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#233 正力杯

今回は『正力杯』に出場した時の話をしてみました。

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『中井先生こんににちは。
正力杯に出場した時の話を聞かせて下さい。』
正力松太郎杯という冠のついた全日本学生柔道体重別大会の事ですね。
正力さんは高専柔道出身の方なんですよね。
政界、財界に意外と多いんです。
北海道の予選でどいうわけか5人くらい抑え込んでしまって決勝では負けたんですが、代表が2枠あって代表になってしまったんです。
本戦は1回戦シードで2回戦から出場しました。
北海道の予選は4分なのに本戦は5分なんですよ。
その1分がどれだけ長かったことか。
あんまりタックルを連発すると注意されちゃうので。
姿勢が悪いとか汚い技だという感じで言われちゃうので、1回だけ使おうと思って。
そういうのって割とあったんですよ、その当時。
終盤にタックル行くような人とかもいっぱいいたし、みんな下手なんですけどね。
僕はレスリングのタックルだからポイント取れなくても絶対相手をタートルにできるんですよ。
それで亀にさせて、それで多分この時は横三角でまんまと抑えたと思います。
だけど技ありで逃げられたんですよ。
27秒で逃げられたんですよね。
だから大ショックで。これ七帝戦なら引き分けですからね。
そういうことで大ショックで。
最後に反撃を受けて死ぬかと思いました。
タックルと横三角を使ったのが記憶にありますが、あとは必死だったので記憶も薄れてますけどね。
映像はないでしょうしきっと。
発掘されたら面白いですけどね。
相手の人とか撮ってないでしょうし。
その年は65キロも優勝と準優勝が北大だったんですよ。
一応65キロで優勝が大野くんって僕の同期の人間で、準優勝が栗林くんって僕の一期下のだったんです。
同門で決勝だったので、65キロの2人と71キロの私が3人で行ったんですね。 前の日に北大のOBが歓迎で飲ましてくれるんですよね。
それ勝つわけないっていうのはあったりするんですよね。
来ただけでもう嬉しいみたいなところがあって、飲んだんですよちょっと。それでのその後、体重が不安だったんで走りに行きまして、それで測ったら全然アンダーだったんですよね。
その時もやっぱり有力な選手が軽量で失格とかしてて、ビシバシ殴られたりして 見てすげえとこ来たなと思って。
怖いなと思った記憶がありますね。
とにかく僕らはそういう なんていうか 65キロの二人は柔道強かったんで、僕が言うのもなんですけど、僕は柔道になってないというか高専柔道の人という感じだったんですよね。
だから何もかも新鮮で、すごいトップレベルというか、学生のトップレベルの人たちの動きを見れるだけでも本当にいい経験をしたなと思いますね。
僕の下の栗橋君というのを結構健闘して、日体大の人に背負いで技ありを取って、だいぶブーイング浴びて、だんだん自力の差が出てきて、最後は反則負けになってしまうというね。
姿勢が悪くなって、その後に相手の選手が昼柔に来たことがあって、お話をしたら覚えてるって。
もうあそこで負けるわけにいかないから、すごい必死だったっていうことをおっしゃってて、思い出話をしたんですけどね。
そういうことで 自分が正力杯に出てたことは 非常に良かったなと思ってます。
ちなみに3回戦は、岩川選手という東海大の選手と当たりまして、投げられまして、投げられた瞬間に抑え込み入ってて 逃げられずに負けました。
つまり私は寝技で一本取れず、グラウンドで取られたわけです。
これが全国だってことだね。
だから僕はもしかしたら強いかもって一瞬思ったけどで、なんだろう修斗に行こうと思ってたし、その段階でね。
2年生の時に行こうと思ってましたから。
それを加速することにはなったんですけど、それでもやっぱり 強い奴っているんだなってことで、自分が井の中の蛙ぶりを知らしめてくれたってことだったように思いますね。
俺が30秒抑え込めなかったのは、すごいショックで七大だと一本負けしてるけど一本勝ちしてないですからね。
そういうことになると、僕は身の程知ったところがありますね。
それで背中にゼッケンが付くんですよ。
その頃 ゼッケン付いてるのは全国出てる人だけなんですよね。
それでそれ付けて 翌年、いろんな大学に行ったりすると もう目をつけられて「お願いします」の嵐で来て、やってみたら弱いじゃんってなるわけですね。
それも鍛えられるっていう経験だったですね。
引き込んで待ってろよみたいな心境だったような気がします。
やっぱりこう立ち技を 3年間で習得するのは大変というか、まあ習得できたわけではないということがあるのと、投げ技にかける気がなくなる。
これ重点的だと分かると思うんですけど、引き込みがあってグラウンドの一本しかないとなると、もちろん立ち技の一本あるから頑張らなきゃいけないんですけどもグラウンドでできるとなると、立ち技に対するなかなか意欲を保つのが難しいんじゃないかなと思ったり、そういうところがあるんですよね。七大柔道や高専柔道は逃げ道になる、一般的な柔道の意味で言うと。
もちろん七大柔道だったら僕は勝つというか負けないというのはあるんですけど、そういうようなことで結局のところ自分の身の程知った時ではありましたね。
でもこれが元になって私の勘違いが始まって、勘違いが続いていると思えば大きなものだったんじゃないかなという風に思いますけどね。
その武道館の天井を仰いだその4年後くらいに日本武道館で再び天を仰ぐことになるんですけどね。
4年経ってないですよ、91年からの秋だから、95年の4月でしょ、だから4年経ってないですよね。
そういう風に思うとたまに武道館にね エリック・クラプトンとか松田聖子さんのライブなんか行くここで天を仰いだんだよなという風に思うわけですね。
そんなわけで今日は正力杯の話をしてみました。
またお便り下さい、ありがとうございました。

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