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私は小説を書くことが出来ない。

何かしら文章を書きたくてnoteに登録してから、一週間ほどが経ったような気がする。日常生活で「あ、この話を書いたら面白いな」と思ったネタを書き留めておく。今日はその中にあった「私は小説を書くことが出来ない」を取り上げてみようと思う。

親にたくさん本を読みなさいと言われて育った。と言っても小学校で学期終わりにたくさん本を借りたで賞…みたいなものでランクインしたことはない。漫画の伝記が大好きでそれを借りて帰ると決まってお母さんは「漫画なんか借りてどうするの、字を読みなさいよ」と機嫌が悪くなるので、その当時大して興味がなかったが字が細かくてみっちりしているシェヘラザードを借りたのを覚えている。(私がそれを読んだかどうかはもうお判りでしょう)それでも本当に面白いと思ったものはじっくり読み込んで、一週間ほど空想の世界から戻れなくなった。もしかして私は活字が好きなのではなく、現実とは違う不思議な世界観そのものが好きなのかもしれない。

私が小説を書けない、と思い知らされたのは小学校高学年のことだったように思う。その当時私がハマっていたのは星新一のSSとあさのあつこのNO.6だった。好きな本のジャンルはSFやディストピア小説と言われる類のもので、他には小松左京や眉村卓を読んだ記憶がある。

星新一の小説を読んだ人間は誰もが驚かされ、そして『こんな話だったら自分にも書けるのではないか?』なんて感想を抱くのではないか…。

まぁかけないんですけどね!!

大体真似して書こうとして、「エヌ氏」と謎のロボットを登場させた時点でペンが止まってしまう。あんなに短いページ数で、読者を欺いてかつ面白いオチをつけるなんてほぼ不可能に近いことを知る。かくいう私も読後にルーズリーフとシャーペンで面白いSSを書いてやろうと意気込んだものの、全く進められなかった張本人でございます。うん、私には小説は書けないのだ。

しかし懲りなかった当時の私は、あさのあつこのNO.6を読んだ後に、無謀にも似たようなディストピア小説を書こうと意気揚々とペンを握るのであった…。

まぁ勿論かけませんよね!!!

私があさの先生の小説に向ける感情があまりにも大きすぎて、ここでは書ききれないので割愛する。そもそも似たような小説を書こうとするな、と言われてしまえばそれまでなのだが、憧れの作家が描くような世界観を私も生み出したい…なんて淡い期待を抱いてしまったのだ。あさの先生の描く世界観は勿論のこと、文章がみずみずしく簡潔で、余計な言葉もないのに脳内に異世界が広がる彼女の作品が大好きなのだ。それを簡単に書けるなんて思っていなかったけれど、トライしたことがあったなぁ…と懐かしくなった。

小説を書くのは難しいと感じたそんな体験をしつつ、やっぱり私は小説が好きなのだなぁ…と感じる今日この頃。そこで心が折れつつも、大好きな小説家に圧倒的な才能で打ちのめされるのが個人的には好きだった。(こうに書くと少しヤバいやつみたいな感じするけど)

小説もどきを書いたこともあるし、中学時代は文芸部に所属していたのだけど、やはりプロの書く小説は別格なのだよなぁ…と、沢山の小説を読むたびに噛み締めている。だから私には小説が書けない。



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