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The place you dream of is not frustrated act.5&6 -CASIOPEA3+1000 2DAYS@目黒ブルースアレイジャパン-

 夏、突然来た告知だった。9月19日と20日にカシオペア3rdと若手(20代前半!)ドラマー川口千里嬢がジョイントする、場所は今回もブルースアレイジャパン、ここが今年開店して30周年になるお祝いでカシオペアとしては初めて-でもご縁はあったり。この辺りは本編にて-ライブを二日間行うという。チケットはすぐ完売御礼となったが生配信が決まり安堵。公演名の『カシオペア3+1000』は巧いと思った、が。


 レポートは初日を追いながら二日目のエピソードを合間にこういう感じに折り込みながら進める、というコトで。


 メンバーと川口千里嬢がステージに現れた所から配信は始まった。まず各々楽器を持ち位置に着き、野呂さんはもうマイクを持ちカメラにも近付いてくださりつつ挨拶をしたのだけど、「カシオペア1+1000」と言うてしまい一瞬の間後すぐ「3だ!」「こりゃまた失礼しました。全国の皆様失礼しました」と言い直しドサクサ紛れに植○等氏を召喚させて謝り、とエライレアな始まりに、チャットルームは心配しつつも爆笑の言葉と絵文字が並んだのだった。

二日目の始まりではなんだか誇張気味に「3+1000」と紹介したリーダーじゃった。

「和気あいあいといってみましょうか」と開幕一曲目が『DOMINO LINE』は配信勢も沸いた。曲間のドミノ倒しは千里嬢もバッチリ決め、音はよし!とこの時に思った。『GALACTIC FUNK』は各ソロが入っているから紹介にはナイス選曲順、前半後半の腕上げはチャットでは拳の絵文字やら「ヘイ!」と言葉で表した。キーボードを撮すカメラから、大高さんの向こうで腕上げする客席の光景も見えた。『EYES OF THE MIND』からの個人的に大好きな『HALLE』と80年代の曲が続き1stからのファンは喜んでいた。『HALLE』のベースとドラムの掛け合いで音で遊んでいたのも面白くも流石で、終わるや「凄いだろ」と言う位だった。

ここで千里嬢もマイクを持ち挨拶。「すっごい緊張している」と自身を「新参者」と表す彼女に「我々も緊張している」と野呂さん。ソレは喋りにどうやらまた出てもうて、一つ目のコーナーを振り返り「今の千里ちゃんが我々の年齢(とし)位だった頃」一時の間「聞き流してください」と再び。後ろからコン♪と叩いてツッコミをする辺り、してないじゃんと思ったり。更に次のコーナーで辿るなのに「溯る」発言も。どうも「携帯に出る今日の占いが最悪の日」だったそうな。

二日目は初日を振り返り「『1+1000』と言ってアタマ真っ白になって正体不明の日本語を喋るようになってしまって」と反省モード。千里嬢はこの日は自らを「新人バイト」と例えた。「イケイケ世代。出来るコトは全部やってやるぞ」との野呂さんに「そういうのを求めて呼ばれたんですね」と返した言葉に、今回のコンセプトのひとつ、みたいなものを感じた。尚、これは登場時の発言だが野呂さんの二日目の占いは「そんなに悪くなかった」に、全体が安堵の空気が流れたような。

 辿るという流れで、2nd時代の『TOP WIND』『GLORY』が演奏、後者は発売時にミュージックビデオをブルースアレイジャパンで撮影したと鳴瀬さんの自叙伝で書かれていたので、その縁での選曲かなと思ったがさて。3rdは『DAYS OF FUTURE』と大変な曲を新参者にとヒヤヒヤしたがドラムが爆発する所は「全部やってやるぞ」精神全開で叩く姿をカメラも撮していて大丈夫だと。『CATCH THE WIND』でステージを見下ろすカメラもあり、今回は何台使っているのだろうかに。

セットリストはここまで両日同じだったのを付記。振り返ると初日より二日目の音がしっかりしていた感じだったのは、「(8月以来の)久し振りのライブ」なのもあるんやろうなぁ。初日の「緊張」が解けた、のも。

 次にカシオペア3の3人がそれぞれに「初めてやりましたシリーズ」というコーナーへ。「ご本人の解説付きで」でまず野呂さん自ら「若気の至り」「体力を消耗する曲」と表した“スリル・スピード・テクニック”の象徴曲『TIME LIMIT』、緊張感溢れる演奏に配信勢も聴き入った。終わるや「大変!」と声を上げたのは、さて誰だか。

 二人目は「○保純でーす」の大高さん。千里嬢とはここずっと組んでいるKIYOSENというユニットでサンバ調なアレンジでも演奏していると話した『AUTOBAHN』 そこでも置いている「チャイナシンバルから身を守る会」という仕切りを今回も用意したと。カシオペア3rdでの『AUTOBAHN』は疾走感ある曲、+1000はよりパワフルやも。

 三番目は開口一番「ヘンシーン!」「ハイシーン!」と声を上げる鳴瀬御大、初日はたまりにたまっていた喋りたい衝動が暴走したかのように、話しはあっちこっちに行き野呂さんも千里嬢も大変そうで、見ている此方も笑い転げつつヤレヤレに。話しの収拾図る為に野呂さんは、お店が出しているオリジナルドリンクの宣伝に走った。今回は名にちなんでペア-洋梨を使い、飾りにグレープフルーツ?の皮で数字で『3+1000』を手作りで象ったという話しに、美味しいだろうなぁと喉が鳴った。そうそう、野呂さんが8月から始めた生配信『カシオペ話(わ)』も取り上げ『THE PARTY』-鳴瀬さんが加入後初のアルバムの話の時は「通りすがりで」出るとか言い「一時間じゃ収まらない」とも話していたが、是非「二時間コース」で。という訳で『AKAPPACHI-ISM』はドラムソロから始まる原曲バージョン、オルガンソロは渋めな感じに。

 さて次はどう来るかと思ったら「アキラジンボの曲を千里ちゃんが叩く」とスペシャルな展開で、会場には拍手が起こり配信勢も喜んだ。しかも氏の代表曲『MID-MANHATTAN』を持ってきたので、チャットは言葉で客席はきっと心の中で沸いた。野呂さんが「神保さん聴いているかな、コレ」とネタ振りみたいに言って始まると、「勘弁してくださいよぉ」と言いながらもギターとドラムのユニゾンをバッチリ決めるのだった。演奏後の鳴瀬さんの「素晴らしい!」と客席の拍手が配信から聞こえた中、チャットではツインドラムを熱望する発言が並んだ。ご当人も「これでツインドラムやりましょうと言われても大丈夫」と言ってるから後は。

次は一番新しいアルバム『PANSPERMIA』で去年冬に名古屋と大阪で披露した『A HERO OF THE PLANET』を演奏、意外だけど関東の人は初めてだから嬉しいねと生配信時は思った。後日ベースマガジンのアルバム発売当時の号を見て、全曲解説でこの曲を「山越え谷越え~宇宙ヒーローが歩むデコボコ道を」とライター氏が書いているのと“今”と重なった、ヒーローではなくミュージシャンが…、とは私的解釈。続いてアルバム看板曲『BEYOND THE GALAXY』が奏でられるや、青いサイリウムが客席からは何本も現れた。大高さん越しからや会場後方からのカメラには光り振られる光景は宇宙空間を感じた。バンドスタッフさんがチャットに来てこの光景が「サプライズ(嬉し涙の顔文字付き)」と熱く話し、メンバーも現れた時「おっ」と驚きからの笑みが見えていた。演奏が終わるや「青いヤツは皆さんで示し合わせた訳ですか? 我々は知りませんでした」と驚きの後「サプライズだったんですか。ありがとうございます」と嬉しそうな言葉を客席に向け発してもいたなぁ。どうも観客の方々が用意していた模様。そういうのができるリアルに、私的にちょっと羨ましい気持ちがふわっとわいた。

二日目は「初めてやりましたシリーズ」&「アキラジンボの曲を千里ちゃんが叩く」と『PANSPERMIA』コーナー或いは「最新作を千里ちゃんが叩いたら」とが入れ替わった。結果組んだ御本人自ら「昨日よりハード、より一層ハード」となり、『BEYOND~』のギターソロで「私、意識不明になりました。帰ってこーいーよー♪(と松村和子さんの歌を少し歌い)意識が宇宙の向こうに飛んでいっている」と、かなり入り込んでいた模様。帰ってきて良かったと安堵しつつ、歌声がちこっと聞けてにっこり。『A HERO~』で千里嬢ソロでさりげなくカメラを見ていたのに、余裕を感じも。サイリウムは二日目も『BEYOND~』で現れ、この日は黄色で初日より少し増えた感じで、特に後方からのカメラの画は星が幾つも光っているように思えた。メンバーもすぐにっこりしてたと思う。野呂さんも一山越えて顔を上げた時に目に映ったのか、笑みをカメラが捉えていたなぁ。この曲の終わりがけに鳴瀬さんがやっている指さし、大高さんもしていたね。チャットでは言葉で「ヘイヘイ」と上げた。
「初めてやりました」シリーズは書いた御当人氏が「最大の山場」と言い『TIME LIMIT』の頃の思い出をしみじみ語った。『AUTOBAHN』では件の仕切りがカメラでアップに撮されて「チャイナシンバルから身を守る会」とまんま書かれていて笑った。更に「物販部長やらなければ」とこの2DAYS前に発売となったバンドグッズのマスク付きマスクケースとエコバッグの宣伝、更に「のみものがかり」として本日のオリジナルドリンクの紹介も。二日目の飾りは『さんたすせん』ひらがなバージョン、手作りで。「のみものがかり」はファンミーティングでのある方とある方によるユニット名なんで、イベントを懐かしがり開催を望む発言がチャットに沢山上がった。バンドスタッフさんもチャットに現れ「やりたい」と言い配信勢は沸いた。これも是非実現してほしい。
『AKAPPACHI-ISM』は千里嬢のご両親が初日の配信を見て「どこへいくか分からない脱線しまくりの鳴瀬さんと、言いたい事は分かるけど日本語が分からない野呂さん」との感想が来たこともあり、「ナークンタンとノロクンタン」による漫才チックなトークコーナー発生。お二人が客員教授をしている大学もオンライン授業を始めたものの「野呂先生」は「私は携帯でやってます」為にどうやら電話が混線してしまい大変な事態になったそうな。結果野呂先生は大学に行きオンデマンド動画を作るコトに。鳴瀬先生の「親父ギャグ(動画で)言ってない?」に「短三度、シュワーじゃないのよ」と返した瞬間、リアルも配信勢もステージも心で壮大にコケたか崩れたろうなぁ。肝心な曲の話しも「後2秒」が長かったけど「ドラムソロから始まります」と言ってくれて千里嬢嬉しかったか心なし長かったようなアタマだった。その『MID-MANHATTAN』では「ユニゾンは耳コピして練習した」というそのギターとのソレがこの夜も気持ち良く重なり終わった後ににっこりしてたね。「見ていたらどうもありがとうございます。リスペクトということで」と野呂さんは神保さんに向け言っておったがさて。

ここからライブは終盤、ド定番『FIGHT MAN』更に『ときめき』を持ってきて、前者は会場は腕上げとサイリウム振り、チャットは言葉やら拳の絵文字で上げ盛り上がった。途中のソロ回しはドラムは祭りの太鼓風な音からジャズっぽい感じに走ったなぁ。後者のカメラの切り替えが曲と合わせていて格好良かった。擬音にするとぱっぱっぱっとした早い切り替えは、ライブ映像作品ではあまりしてないので新鮮、個人的にも好き。

アンコールはバンドの代表曲『ASAYAKE』、それぞれの場所でそれぞれの表現でノった。終わりがけの腕振りはチャットでは言葉と絵文字が次々と上げてゆく中、本音を言うと掛け声が聞こえない会場にさみしさをこっそり感じてもいた。其れでも、ブルースアレイジャパンに人が集まり、生の音が響き渡り、熱が空間に満ちる喜びは、スマホの画面からでもしっかり伝わった。演奏が終わり拍手が絶えることなく鳴る客席に向け、4人が並んで感謝の挨拶をする画面に現れた言葉に、其れは此方もとにっこりした。

二日目の終盤は『FIGHT MAN』→『ASAYAKE』、アンコールに『ときめき』だった。『FIGHT MAN』の回す所で千里嬢、『サザエ○ん』のエンディングテーマのアタマを奏でしかもコン♪付き。次の鳴瀬さんがびっくりしたかツボに入ったか演奏出来なくなるレア事態に。チャットも爆笑マークが並んだ。『ASAYAKE』でギターソロでギリギリまでカメラを引き黄色のサイリウム煌めく会場全景を撮したのは綺麗だった。アンコールで持参したオリジナルドリンクとその手作り飾りをカメラに近付けてくれた鳴瀬さん、ありがとう。『ときめき』はステージを見下ろす画も。



 思えば千里嬢は2012年冬『クロスオーバーナイト』というインストバンドのフェスでオープニングアクトで観ていた。その後のCASIOPEA3rdも。その頃彼女はアルバムデビューしたかな。それから8年、大高さんと組み、鳴瀬さんとはチョッパーズレボリューションというトリプルベースユニットで遊び、野呂さんはオットットリオで共演し、と縁が繋がり広がり太く強くなりの今回なんやろかな。この2DAYSが更に発展してゆくともっと面白いかもね、なんて未来を夢見られるのも嬉しい、先がまだまだ見えない“今”の中で。

 両日に感じたのは『ASAYAKE』の腕振り、野呂さんはより嬉々と上げていたように思えた。ライブが出来る、人‐ファン‐の前で楽器を奏でる喜びを確かに。

ラストのテロップ「THANKS TO ALL OF YOU」-「あなた方全てに感謝します」 此方こそ、ライブハウスにスタッフに出演アーティストに感謝をおくりたい。チャットでツイッターでここで「ありがとう」言ってもまだ言い足りない位。なにより、音楽に感謝を。



まだ語りたいことあるがひとまずこれでレポートを締め。後日ぐだトークで語ろうかな。