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最期の先を考えたこと

もう早くに両親は他界して、直系の親族といえば、4歳上の姉と、別れた家庭に置いてきてしまった子供の2人だけとなってしまいました。

まだ、親戚はいるけれど、既に父方のいとこ達とは、没交渉。

後は父母それぞれの、高齢になった親類ばかり。

近すぎるとダメな関係の姉との実家であった場所から、離婚後転がり込んだ2年近くの共同生活は、息苦しい毎日でした。

離婚と退職が同時期で、職場の同性の先輩達からのパワハラから折れた心は、なかなか元に戻らず、家庭を持っていて、子供もいたのに、心が折れた状態で、モラハラ・母親との強力な共依存の元夫とも上手くいかず、子供もそんな私に気を遣って、すぐ隣の夫の実家ばかりに行き、私は常に一人孤独で、疎外感しか持っていなかった。

職を失うと同時に「障害者」となった。
そして結婚時に「買い物依存症」にも発病した私は、とにかくネットでの買い物が多かったせいで、当時やっと普及した「スマートフォン」でのネットが手離せず、ちょこちょこと覗いていれば、その場に姉がいると
「また、ネット見ている!」
と叱責され、まるで姉の監視を受けているかのようだった。通帳とカードも姉に取り上げられて、管理されていて、消耗品一つ買うにもいちいちお伺いを立てての許可制。

とにかく、ちょっとでもスマホに手を伸ばすと怒鳴られ、なじられる毎日。

自分一人の部屋というものも与えられず、今思えば「布団」すらなく、畳の上にタオルケットを敷いて、寝ていた毎日。襖で仕切られるのに、それさえ許されず常に姉の目に晒されていた。

喧嘩や叱言の絶えない毎日。余計に頭がおかしくなりそうだった。

そして、その生活からとにかく逃げ出したい一心で、生活能力がないのに、1人暮らし逃げ出した。

途端、姉は実家を新築し、自分だけの「城」を築いた。勿論再度の出戻り厳禁で、許されず。

そうした1人の生活を重ねて、歳も重ねて行くと、辿り着いた思考は
「自分のエンディングについて」でした。

数年間の間、知人が数人孤独死をして、やはり現代ではお隣さんとの関係も、希薄すぎて没交渉が当たり前の世の中。万が一っていう時の為、最近時間がある時には、ちょこちょこと
「エンディングノート」やらに、色々書き込むようになってきた。

財産なんてものはないけれど、死んだ後どうしよう?

そればかりが頭の中に、一杯になった。

一応実家では先祖代々のお墓があり、菩提寺もあるのだが、残念ながら住職は早世してしまった前住職のまだまだ若い年代のお子さんで、「若者」といっても差し支え無い歳で、さらに悪いことにとにかく金銭感覚がとてもがめつい。

父が亡くなった時、母と姉が包んだ「葬儀代」に、
「これでは足りない!」と、言い放ったとか。

庫裏が古くなると、億単位の建て替えの為、檀家一軒につき、100万円のお布施を強制してきた。とても、一般家庭ではポンと出せる金額でなし、また父が特殊な型の悪性リンパ腫で、当時のかなり新薬なども試した結果、父の退職金は殆ど治療費に消えたらしく、強制された金額より少ない、さりとて大金を何とか包んで「これでなんとか許して下さい」と、母は頭を下げて何とか凌いだらしい。

そんなこともあり、万が一にも姉に先立たれてしまったら、その坊さんとやり合わなくてはならず、今から頭が痛い。半分本気で、姉に
「悪いけど、私が先に逝くからね」
と伝えてある。この先、墓を管理する者もいず、どうなることやら。一応父の弟のところに男子がいるものの、極端に「大人の男性が怖い」という気弱になるくらい、彼にはキツく育ててしまった経緯があるので、存続は危うい。私の子供ですら、元の家庭の実家の墓問題があるのだから、2つの家の墓守りはやりきれないだろうし、結婚したらそれも難しい。

で、そこで一計。ずっと考えていた事を実行に移しました。

「献体する為に、具体的に動く!」

献体について、出来るだけ調べ回り、献体する病院を決めて、「いざ」という日に備えようと、自宅からそんなに遠くない都内のS医大付属病院から、書類を取り寄せていざ記入し始めたところ、思わぬところでストップがかかってしまいました。

まず「親族の同意を確実に得て、同意書を作成すること」。

直系の姉にまず話し、あっさり同意を得たのですが、娘にもちゃんと同意を得る為に、話して同意を得なきゃと、諭されました。

まだ高校生ではあるけれど、法改正により18歳で成人と来年2022年4月1日より決まったという事で、19歳で成人となる娘に、学校の寮へ電話で詳細に説明して理解しやすいように、死後葬儀費用は生活保護から賄われることの金銭的問題から、献体の制度のこと、私の想い全て余す事なく、正直に話しました。

私より遥かに大人な、しっかりと「自分の考え」をすでに持つ娘は、ちゃんと理解して

「お母さんがしっかりそう考え抜いて決めた事ならば、同意するよ」

ちょっと間が空きつつも、即答で答えてくれました。

でも、同意書に署名・捺印してもらうには、成人してから。

なので、来年4/1以降にやっと実行出来る算段です。

物もお金も地位もこの世には残しては置けない。

ならば自分の最期の我儘でもある「意思」と、唯一の存在「子供」ということだけ、残して居られれば、それでこの世に生まれた私の役割が果たせる気がします。



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