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F・Talk -センチュリーホールで逢いましょう 1990年編-

今回は1990年秋に当時音楽方面じゃないジャンルの仲間が作る交流誌に「なんでもいいからなんか書いて」との依頼というかお願いから、本当に趣味に走った、しかし知らない人になんとか伝わるよう書いた初めてのライブレポート。一部表現を変えますが内容はなるべくそのままに打ち込みつつ、ようやく見つけたテレビの音声をエアチェックしカセットテープに残した音源から拾える情報を挟んで進める形に。テレビオンエア分は録画はしたが今、再生するビデオデッキが無い為確認は出来ず。


皆さん、“フュージョン”という音楽をどーいう“音楽”だか知っていますか? 私の超個人的解釈でいきますと、『言葉よりも音(声を含む)で勝負している音楽』なんです。一般様サイドだと『BGM』なんでしょうけど。その“フュージョン”にここのところ転びまくっていて、今回は9月24日に名古屋市白鳥センチュリーホールでの『HELIOS SUPER FUSION』の超個人的ライブレポートを交えましてオールフリー&フュージョントークを書きます。御精読の程を願いたいのですが、無理かな?  でも読み飛ばさないでね。

今年このSUPER FUSION含めて6カ所コンサートに行きました、大ひんしゅく買いそうだけどフュージョン系ばっか。で、思ったのが何となくそう何となくラジオのノリと同じに感じるんですよね、フュージョンって。ラジオの場合テレビと違い言葉で全てを表現するから、より真実味あるし想像する余地もあります。入り易くいざ入ったらのめり込みそうなモノ-媒体・場だと思いませんか? んでフュージョンの場合は歌と違って音で音楽を表現するっきゃないんです。CDで聴いている時は色々とイメージが浮かぶのですが、ライブは先ほどの解釈そのもの、音のみの真剣勝負。音がラジオでの言葉になるのです。で大抵始めはどこかのBGMで聴いて「いいな」と思って聴く内にのめり込むタイプの音楽だと私は思います。その例がT-SQUARE=F-1グランプリのオープニングです。私はそれ以前にTHE SQUAREの頃から好きだもんねー。でも『TRUTH』はホントいい曲、ライブでは凄く盛り上がるんだから。

えと、この辺で9月24日の『HELIOS SUPER FUSION』のライブレポート(感想)を書かせていただきます。その前に、この前日に京都でも似たフュージョン系ジョイントライブがあり行ってきました。さあ皆さん呆れよう。でこのライブ、演奏(音)はすごく良かったんです。んが観客の皆様が大人しくて。不満を晴らすべく本命にここのところ名古屋のライブを共に観ている知人と臨んだのでした。

SUPER FUSIONの時の席は2階、プロモート会社のDMが来て取ったもんで遅かった。この年は入れ替えの間は確かアナウンサーが出てきて軽く何人かインタビューをしていた、ような。記憶が薄いのは前年と翌年に仕切った某二人みたく盛り上がりがなんともだった為。だからレポでも触れなかったと思う。



ライブ一番手の松岡直也グループは、私は曲を全く知らないんです。情報で知ってはいても思いっきり南米ノリな音に戸惑いっぱなし。演奏は格好良かった。特にメインキーボードの松岡直也氏とギターの方の音。もう一人のキーボードの人が最近野球場で流行りのウェイブを一階席の人たちに向けやらせたりして、いやー、皆さんノりノり。因みに曲目を一緒に載せたいのですがアルバムチェックしてなくて、済みません。ただ一曲、『夏の旅』だけ憶えてます。なぜかっつうと昭和60年夏にあるラジオ番組内のCMのバックグラウンドミュージックで頻発に流れていた曲でしてすごく気に入っていたんです。当時はタイトルも何も分からず。聞き覚えのある格好いいエレキギター、でキーボードというよりピアノが入った時に声を上げてしまいました、ははは。

この頃のバンド編成は松岡さんと津垣博通さんがキーボード・ギターは和田アキラさん・ドラムスは木村万作さん・ベース&ボーカルは高橋ゲタ夫さん・パーカッションはウィリー長崎さんとペッカーさん(ボーカルも)。ギターとドラムスが翌年松岡さんから離れた為、振り返ると貴重なライブに。アルバムを聴かなかったのは真っさら状態で観たくてだと思う。おかげで85年の夏位にそのスポットをテープに残し繰り返し聴いた曲と巡りあえた歓喜がより強くなった。テレビオンエアでは『ANDALUSIA』(ガットギターが印象的)『カリプソ ハリケーン』他1曲←現時点見つからず。

二番手のJIMSAKUは7月25日に出ましたファーストアルバム『JIMSAKU』中心でした。此方はベースとドラムスのユニットでして、サポートにギターとキーボード二人という編成でここも南米ノリな音。アルバムを聴き込んだのでノリました。途中アコースティックな感じでベースメインの綺麗なバラードありドラムスとベースの凄いバトルあり、楽しいMCありでした。それでは曲目書きます。

1.A MAN FROM THE ANDES

2.SMALL WORLD

3.MULATA EXOTICA

4.HIGH SPIRITS WOMAN

5.(忘れた。4と5はギターの方の新作アルバムからの曲)

6.STAR OF MY HEART

7.PLEASURE IN RIO(この間奏にドラムス&ベースバトルが入りました)

8.DIFFERENT WORLDS

この時はベース“SAKU”櫻井さんドラムス“JIM”神保さん2人とギターは是方博邦さん、キーボードが吉弘知鶴子さんと森村献さんでの5人での演奏、テレビでオンエアした1.では吉弘さんは笛の演奏も。濃厚なベース&ドラムスバトルは8.に挿入され此方もオンエアされた。当時この年にユニットデビューしたてでアルバム一枚の中の曲だけではと、是方さんが同年春に出したアルバム『Mr.HEART』の発売記念ツアーで櫻井さんが参加していたのもあり、の是方さんの二曲だったのかな。

三番手は前日の京都でも観たT-SQUAREでした。曲はラスト以外は全て今春出た『NATURAL』からの選曲、ここも途中でベース&ドラムスソロがあり特にベースの人が頑張る×2。これでライブ観たのは4回目でしたが今までで一番のソロでしたな。んでラストのかの『TRUTH』に至ってはそのベースの人とEWIの人はステージで動きまくり挙げ句の果てにはEWIの人は降りて客席乱入してとすごかったなー。演奏は勿論良い!最後はこのバンドのライブ終わり恒例のジャンプもして幸せでした。だって京都はやらなかったのー。さてと曲目。

1.RADIO STAR

2.DAISY FIELD

3.WIND SONG

4.SNOW  BIRD

5.ベース&ドラムス ソロ

6.CONTROL

7.TRUTH

ここについてはステージを降りた事が驚きでセンチュリーホールで客席乱入していいの?!な気持ちで観てた。乱入を初めて観た瞬間でもあった。思えば須藤さん則竹さん和泉さん安藤さんそして伊東さん-TRUTH時代の、自分が観たラストのライブにもなったなぁ。これは本編後で語る。テレビオンエアは1.(伊東さんによるメンバー紹介入り)6.7.とEWIが熱い選曲、7.は翌年含め3バージョンを見ることに。

ラストは怒濤のラテンセッション、参加ミュージシャン17名が分かれて二曲演奏しました。曲名は忘れましたー、済みませーん。一曲目はキーボード4人による掛け合いとツインギターのバトルが聴きどころでした。二曲目はドラムス二人パーカッション二人による所謂打楽器ソロがすごかった、ひえーモノ。アルトサックスもよかった、うん。


で、一連のライブは終わったのですが、拍手とアンコールの声が長く続いていました。ホント二度目があってもいいくらい、でもありませんでした。帰りが遅くなるのが不味いので私たちはとっとと会場を出ましたけど、正直いってもう少し中に居て拍手と声を聞いていたかった。凄いと思う、求める人も求められる人も。フュージョンを好きになって良かったと改めて思いました。

振り返るとセッションの内容が淡白。改めて詳しく書くと一曲目『Oye Como Va』はキーボード松岡さん津垣さん和泉さん吉弘さん森村さん、ギター安藤さん是方さん、ベース須藤さん高橋さん、ドラムス則竹さん木村さん、パーカッションは松岡さんバンドの2人。各楽器ごとに固めてソロ回しする流れで、詞を「NAGOYA」に替えて歌ってた。二曲目『NOCHE CORRIENDO』は松岡さんバンド全員+櫻井さん神保さんと伊東さん(ここではアルトサックス)、という編成で此方はまずアタマにドラムス&パーカッションのソロが入り、曲中メロディー部隊で回して回してベース(どっちも6弦だったような)→ドラムス&パーカッションという流れ。このセッションも後で更に語る。



言葉が有る事は素晴らしいと誰か言っていたけれど、確かにそうだと思う。でもそうとも思えない時もある。特に私は超口下手野郎で、言いたい事はあるんだけど口で上手く伝えられない。伝えたとしても誤解曲解をされてしまう。昔からそうだった。分かってはいる。伝えたい事は沢山ある。だから文にして皆に伝えようと書く。けど、それを皆が皆分かってくれるか、つうと、今でも、コレ書いてる今も不安だったりする。返事が無いだけに。変化も無いだけに。だから、なんだろう、フュージョンに惹かれるのは。言葉が歌が無くても確かに何かを伝える音、人を揺り動かす力をライブで魅せる人達。凄いよね。自身が持つ“媒体”-音楽が何より大好きで“媒体”ひとつで今まで、今でも生きている。いいよね、確かなものがある人達は。強い、よね。私は、といえばこの文すらも書いている段階で伝わるかなー、と不安をもってたりする。めいっぱい弱い。でも弱いなりに精一杯の気持ち(かなりミーハーではあるが)を込めて書いたんで分かってほしい。すんげー拙い文だけど何か伝わってくれれば、嬉しいな…。

そーいうことで最後まで読んで下さった皆様、どうもありがとうございます。私は私で10月30日のJIMSAKUのライブに行ってきますので会った時にでもまー、殴りに来てもいいからねー(マジ)



コレが今日に至る書き物のひとつの始まり。若さ爆発、表現は今もあんまり変わらん拙さ。どんなけ「凄い」を使うか、昔のわしよ。メインタイトルの『F』はFUSIONとFREEを重ね、FUSION系ミュージックを自由にぐだぐだ語る、という意味。そのまんま。ここから何年かF-TALKは続きライブレポートを書いていた。以前のメルボルンライブでは触れてなくて済みません。トップ画像は宣伝チラシを撮影したもの、チラシの保管状態が悪くて更に済みませんっ。
アタマで6本行ったと書いた、SUPER FUSION以外のライブは、T-SQUARE・CASIOPEAはそれぞれアルバム発売ツアーの名古屋、夏に長野飯綱高原のジャズフェス(目当てはSQUARE)と日比谷野外音楽堂でのT-SQUAREスペシャルライブ、で本編で少し触れた京都の『SEPTEMBER FUZE』。前年89年が春に某3人ボーカル取るバンドで旧レインボーホールに行ったきりだっただけ。夏以降一気にフュージョン系ライブに行きまくったのは、その前年に第1回目のCHEEK SUPER FUSION を行き損ねオンエアを見て後悔し年明けにCASIOPEAの一大事を知り更に落ち込んだ、その反動と奮起の結果がこの本数。ここで観たから松岡バンド然りSQUARE然り、後の事に驚いたが悔いる気持ちはわかなかったなぁ。
テレビオンエアでJIMSAKUを一番手に流したのはユニットの人気と期待の現れか。バトルをフルにオンエアしたのをみると尚更、そして2曲なのに3曲見たお得さも。本編ラストに書いた通り、JIMSAKUのライブには行き『~unbreakable act.1』でも触れたボトムライン初来店にもなった。この時はこの5人にゲストでバイオリンの中井一郎さんが入った編成。この時もレポを書いたよ、うん。
セッションはライブ後に振り返ると、いろんな縁というか交流が見える内容。この数ヶ月後に伊東さんの脱退が発表され、松岡さんのアルバムを追っていたら『NOCHE CORRIENDO』のレコーディングに伊東さんが参加していたと知り、あのセッションは再会とはなむけだったのだろうかと思った。伊東さんはここで共に参加しているJIMSAKUと後にコンスタントにライブしたり、和田さんもJIMSAKUに何度か共演していたね。『Oye Como Va』は松岡バンドに以前参加していた是方さんが共演していたりも。でも神保さんと和泉さんの長いご縁はこの頃どころか90年代はずっと知らなくて、2010年代にようやく知った。遅いよ、自分。
更に時を経て2015年11月に東京でカシオペア3rd VS.プリズム(和田さんと木村さんが長く動かしているフュージョンバンド)のライブを観た時、セッションで神保さんと木村さんが並んで叩いた光景はこの『NOCHE CORRIENDO』が思い出され懐かしかった。コレはカシ3番ファンクラブのレポートには書いてない話し。
2014年に松岡さんが、今年2021年に入ってから和田さんと和泉さんが亡くなり、SUPER FUSIONシリーズは貴重なライブ、もう伝説の領域になってしまったと久しぶりに回したカセットテープの音源を重い気持ちでここ数日何回も聴いた。和田さんの訃報で今回自分の恥ずかしきルーツのアップを思い立ったが、JIMSAKUが復活し今年夏にアルバムを出す嬉しい話題のタイミングにもなった。今回、も過去をぐだぐだ振り返る中身ではあるが、同時に自分が観た在りし日のミュージシャンたちの音の交差の断片、でもある。こーいう時代にこーいう特別な場があった事を知らない人に伝えたくて、自分が忘れたくないエゴも自覚した上でここにアップし続ける、どう悔やもうが戻らない懐かしい日々と音の記憶を、言葉で。
尚、この翌年91年のSUPER FUSIONも観てレポートも残してあるが、打って変わって色々無茶苦茶な内容だったりする。コレも近日中にここにアップする予定。お楽しみに、できるだろーか。