ用の髪を金蝉の前髪につけていて、それを的確にむしってるってこと?途中で落ちてもいけないし、取り損ねてもいけないから、すごい技術。それともやっぱり悟空が隠し持ってるのを手品みたいに出してる?何度このシーンをリピートしても分からない。

名前を付けてほしい時の悟空が金蝉の顔に近付けたシーン、え!?チューの距離やん!?ってなってしまった。
現地観劇では声がもれそうになるのを必死で抑えました。許されるなら「ひょえー!」って叫びたかった。
それにしても原作より距離感近いの凄いな。
お祭り行きたい時も、目で訴えるだけの原作に対して、舞台は体全体でワガママ言う感じなんだね。可愛い。

ヒップアタック、現地で見た時は飛び蹴りだったような!?2パターンあるのか、もっとあるのか。
鯛ちゃんってふっきーさんに容赦ないよね。いい関係性を築けてないとできないよねぇ。よき。

観世音菩薩に衣装が2つあるなんて……!
真っ赤なドレス御似合いです。原作の天帝のお誕生日会の衣装ではなく、4巻頭の衣装ですね。胸の関係かな。
天帝もちゃんと衣装あるし、アンサンブルさんも何種類もあるし、衣装が充実してるなぁ。
観世音菩薩といえば、どこのシーンだったかで階段に座られているとき、おみあしが丸見えになってて……現地の席的にちょうど視線の先の高さがスカートの中が見えそうな位置で、「み、みえ…!」ってなってしまって話どころじゃなくなってしまってごめんなさい。足(主に太もも)しか見てませんでした(だからどのシーンだったかすら覚えていない)。

佐奈ちゃんのシーンめちゃくちゃ笑った。敖潤がいじられキャラになるなんて……!
「別空間じゃないのか」が本当にそれな過ぎて。
時間や場所が交差しながら同タイミングで板に立たすことができる舞台ならではの表現ですね。
しっとり歌い上げてるシーンだからこそいっそう笑えるのがまた。
それにしても鯛ちゃんよく上手くボール当てられるなぁ。
きっと佐奈ちゃんの反応やセリフは日によって違うアドリブだったのだろうから、日替わりとして全公演分のこのシーン見たい。

アンパンマンはもうちょっと外しても皆ちゃんと分かったのでは……?まんますぎでは……?って心配になるほどほぼそのままで草。
あそこまで似ていると、ついそのままを歌っちゃいそうなので、舞台の曲が口からすんなり出るように体に覚えこませるように念入りに練習しないといけなさそう。
そしてまたしても攻撃を受ける天蓬。さっきのボールも佐奈ちゃんに当てる前に天蓬狙ってたし。原作では金蝉に当たりそうになって天蓬は涼しい顔しているはずなのに。
舞台の悟空が天蓬に暴力的なのは、愛情表現のひとつって理解でよろしいですか?(898好き)

ミカシュンの女優業はやっぱりええのう。
ゲストなのに全ステいるってことは、誰かしらやるかも?演じるとしたら、女性は彼女か哪吒ママなので、どちらかだろうなあとちょっぴり予想はしてた。
私はあまり目が良くないので、前方列の席じゃないときは顔の判別がつかないのですが(そして今回はI列で、やはり顔はよく見えていない)、一言発しただけで「ミカシュン!」ってなった。あまり耳も高性能ではない私だけれど、顔が見えていなくても、ミカシュンの声は分かる。
けどニコ生のコメントでは「これミカシュンさんだったんだ!」って驚いている人が結構いて、「物凄く特徴ある声だと思うけれど?」ってなった。
でもそれは私がミカシュンファンだから聞き慣れまくってるせいなのかもしれぬ。
あと、ミカシュンの女性役がナチュラルすぎて違和感もたれなかったから気付かれなかったのかも!?流石ミカシュンだぜ。
それにしても、まさか大好きな最遊記に大好きなミカシュンが出るとは思わんやん!?何このコラボ!私得すぎる!!って光明実装のときに思ったもんな。あの時は驚いたなぁ。それが外伝まで出るんだもんな。すげえわ。

アンパンチで天ちゃんを助けたあと、天ちゃんの手を引っ張って退場する悟空に「!?」ってなりました。
手を繋いだ!?悟空と!天ちゃんが!手を!!萌え!!!
現地観劇で「ひえっ!」って叫びそうになるのを必死で抑えました。
原作ではセリフだけだったシーンをビジュアルで見れて動きが付くのが舞台の醍醐味ですな。しかもそれが手繋ぎ!最高!

哪吒に無視されてしまった悟空、原作では天ちゃんの白衣を掴んで帰ってきて、そこから金蝉に飛び込むけれど。
舞台では直で金蝉で、脚に縋りつくのいいね。
そして捲天がいないので「何があった?」は悟空に尋ねることになる金蝉の声音がだいぶ優しい。
「天界に連れてきたのは~」も、原作では距離があったのに舞台は肩に手をやって語り掛けるような形になってるし、原作と舞台でニュアンスが違うものが楽しめて良き。

哪吒に優しい李塔天のシーンは、おもくそDV男の手口で、現実ではダメ絶対!だけど、フィクションだと萌えてしまうんよなぁ。
片膝ついてそこに乗せてるのなんてもう……好きな絵面すぎる。
右手を哪吒の頭のあたりで何度も撫でるように(しかし決して撫でない)動かしているのも洗脳を表してるっぽいし、哪吒の動きも操り人形そのものって感じなのに、山﨑さんの手の動きにそこはかとなくエロティックさを感じてしまって萌えが止まらん。

 

休憩明け。
一幕ではアンサンブルさんが、二幕では捲簾が出てきて、客電が落ち切らずに始まる方式。
ぬるっと始まるのは、おしゃれだなと思うし好きな人は好きなんだろうなと思うのですけれど、私は客電が落ち切ってから始まる方式のほうが好きです。しっかり区切られてる方が、舞台を見るぞっていう気合を入れられるので。日常とフィクションの切り替えというか。なので、それの切り替えが無く現実と一続きのほうがむしろ良いって人がいることも理解できるんですけれど。

二幕は捲天デュエットで始まるのエモすぎる。「おまえと」「あなた」のところが好きすぎる。
天蓬を背負って、しかも煙草をくわえてて、それでも歌える平井くん凄いな。
落とした天蓬を手を差し出して捲簾が引き上げる時に、手をアップにしたカメラマンさん有能すぎる。

現地観劇のとき、下手側で光るソフトクリームと共に転がったままな佐奈ちゃんのせいで(正しくは佐奈ちゃんのせいではなく演出だけど)、中央の金蝉と悟空のシリアスシーンに集中できなくて、笑いを堪えるのがつらかったです。せめてソフトクリームの電気消してくれw ずっとおもろい。
配信では敖潤が視界に入らないので集中できました。有能カメラマンさんのおかげで悟空が起きた時の金蝉があんなに優しい顔してるって知れたし、現地は現地の良さ、配信は配信の良さがありますね。

籠城ショーは上手いこと言いすぎなのよ。最高か。実写劇場版ロードショーをやる時はぜひこれを流してほしい。
歌劇伝の敖潤はもうコメディキャラで良いんだけど、李塔天もそれでいいんか?いいならいいんだけど。楽しかったけど。切り替えに切り替えてきた役者さんたち凄いです。

ゆびきりげんまんを金蝉が悟空に教える時の構図、ハグっぽくてめちゃくちゃいいな。
捲簾に乗っかっておんぶしてもらってる悟空だけど、100キロちかくあるんだよね?さすが捲簾、金蝉と違って潰れないね!……まぁ、ミュージカルシーンで枷の重り設定を指摘するのは野暮ってもんですかな。
おんぶしてもらったくせに降りたら捲簾を突き飛ばす悟空、天ちゃんだけじゃなくて捲兄のことも酷い扱いしてて草。
だぼっとシャツの悟空ほんと可愛いな。彼シャツってやつですよね。天ちゃんのシャツなので……つまり天ちゃんが悟空の彼氏ってことでOK?(まったくOKではない)

エレベーターのシーン、ここからシリアスでクライマックスに駆け上がるってところなのに集中途切れない?必要?って思う人もいるのだろうけれど、緩急が無いと疲れちゃうんだよね。演者さんはもちろん、見てるほうも。ストーリー上は不要なシーンでも、「観劇」する上では必要なシーンだったりする。
もちろん、今回が今までの歌劇伝の集大成ってことで、それを感じさせる演出って意味もあると思うし、今まで追ってきていたお客さんには嬉しい展開。原作ファンで初歌劇伝って人は戸惑うシーンかもしれないけれど。
ミカシュンの三下キャラ、何か既視感あるんだけど、何だっけか。思い出せない。衣装とメイクはハンサム落語っぽさある。
そして千穐楽の唐橋さんですよ!「難しいだろうけど出てくれたら嬉しい」って皆が思っていたことが実現するなんて。すごいな。
しかし、「ボス」なのは確定しているが、それ以上の設定はないっぽいのがまたいいな。「手下」って言葉が出てこなかった説もあるけども。
太陽くんに言及してくれたことも嬉しかったなー。

天蓬の「僕の後ろを離れないで」から悟空がずっと「後ろっ離れないっ後ろっ離れないっ」って言いながらついて回るの可愛い。いや、離れてたけども(上段は狭いから仕方ないね)。
ワイヤーアクションできないので舞台用に改変されていたけれど、原作を読んでいる人には伝わるけど未読の人はどうだっただろうか?
台が目まぐるしく回転されていたり殺陣があったり音楽も相まって、雰囲気で緊迫感は出せてるから、それさえ伝わっていれば問題ないけれども。
こういう舞台用にセリフや場面の改変するところと、絶対に変えてほしくないそのまま見たいシーンや聞きたい台詞は丸ごと使うバランスが絶妙。外伝を3時間にまとめ切った脚本の取捨選択が素晴らしい。

哪吒のリフトのところ(アンサンブルに担がれて持ち上がるシーン)、どうしても、このまえ見た半田の窓(吸死ステ)が頭によぎってしまい、シリアスなシーンなのに笑いを堪えるのが大変だったです。完全に私だけの事情なので、歌劇伝の演出は何も悪くない。

巨大クマ、シュールなんだよなぁ。でも出さないわけにいかないし、映像にするとなると壁じゃ足りなくてスクリーン張らないといけないから吊ってる桜との兼ね合いもあって難しいし、着ぐるみ方式が最適解なんだろうな。
余談だけど、もし金カムが舞台化されたらこの方式かもしれないな、と思ったりした。

原作では頭ポンだけど舞台だとしっかり指が動いてて悟空を撫でてるんだな天ちゃん。好き。

三場面同時進行、これめちゃくちゃ稽古しただろうなって。掛け合いじゃないセリフなのに他の人の言葉を受けてかぶらず発しなければいけないし、けれど会話ではないからこそ相手の言葉を待っていたらテンポがズレてしまうからタイミングが難しい。他の人のセリフは聞くけど聞かない、っていうのが必要な場面だと思う。
3時間におさめるために1シーン1シーンやれないって事情と、他のシーンと重ねることで原作漫画での天蓬の独白の特異さを表現することができて、もちろん同時に別の場所で同じ気持ちで生きるために戦ってる表現にもなっていて、クライマックスに向かってたたみかける形でもあって、何重にも効果が付与された演出。

李塔天に刺された時に金蝉の歌声が苦しそうになるの、めちゃくちゃヘキに刺さる。
私は「苦しそうな声全般が好き」とかではないので、どこがどう自分に刺さっているのか分からないけれど。
私はミュージカルって歌を聴かせるものだと思っていて。よくミュージカルが好きではない人が「なんで急に歌いだすんだ」って言うし、私もそう思っていたのだけれど。
様々な2.5次元やグラミュを観てきて、私の中では「演技途中に歌が入るんじゃない。歌の間に演技が入ってるんだ」って考えるようになった。演技がメインだと思っていると突然歌い出すように感じるけれど、あくまでミュージカルのメインは歌なのだと。
これは私が勝手に思っているだけで、定義として合っているかは分からない。ただ私がミュージカルをそういうものだと認識した、というだけ。
なので、盛り上がるところや感情が爆発するところで歌われると「きたきたきた~!」ってなる。
その、重要な歌が。メインである歌が。刺されたことにより、常の歌声ではない声で歌われる。
ミュージカルなら、刺された人が死にそうになっているのに突然立ち上がってめちゃくちゃ上手く元気に歌い上げる、なんてことよくあるというか普通のことなのに。だってミュージカルは歌を聴かせるものだから。情感をこめて少し苦しそうに歌うことはあっても、曲全体がそうなっていることが多い。
それなのに、苦しそうな声がトラブルでも何でもなく、演出として歌途中に挟まるのだ。歌としての完成度よりも演技が優先されている。苦しい声に変わることこそが、この曲の完成形とされている。
声で刺されたことを表していること、あえて歌を上手く聴かすことではなく演技のほうに重きが置かれていること、あえて歌っている途中に刺すという演出が付いていること、そのあたりがグッとくる理由なのかも。
とにかく刺された時の歌声変化、めちゃくちゃ好きです。

最後、凄すぎて。
何か具体的な予想していたわけではなかったのですが、お出しされた最高のものを見たら「これしか無い」って演出でした。
そうだよねぇ。三蔵が手を差し出すんだから、三蔵は出てくるよねぇ。そしたらみんな出てくるよねぇ。
そこに歌劇伝の共通曲ですよ。この歌を出されるとドキドキワクワクが止まらないし、この歌を歌うには外伝ではなく本編衣装じゃなきゃいけない。
外伝の舞台としても明るく終わりたい。最遊記歌劇伝の集大成なら共通曲も歌いたい。それが全て合わさった形で、今までの本編と同キャストだからこそできる演出であるなと思います。
あと、みんな思ったと思うけど金蝉と三蔵の声、全然違うんだな。すげえな。

ところで、花冠を捨てる女性役だけならまだしも、光明として絶対に最後に出てきてしかも歌うミカシュン、ゲストとは?ってなるよな。
でもキャストというには出番が少ないので、ゲスト扱いなのかなー?
歌う光明が見れると思っていなかったので、私はとても嬉しかったです。

大千穐楽特別バージョン。現地観劇のときはアンサンブルさんのカラスが烏哭を表しているのだなと理解していたけれど。
エレベーターで唐橋さんが出てきてくれた時から「もしかして最後に出てくれる…!?」って期待があって、それが実現されて。
カラスの代わりに出てくるわけではなくてしっかり出てきて、しかも歌うし。更にワンフレーズだけじゃなくて、皆と重ねて歌うし。最後に光明と掛け合いのセリフあるし。特別すぎる。
きっとこの大千穐楽バージョンが特別なのではなく、これがむしろ通常バージョンで完全版というものなのでしょう。今までの公演はカラスという代役が立っていたに過ぎなかった。そう思った演出でした。

私、公演に差異があること(本筋である内容が違うこと)って、あまり好きじゃないのです。
事前にルート分岐が案内されていてチケット購入時に内容が違うことを分かっている舞台の話ではなくて。安全上の問題などで演出が変更されたとか仕方のないことも別として。千秋楽に気合が入りすぎて泣いちゃうとかも別として。本筋に関係のないお遊び部分のアドリブも別として(我、日替わりアドリブ大好き侍)。個々人のちょっとした演技の違いとかでもなくて(それが舞台の醍醐味だし)。
ひとつの舞台はどのタイミングで見ても本筋は同じ内容であってほしい。そう思っています。だって、事前案内がないのに内容に差異があるなんて観客にとって平等じゃないから。
けれど今回の大千穐楽の特別バージョンは、本筋にかかわる差異だと思います。でも「他の公演を見た人にとって不平等だからやめてくれ」とは思わなかった。烏哭がいるのといないのでは、明らかに内容に差があるにもかかわらず。
それは、「配信で(後からであっても)皆が平等に観られる」から。これに尽きると思います。
もちろん生の現地と配信では受け取る熱量に差はあるけれど。あとから情報を知ったら衝撃度も変わるけれど。
それでも、配信という機会があるのであれば、私は公演ごとの差異は受け入れられるのだな、と自分にとっての発見でした。

外伝衣装に着替えて外伝としてのエンディング曲で哪吒と悟空が楽しそうに遊ぶように歌うのもいいし、金蝉と悟空が手を繋ぐのもいいですね。見たかった絵ってやつですね、最高です。

カーテンコール。大千穐楽のカテコなのに全員からの挨拶ないの!?歌劇伝の集大成なのに!?せめてメインキャストだけでもさぁ…?
ミカシュンからの挨拶が聞きたかったミカシュンファンの我儘ですかね……。
3時間超えの公演だしなぁ。でもね、3時間超えの公演して(ライブだけど)、ファイナルだからってカテコの一人一人の挨拶で1時間使って4時間超えた舞台もあるんですよ?外伝の企画プロデュースと同じ4cu企画プロデュースのヘタミュって作品なんですけどね?
ヘタミュ君はシリーズ最後だからって涙涙で1時間も挨拶したのに、3年半後に同キャストで新シリーズ始まったので、最遊記歌劇伝もそうしてください。いや、新キャストも新キャストで受け入れますけども。

天蓬の白衣を頭にかけちゃう悟空の悪戯っ子ぶりいいなって思ったら、捲簾が!直してあげるの!?
まるでウェディングドレスのベール上げるみたいじゃない!?ドキドキしちゃったわ。

影ナレ、三蔵一行なの!?しかも次があるような感じ!?まるで同キャストで旅を続けるみたいな雰囲気だけど、新キャストでまだ続いていくよ、っていう予告を兼ねているのかな。

カテコからはける時のミニコントじみたわちゃわちゃ大好き。役者さん主体だけどキャラも脱いでない感じ。
鯛ちゃんに倒されたふっきーさんが自力で起き上がらずに手を差し伸べて起こしてもらおうとするのいいわ~。平井くんが近くに来て差し伸べられた手を後から掴むのではなく、「起こしてくれ」と意思表示するのがいい。もちろん、ふっきーさんが手を空に向けて上げたのは、平井くんがふっきーさんに向かって歩き出していたからなのだけれど。
逆に平井くんが倒されたらふっきーさんが手を差し出す。自分で倒しておきながら、ふっきーさんを平井くんのもとに促す鯛ちゃんめちゃくちゃ「分かってる」感あるし、鯛ちゃんに促される前にちゃんと動き出していたふっきーさんももちろん「分かってる」し。
二幕あたまの捲天のデュエットでの動きを受けてのことなのだろうけれど、何度も見れて本当に感謝。捲簾に引き上げられる天ちゃんと天ちゃんに引き上げられる捲簾の2パターン見れるなんて最高かよ。

電車(っていうかシュッシュポッポって汽車じゃね?)のときに天蓬の白衣を掴む悟空の手が好きです。掴み方がチビ悟空感ある。

電車やってる時は悟空なんだけど、鈴木くんを残すときは「あなたは」って呼びかけてて鯛ちゃんだし、一人残された鈴木くんは「わかったわかった」って直前まで金蝉で挨拶は鈴木くんなの、なんかいいな。本人と役の切り替わり、好き。

 

さて、時系列に入れて語るのは難しかった全体通してのこと。

まず、原作を改めて読み返してから観劇したのですが。
哪吒の顔が「確かに北村諒……!」ってなりながら読みました。キャスティングさんグッジョブすぎる。
顔の造形からもそうだし、ちょっと生意気そうなところもそうだし。
インタビュー:メディアクト『最遊記歌劇伝-外伝-』悟空役・椎名鯛造さん、哪吒太子役・北村諒さんインタビュー https://mediact.info/interview_info/4451/
鯛ちゃんの
>きたむーがやるって決まったときは、安堵しました。これで18歳の子とかだったら気遣うわって思ってたんで(笑)そりゃ幼く見えるだろ、バランス考えてくれって(笑)だから、同類の童顔若見えおじさんですごく安心しました(笑)
これ、ほんとそうだなって。鯛ちゃんとの年齢含んだバランスからも最適解だなって。それにしても「童顔若見えおじさん」のパワーワードよ。

今回の曲、歌いにくそうというか、音程とりにくそうなのが多かった気がします。特に金蝉のソロとか。歌っぽい歌ではなく語るような歌っぽいというか。音程の幅が無いというか。音楽に詳しくないのでよく分からないけれど、難しそうだなぁと思いながら聞いていました。
でも全体曲は分かりやすくて、ノリやすい感じで良かったです。
やっぱり一番は歌劇伝共通曲。耳馴染んでるのもあるけれど、楽曲としてキャッチーだよなってなりました。

ところで金蝉のポニテがばらけないように薄い膜みたいなのに覆われていたように思うのですが、あの素材は何だろう?
衣装とかウィッグとか、スタッフさんが色々と工夫されているんだなぁと思いながら配信を観ました(現地では気付かなかった)。

全体的な感想は「忙しい人のための最遊記外伝」って感じだったな。
3時間におさめたのすごい。取捨選択が的確で外伝とは何ぞやが損なわれずに構成されている。
みんな2倍速で喋ってるの?ってぐらい早口だったのに噛まないの凄い。
尺があったらもっとタメたんだろうなってセリフとかテンポ感とかあったけれど。特に天蓬の様々なセリフは、タメがもっと欲しかっただろうなと。
ミカシュンが花冠を投げるところとかも、あとワンテンポ、タメが欲しかったな。
でも、観たいと思ったシーン全部入れてくれてまとめるとなると「間」を贅沢に使うのは難しいのだろうなと。
なら、ゲストシーンを削れば?となるのだけれど、後半は怒涛の辛いシーンなので、あそこで一息入れないと身がもたない(主に観てるこちら側が)。
私は鍋からのミカシュンファンなので嬉しいシーンだったのだけれど、「このシーン要る?」ってなった人もいるのだろうなとは思います。要るんですよ、舞台にはね。

 

ここからは感想というよりほぼ日記です。

現地観劇は首が痛かったなー。
私はI列で1階客席の中では真ん中あたりで、しかも段差が始まる列で、個人的に一番見やすい場所だと思っているのだけれど。
台の上での演技が多くて、段差列での観劇なのに、首が……。
なんなら今回最後列とか2階とかのほうが見やすかったのでは?前方席の人とか、大丈夫だったのかな。そもそもステラの客席がな……(以下略)。

普段の観劇、元から寒がりの私に抜かりは無い。
私は4月のヘタミュに分厚いセーター(カーディガンとかではなく真冬に着るやつ)持参して現地で着たり、ホッカイロを貼る女。日本青年館は私には寒い。
なので観劇にはいつもカーディガンは持って行くのだけれど、今回は運営さんが防寒対策を案内してくれたおかげで助かりました。ありがとうございますスタッフやキャストの皆様。そしてありがとうございますユニクロさん。ウルトラライトダウン、優秀すぎる。

現地観劇の前後はその舞台にちなんだものを食べるようにしている私。
ヘタミュのときはアクアパッツァの店とか。
今回は「餃子マニア 品川本店」さん。https://gyouzamaniashinagawa.owst.jp/
「内観がめちゃくちゃ最遊記の世界観!」ってなりながら食べられて楽しかったです。しかし、外伝ではなく本編の最遊記の街並みだなだけど。
外伝に合わせるなら中華ではなく焼肉だったな。私は一人焼肉できるタイプだけど、今回は行くなら大勢で行きたいね。小隊引き連れてね。

 

多感な思春期の頃にどっぷりつかっていた最遊記。
私の人格形成にも大きく関わっている最遊記。

自分の名前が嫌いだった私が自分の名前を好きになったのは最遊記の……というか、峰倉先生のおかげ。
※本名に紫という字が入っているのですが、小学生の頃に紫ババアという怪談が流行って、かなりイジられて自分の名前を嫌いだったのですが、峰倉先生の「紫は特別な色で好き」(←意訳)という発言を読んでから、自分の名前を好きになれて、本当に感謝しています。名前を好きになるって自己肯定感に重要だと大人になってから思った次第。

大人になるにつれて、作品と(というかオタク的なことと)ちょっと離れていた時期もあったけれど。
大好きな作品が舞台になって、大好きな役者さんであるミカシュンが出演するというミラクルもあって。
そんな歌劇伝の集大成が素晴らしいもので、そんな素晴らしい作品を観ることができて良かったという気持ちでいっぱいです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。


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