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カルロス・モスカルディーニ 2024年 最新インタビュー

25年ぶりソロでは初の日本ツアーを行うカルロス・モスカルディーニ。
ユパンキ、ファルーなど数々の世界的巨匠を生む母国アルゼンチンだけでなく欧州・日本のクラシックギタリスト達からも自身の楽曲が数多く演奏されリスペクトされている静かなる巨匠のインタビューを抄訳した。

(全6公演:大阪・岡山・所沢・茨城・埼玉宮代町・東京)
※ツアーフライヤーと詳細は文末記載


★今回のニューアルバムはどのようなものですか?

-前回のアルバム「場末の沈黙」(Silencios del Suburbio)以降、私は海外公演とギターを教えることに注力してきた。そのため作曲はしばらくやっていなかった。でもここ数年、娘のフリアといくつかのコンサートで共演したパコ・ラヌーセとのコラボレーションで、ギター曲や歌の曲が少しづつ出てくるようになったんだ。
最終的に去年の年末に、私の最新形である、この時に出来た作品を録音しなくてはと思い立ったんだ。そこではギターのための音楽と歌が分かちがたく結びついているんだ。
このアルバムは5曲が歌の曲で、8曲がギター・ソロのための作品で、そこにはフアン・ファルーが私に献呈してくれた1曲を含んでおり、オマール・モレーノ・パラシオスのあまり知られていない歌をギター・ソロ用に私がアレンジしたものも含まれている。それ以外は私の作品だ。

★娘さんと音楽をやるということは何か特別なことではありませんか?

-もちろん二人にとって一緒に音楽を出来ることは素晴らしいことだ。でも親子ということを別にしても、フリアはかなり前からジャズに力を注いでおり、とても個性のある歌手だと思う。彼女はドラマティックな面よりも音楽的な面によりフォーカスすることで、私の音楽に貢献してくれている。

Carlos y Julia Moscardini

★あなたの息子のサンティアゴに捧げた曲も一曲ある。だからこのアルバムにはさまざまな家族への言及や自伝的要素があるだけですね?

―「やあ、サンティアゴ」は、今から40年前に息子が生まれた時に作った子供のための曲で、今回ギター用のシンプルなアレンジを施すにはいい機会だった。「エナヘアードス」(心神喪失)は対照的に、我々が今生きている時代を反映させようとしたものだ。さらに私の父に捧げた曲も1曲ある。
いつものごとく、アルゼンチン音楽のリズムと形式を基本として私は音楽を作っている。このアルバムにはトナーダ、グアラニア、ラスギ―ド・ドブレ、ガト、ミロンガ、ビダーラが1曲づつある。でも、私の作品の演奏を含むアルバムを録音しているドイツの偉大なギタリスト、ノラ・ブッシュマンに捧げた「ラ・ノラ・デ・ベルリン」のようにクラシック的な曲もある。

★あなたの最初の音楽、ギターとの出会い、作曲のこと、アルゼンチン音楽の好み、特にパンパ平原の音楽について聞かせていただけますか?

―6歳か7歳の頃、私の家にギターがやってきた。私の兄はギターの先生のところに行っていたんだけど、彼がギターを辞めた時、私がそれをとって遊びながら、彼が弾いていたものをコピーしようとしていたんだ。だから私のギターとのつながりは遊ぶところから始まったんだ。その後、ガルデル、アタウアルパ・ユパンキ、エドゥアルド・ファルーの大ファンだった私の父が、ラジオやテレビでかかるそうした音楽に私の関心を向けさせてくれたんだ。
青年時代には私はロックを聞いていて、初めはロック、その後はアルゼンチン音楽とのフュージョンをやったSOMAというグループをやっていた。その時私は曲を作っていた。中学校を終えたところで、バンフィールドのフリアン・アギーレ音楽院に勉強しに行くようになり、特別な方法でハモーニーを学んだ。
私のアルゼンチン音楽への関心は、とても小さい頃から、ごく自然な形で与えられた。その後私はとても良い音楽家たちと一緒に演奏する幸運に恵まれ、それは私にとっての真の学校だったし、そこで自分でギターのための音楽を作曲しようと思うようになった。
パンパの音楽を私のもたらしたのは、もっぱらガルデルとユパンキ、さらにフレウリの音楽を通じてだった。でもオマール・モレーノ・パラシオスの音楽を私が聴いたとき、予期せぬ扉が開き、パンパのギターの響きの地平を広げていきたいという思いが生まれたのだった。

★しばらく前からレコーディングをされていませんでしたね? 前作から今回の「エル・フエゴ」まではどうしていたのですか? アルバムタイトルの意味も教えてください。

  ―前に言った通り、ギターを教えることが重要な部分を占めていた、あと楽旅と家族もね。でもうまく時間をコントロールできていなかったのだと思う。実際私は職業として音楽に向き合ったことはなかったし、私のそれぞれのアルバムは私の人生の一つの時代を反映しているのだと思う。
間違いなく、アルバム「エル・フエゴ」を通じて、我々は自分たちとその他の人たちとのつながりを学ぶ。私はこう考えるのが好きだ:歌というのはもうどこかで出来上がって、別の局面に存在していて、我々はそれらを発掘しているだけなのだと。ちょうど「エル・フエゴ」はそうした歌を「発掘」することから成り立っていて、誰かがそれを聞いて感動してくれることによって目的は達成されるのだ。また一方で、私はいつも昔の音楽とのつながりも守ろうと思っていて、ものごとを可能な限り良くしようとする努力をしながら、一種の責任の意味を「ゲーム」(エル・フエゴ)というタイトルに与えているのだ。
私たちの文化のルーツと深いつながりを持ちながら、私の時代と私の歴史が持つ響きから来る美学的コンセプトで扱われるアルゼンチン音楽のリズムとスタイルを通して、私に付き合ってくれる人々の心に届くよう、私は演奏するつもりです。

★このアルバムに関するプランは? プレゼンテーションをずっとやっていくのですか?

―私の唯一のプランは可能な限りこの音楽を運んでいくことです。8月には日本に行き、このアルバムからいくつかの曲を演奏し、帰国してからアルゼンチンのいろんな場所でこのアルバムのプレゼンテーションをするつもりです。(2024年5月)


Carlos Moscardini Japan Tour 2024

カルロス・モスカルディーニ、待望の来日ツアーが決定!
交差する文化、豊かさが生んだアルゼンチン音楽の新たな指標

全ツアー詳細:リベルテ音楽教室

《豊穣なるアルゼンチンギター音楽の世界 @大阪》

日時:2024.8.3(土) 開場 13:30 / 開演 14:00
料金:前売 一般4,000円 学生2,500円 / 当日 各500円プラス
会場:ドルチェ・アートホール大阪 大阪府大阪市北区角田町2−7 B1
アクセス:JR「大阪駅」、阪急大阪「梅田駅」から徒歩5分
出演:カルロス・モスカルディーニ ゲスト:米阪隆広、清水悠
主催:米阪ギター教室 後援:アルゼンチン共和国大使館、ギター工房SHOJI 協力:PaPiTa MuSiCa、Echizen Guitars
[チケット購入・お問い合わせ](米阪ギター教室)
Web:https://yoneguitar.com/live2024-12/
Tel:072-743-6207
Mail:g_yone2007@yahoo.co.jp

《Carlos Moscardini Concert @岡山》

日時:2024.8.4(日) 開場 17:30 / 開演 18:30
料金:前売 4,000円 / 当日 500円プラス ※未就学児入場不可、6歳以上は入場可
会場:蔭涼寺 岡山県岡山市北区中央町10−28
アクセス:清輝橋線「大雲寺前駅」から徒歩5分
出演:カルロス・モスカルディーニ ゲスト:清水悠、森井ヒデ
主催:Liberte 共催:HUMMOCK Cafe 
後援:アルゼンチン共和国大使館 
協力:PaPiTa MuSiCa、Echizen Guitars
[チケット購入・お問い合わせ](リベルテ)
Web:https://www.liberte-music-school.com/post/carlos-moscardini-okayama
Tel:090-9366-7859
Mail:liberte.music.school@gmail.com

《Carlos Moscardini Concert @埼玉、所沢》

日時:2024.8.7(水) 開場 18:00 / 開演 18:45
料金:前売 4,000円 / 当日 500円プラス ※未就学児入場不可、6歳以上は入場可
会場:所沢市民文化センターミューズ・キューブホール 埼玉県所沢市並木1丁目9−1
アクセス:西武新宿線「航空公園」駅から徒歩約10分/バス約3分
出演:カルロス・モスカルディーニ ゲスト:清水悠、森井ヒデ、秋田勇魚、清水沙也果
主催:Liberte 後援:アルゼンチン共和国大使館、図書喫茶カンタカ 協力:PaPiTa MuSiCa、Echizen Guitars、横尾ギター
所沢市 「音楽のあるまちづくり」推奨対象イベント
[チケット購入・お問い合わせ](リベルテ)
Web:https://www.liberte-music-school.com/post/carlos-moscardini-tokorozawa
Tel:090-9366-7859
Mail:liberte.music.school@gmail.com

《アルゼンチンギターコンサート / カルロス・モスカルディーニ来日公演 @埼玉、宮代町》

日時:2024.8.11(日) 開場 13:15 / 開演 14:00
料金:前売 4,000円 / 当日 500円プラス ※未就学児入場不可、6歳以上は入場可
会場:コミュニティセンター進修館・小ホール 埼玉県南埼玉郡宮代町笠原1丁目1−1
アクセス:東武スカイツリーライン「東武動物公園駅」西口から徒歩5分
出演:カルロス・モスカルディーニ ゲスト:清水悠、森井ヒデ
主催:世界のSnackごはん、No Plants No Life 共催:(有)埼共ホーム 後援:アルゼンチン共和国大使館、宮代町
協力:PaPiTa MuSiCa、Echizen Guitars
[チケット購入・お問い合わせ](OTO SHOKU NIN)
Web:https://www.liberte-music-school.com/post/carlos-moscardini-miyashiro
Mai:otoshokunin.330@gmail.com

《Carlos Moscardini Concert @東京》

日時:2024.8.12(月・祝) 開場 18:00 / 開演 18:30
料金:前売 4,000円 / 当日 500円プラス
会場:トーキョーコンサーツ・ラボ 東京都新宿区西早稲田2丁目3−18 AVACOビル 1階
アクセス:東京メトロ東西線「早稲田駅」から徒歩6分、東京メトロ副都心線「西早稲田駅」2番出口から徒歩10分
出演:カルロス・モスカルディーニ ゲスト:森井ヒデ、清水悠
主催:オフィスグリーン 共催:オレガノキカク 後援:アルゼンチン共和国大使館
協力:PaPiTa MuSiCa、Echizen Guitars
[チケット購入・お問い合わせ](オレガノキカク)
Web:https://www.hideomorii.com/moscardini-tokyo2024/
Mail:oreganokikaku@gmail.com