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2023年 K-POP 楽曲大賞 〜②MV・パフォーマンス〜

その①から続きです。


※部門内は順不同。

▫️今年のミュージックビデオ

・NewJeans「ASAP」

全員金髪・水中・花・妖精・動物・桃源郷・白昼夢…。ミンヒジンの十八番芸。何度も見てきたはずなのに、毎度好きになってしまう。
手書きの文字やシール、イラストなどパッチワークやコラージュがたくさん出てくるので幼き少女心を擽られますね。女の子なら小さい時シール集めしたことある人多いよね。
全員を黒髪ロングストレートでデビューさせてきたミンヒジンが、このタイミングで全員金髪の手段を使ってくるとは。隠し球の一つを開封した爽快感もありました。


MVはキムジャギョン監督。EXO「Ko Ko Bop」「Love Shot」、Red Velvet「Power  Up」「Bad Boy」、NCT 127「Limitless」など、ミンヒジンがSMエンタでクリエイティブディレクターを務めた作品を監督された方です。
NewJeans関連だと、「We Are NewJeans」などデビュー当時から携わっています。


・KISS OF LIFE「Bad News」「Nobody Knows」

女が女として戦うことの力強さ。

このMVは2本で1本が仕上がるサイドAとサイドB仕様になっているので、2本見ないとこのMVの本質が見えてこない構成になっています。
「Bad News」だけをみると彼女たちが理不尽に暴れ回っているように見えますが、彼女たちには動く理由があったことが「Nobody Knows」で明らかになります。
観劇中に携帯で大声で話す客に注意するため、クラスメートを守るため、強姦してくる男性から自分を守るため、居眠り中に無断で身体を触り窃盗する男性から女性を守るため。4人とも正義の上で行動していたことが見えてくるのです。

リアクション動画でメンバーたちも明言していましたが、片方だけ見るのと両方見るとでは意味が変わってくるこのMVと同じで、物事を断片的に掻い摘むのではなくあらゆる視点から捉えることで本質が見えてくるという社会風刺を含んでいる作品だと感じます。
ティーザーで暴れる4人への批判的なコメントを載せたことも、皮肉の一つかと。だってそれらのコメントは全て愚劣なのだから。


MVはシンヒウォン監督。言うまでもないですね。
前回の「Shhh」やソロMV4本に続いて制作しています。現代の「365 FLESH」ぽさはこの監督だから。シンヒウォンは2022年からニュジのMVを撮っていますが、直近「Super Shy」を撮っていながらキオプと8本撮影したこの振り幅よ。


・tripleS LOVElution 「Girls’ Capitalism」

『女子資本主義』
濁った世の中に些細な希望の光を感じる1本。
「私の人生の基準は私」。よくありがちな自己肯定ソングかと思いきや、本質を見極めながら資本主義の中でどう人生を潤していくのか、あらゆる価値観を尊重していく誠実さがあると感じる作品でした。
清純で美しい女の子たちがこの曲を歌うのエグいなと思いつつ、若いアイドルが歌うからこそ救われる部分があります。
お金や石鹸を食べ物として飲食する描写を挟むのもチョンビョンギらしい人間味があるなと、長年彼の作品を見てきた私はより思うのです。


MVはUNDERMOOD FILMのオジウォン監督。tripleSとはtripleS Asid Angel from Asiaのデビュー作から携わっています。その他Red Velvet「#Cookie Jar」などが代表作。アイドルのMVというよりGucciやニューバランスなどの広告制作が多いプロダクションです。


・aespa「Thirsty」

シットコムアメリカドラマ「Friends」をオマージュしたオシャレなMV。
映像の質感やファッションも90-00年代からインスパイアされており、懐かしさが漂うエモーショナルな映像作品になっています。
こういった作風ではホットガールなジゼルとの相性が抜群!
トラックビデオなのでショート音源verですが、もっと見たい!と思わずにはいられないです。


MVはJinooya Makesディレクション。代表作はNCT U「Make A Wish」、NCT 127「2 Baddies」、RIIZE「Siren」「Get A Guiter」など、SMエンタでの制作が多い。IVE「ELEVEN」やXG「LEFT RIGHT」などの有名MVも手掛けた一流プロダクションです。SFチックな作風が特徴。




▫️今年のダンスプラクティス

・NCT U「Baggy Jeans」

スタジアムの客席を背景にしたダンプラなんて、成功者にしかできねぇ〜!!!!

まさかダンプラを日本の会場で撮るなんて予想もしてなかった。日本シズ二への充実した福利厚生。ヤンマー長居のスピーカーを通したバギジン、NCT NATIONを思い出して今でも鳥肌が立ちます。

5人だけにも関わらず全員の可動域が広く、コレオや動線も細かい。のに、ピッタリとハマる5人の動きが気持ち良くて何度でも見れるダンプラ。
最近はダンプラすら衣装で踊るグループが多い中、完全私服で緩いリハ着のまま踊ってるのも良ポイントです。

NCTとして第1歩であるデビュー曲“第7感“こと「The 7th Sense」で選ばれた5人が7年ぶりに再集結した曲でありますが、当時SMがNCTデビュー曲にこの5人を選んだ理由を痛感せざるを得ない。5人全員がポテンシャルが高すぎる。このダンプラこそ、まさに5人の実力が詰まった動画だと思います。

別動画でこの曲のデモを聞いたドヨンが「あえて第7感ぽくしなくても、聞いた人が思い出してくれるようにすればいい(意訳)」と言っていましたが、本当にその通りだなと。
似たような曲をもう一度やらなくても5人が集まってやることで当時の面影を思い出す人もいれば、成長して進化した自分たちを楽しんでくれる人もいる。曲の解釈は聞く側に任せればいい。
NCTといえば難解な曲を消化するグループとして認識されており、ファンも理解が難しい場面が多いですが、1番の理解者はやはり本人たちなんだなと。
常に新しいスタイルでのアプローチを進めるNCTは見応えあるグループの1つです。


・BAEKHYUN「Betcha」

2023年に「Betcha」のダンプラが出るなんて!!!4年前の曲なのに!!不意打ちすぎてやられた!
日プガールズで一世風靡した(?)ダンサー兼コレオグラファーのユメキもバックダンサーとして参加してます。(彼は長年SMダンスクルーです。)

ベッキョン入隊以降「Bungee」と「Love Again」が流れてくるたび泣きべそかいていた人間なので、ベッキョンが楽しそうに歌って踊ってるところ見ると視界が霞ます。
「Betcha」はLightコンで歌ってたかと思っていたけど、全然歌ってなかった!
次はソロコンで生で聞くこと夢見てます。待ってるよ。




▫️今年のパフォーマンス

・BOYS PLANET「Jelly Pop」

知らぬ間に1000万回も再生されてて声出た。

2023年のビッグイベントと言っても過言ではないボイプラ。
韓国アイドルにおいて時代を変えるサバ番を数々生んできたMネット、X1以降4年ぶりにボーイズグループを誕生させたサバイバル番組です。

ボイプラファイナルステージでの1曲。いやあ〜この曲良かったね。
デモを聞いた様子だと練習生の中ではもう1つの候補曲「Hot  Summer」の方が良い反応があり、私自身も初見ではこちらの方が良いなと思っていました。
しかし、実際ステージになると印象が全然違った!「Jelly Pop」良すぎる!

この曲の凄いところは、メインボーカル候補のジャンハオ・イフェテク・ジェイの3人が集まっていること。
選曲当時ファン投票1位で優先権利を持つソンハンビンが「Hot Summer」のメインボーカルへ立候補したことにより放出制度が使われ、不動のメボ3人が同じ曲に固まる前代未聞な展開に。
しかしその流れが吉と出たのか(?)、ボーカルパフォーマンス鬼高のファイナルステージになりました。
大学で音楽を専攻していたジャンハオ、我らがPENTAGON唯一無二なメボ フイことイフェテク、ソウルフルな歌唱で魅了するジェイ、三者三様のボーカル。とにかく耳が満たされますね。


・QUEENDOM PUZZLE 「i DGA」

Mネットサバイバル・クインダムパズルでの一ステージ。好きメンバーしかいない私のためによるユニット。このメンバーでデビューしろ!!!と何度叫んだことか。
しかもiKON バビプロデュース曲。ベースハウス調でサビはアンチドロップになったキリングソング。ガールクラッシュ不足の今だからこそ、より印象に残るパフォーマンスでした。

声量随一のメインボーカルフィソ、圧倒的存在感を放つメインラッパーイェウンとユキ、アグレッシブなメインダンサーヨルム、サブボーカルで支えるファイとエリ、ベテランとしてパファーマンスの底上げを担う最年長のドファ。7人のバランスもとても良く、全体的なクオリティーも素晴らしかったです。

レコーディング風景では、練習生時代からロールモデルとして尊敬するバビがディレクションすることで緊張したのか、ユキがなかなか納得するレコーディングが出来ず苦戦するシーンも新鮮でした。

このクインダムパズルで完全にフィソに堕ちた身ですが、フィソは初めて上がったパフォーマンス動画「SNAP」の時から目を奪われる存在感がありました。センターに立つフィソの目、吸われそうになります。
フィソはガールクラッシュコンセプトが本当に似合いますね。
ボーカルはパワフルだしダンスもアクロバティックで、出来ないものはない黄金マンネ。普段グループでは見られなかった隠された姿にコロッとやられました。
彼女のポテンシャルは無限大です。


・RIIZE「Siren」

良い意味でSMらしくない衝撃のデビュー動画。
躍動感溢れるダンスは素人が見ても難しいコレオなことが一発で分かります。レベルが高すぎる。
SMエンタから7年ぶりのボーイズグループのベールが剥がされたと思ったら、1分18秒のダンス動画でSM内でもトップクラスにハードなコレオをこなす7人。
いきなり投下するデビュー動画としては文句なしのインパクトを与えるパフォーマンスでした。

ハイレベルな7人の中でも、やはりショウタロウの存在感は圧倒的です。軽い足捌きは何度見ても理解が追いつかない動きをしてる。
オールドスクールなビートで前面に出てくるソンチャンを見た時、「90’s Love」を思い出してちょっと懐かしくなりました。

こんなバキバキなダンス動画を出しながら、先行曲はエモーショナルな青春ソング「Memories」、デビュー曲は聞きやすく歌いやすい大衆向けな「Get A Guiter」を出すギャップよ。
全て違う路線のパフォーマンスで多方面にアプローチしているところに、SMドルデビューとしてのプライドを感じました。

ロケ地はアメリカのロサンゼルスシアター。BTS「Black Swan」やP1Harmony「Do It Like This」などK-POPでも何度か使われている歴史ある劇場です。


・Red Velvet @ Killing Voice

全ロビが待ってたキリングボイス!!!過去最長で収録するレドベルさん!!好きです!!!
代表曲の美味しいとこメドレー、名曲しかない。さすが歴10年のベテランお姉さんグループ。
そして、音源じゃない?と思うほど生歌が上手すぎて圧巻されました。特にウエンディのハツラツボイスはビタミンです。

個人的に「Kingdom Come」と「Oh Boy」が入っていたのがとても良かったです。どちらもファン人気が強い曲。
ゴールデンウィークにぴあアリーナで開催されたコンサート「R to V」を思い出しました。本当に良いコンサートだった。日本公演がたった2回しかなかったのが勿体無いくらい。またレドベルの単コン行きたいです。


・JEON SOMI  @MAMA

今年のベストオブステージです!!ソミに適うものなし!!
こんなに東京ドームが似合うステージはありません!!Fast Forward 好!!!

ソミにとって年末ステージはこの1度のみになりましたが、そんな貴重な1回を生で見れたことが何よりの宝物になりました。
特に、活動を共にした本国ダンサーがバックについていたこと!!大正解!コレオを付けたYGXのBaby zoo先生もいます。全員DIVA衣装着ていて最高。
ソミ自身もスタイルが良い人にしか着れないフィットした黒パンツスタイル、ヒールが激細のピンヒールなの2度見せずにはいられませんでした。

東京ドームのステージを目一杯使ったMAMAメガステージ、ダンサーの数がとんでもないことになってますね。
ソミが本番前日に「明日MAMAを見る方々は、私に惚れちゃうかもしれません。。」とSNSにメッセージ残したことも最高にDIVAで良かったです。


・「MAMA SUPER STAGE」@MAMA

ギリシャ神話のセイレーン・メデューサ・キメラ・スフィンクスをモチーフに異なるパワーを持つ女帝たちの集い、神聖で神秘的な世界に圧巻されました。

ホユンジン・シャオティン・ミンニの異国パワーが凄まじい。これが美貌の頂点です!を言わんばかりの顔・顔・顔。
特にシャオティンの表現力。美人の真顔は怖いと言いますが、中華の顔面パワーはまさしくだと思います。
タイの王室姻戚であるミンニがスフィンクスなのも納得の選抜。ここで「LION」歌うのもピッタリな選曲でガッツポーズしました。
スウパ1と2出身のモニカとイパダのコラボもMAMAならでは。
豪華メンバーのコラボステージは年末だからこそ見られる贅沢です。


・aespa @ MMA

「Drama」のステージ映えが最高!
ロックバージョンにRemixされた音源に、パンクで華やかな赤衣装のスタイリングも満点です。
仁川に建設されたインスパイアアリーナ、このMMAがこけら落とし公演になったわけですが、レーザーの本数が多すぎてびっくりしました。笑っちゃうくらいレーザーが多い。
映像越しでも伝わる派手な特効のおかげでステージがさらに華やかになりました。

この「Drama」ポーズ!ダンサー含めた26人の女性が綺麗な一直線上になるDIVA感。これぞ年末授賞式の醍醐味!このカットが映された瞬間痺れました。


・SHINee @ MMA

15年の貫禄と意地を感じた最高ステージ!!やっぱりSHINeeでしょ!!!!

シャロック・View・ドリゴル・エビバディの代表曲メドレー本当にヤバかったですね。ステージが覇気に溢れてる。
View流れた瞬間割れるような歓声と巻き起こる大合唱、Viewの本国人気は未だ根強いのだと感じました。

テミンの兵役が終わり久しぶりに完全体になっても、ステージ昇華力はいつまでも衰えない。これこそSHINeeの強みだなと再確認したパフォーマンスでした。

毎年最も豪華な年末音楽舞台と呼ばれるMMA(が故にハイブが1番力を入れるステージ)ですが、今年は事務所バランスが満遍なく、特にSM勢が勢揃いした豪華なステージになりましたね。
シャロックが流れると出演者も総立ちになる姿を見て、同じアイドルの後輩から世代を超えて愛されるSHINeeってやっぱり伝説なんだと痛感しました。
キーもレッドカーペットで言っていましたが、久しぶりの完全体でMMAのような豪華なステージに戻ってこれたことが素晴らしいです。
次はオニュも揃ったSHINeeが見られるといいな。


・RIIZE @ SBS歌謡大典

「Siren」に始まり、代表曲の「Get A Guiter」、そして「Memories」に繋がる流れが完璧でした。
「Siren」が始まると音割れするレベルの歓声が。「Siren」需要ありすぎだよ。てか音源化しないの?
「Memories」は若い今だからこそ表現できる青春感が詰まっていて、流れた瞬間泣きそうになりました。
ソヒのフェイク、声質が宝です。この声を見つけてくれたSMよ、ありがとうございます!!!やっぱSMはボーカルがこうこなくっちゃ!

第5世代とも呼ばれる2023年組の中でもボネクド・ぜべワン・ライズの3大グループが特に存在感を放っていますが、この3グルが絡む合同ステージが今後もあるとは限らないので、今年だからこそと思うと更に貴重なコラボレーションだと感じます。


・NCT 127 @ SBS歌謡大典

華やかな年末歌謡祭と「Fact Check」が合わないわけがない!
SBS歌謡祭トリとして残しすぎるほどの爪痕を残したイリチルには信頼しかありません。上がり続ける歓声に鳥肌が立ちました。

伝統芸能を織り交ぜたステージの規模感、トリに相応しすぎる。もうこれは年明けた。

とにかく生歌が上手すぎて、生歌合戦のようになる程全員が被せを突き抜けたマイクパフォーマンス。これぞライブパフォーマンスの真骨頂です。
完全に骨抜きにされたステージでした。



その③へ続きます。

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