まりちゃん
うちのマンションのフロアに美容の何かを経営してる姉妹がいる。
その一人を「まりちゃん」と密かに呼んでいる。
なぜまりちゃんかと言うと、夫の友人の奥さん”まりちゃん”にそっくりだから。
まりちゃんは、こちらに気がついてもエレベーターが閉まりそうになると閉めてとっとと下に降りる、または上がる。
姉妹でいない時は基本挨拶しない。
こっちがしてもシカトか消え入るような声で「・・・ちわ」という。
まりちゃんはいつもマルジェラの新作を着ている。
たまに、まりちゃんが好きそうな服を着ているときに出会うと、こちらをじろっとみて
「こんにちは。」と言ってくる時がある。
好きそうな服かどうかは私判断だ。
今コロナで自粛生活し、買い物も車移動。
全く歩いてなかったので2週間ぶりに外をウォーキングした。
パン屋でパンを買う。
当たり前な事が嬉しい。
幸せを噛みしめていると、夫が近寄り小声で
「あれ、まりちゃんじゃない?」
パン屋の前にあるカフェのメニューをたのしげに見ている女性2人組。
まりちゃんだ!
もうひとりは友達かな、
あっ
「友達居たんだ!!」
と同時に言ってしまった。
まりちゃんにも普通の一面があった。
孤独の戦士だと思い込んでいた。
まりちゃんという人間を認識してから、10年目くらいの新たな発見である。
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