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記録〜力〜

夏休みが始まった。

学校はお休みだけど、少年にとってはむしろ試練の期間かもしれない。

なにしろ去年は「夏休みの宿題」が完了出来ずに終わった。

"遅れてでも出しなさい!とにかく何でも良いから書いて出しなさい!"と猶予をくれた先生の優しさを裏切る形で、放り無視した経緯がある。
最早、勉学という本来の目的よりも、与えられたタスクを期間内にやり遂げる意思の力を図るという意味はあるかもしれない。
高校生活や将来の社会生活への適応能力を見極める材料にはなるかもしれない。
とは言え、人により心や脳の成長速度は違うので、あくまでも今時点での判断基準でしかない。脳科学研究によれば三十歳程度まで脳は発達を続けるらしい。
だけど世間的にはそんな多様性は重んじられるとは思えない。
そもそも彼に「のびしろ」がどの程度あるのかも計り知れない。


学期末の三者面談。
進路の話が中心。
志望校も決めた。
家から割と近い所に専門高校があり、愛玩動物や畜産業の事を学べる学科がある。
そこを第一希望とした。
先生が今一度本人に確認。
本人も迷いは特になく頷く。

学習面では多少の頑張りもあり、このままでも何とか合格ラインに届く。

問題は散々すったもんだの"提出物"。

去年はまだ少年の事をよく理解できてなかったが、反省点を踏まえ今年はこちらも考えた。

そして二つの案を少年に提示した。

☆おばちゃん達が手伝いながらでも、兎に角宿題を仕上げ、完了出来るようにする。(結果重視)

☆おばちゃん達は手伝わないが、1から10まで自分で計画し実行する。(過程重視)

そして、付け加える。
「大変でも○○君の力をつけられるし、チャレンジ出来るのは後者の方だよ」と。

翌日、改めて問うてみた。
「どっちにしようか?」

彼の性格からして、曖昧な提案より単純で分かりやすいカードを目の前に提示し、イメージさせる方が良いと直感で感じた。


「自分でやる」との返答。


自分への期待は捨ててはないんだなと嬉しい気がした。

とは言え、決意や集中が途切れないように声掛けだけはさせてね!
半ばでの経過と最終日にもチェックするけど手伝いは基本しないよ。
とも伝えた。

そして、彼の、のんびり丁寧な学習の進め方や計画性の乏しさを考慮して色々なアドバイスはちょこちょことしている。
それがどの程度響き、やる気に繋がるかは分からない。

夏休みは思うより短い。

果たして…
様々な夏の誘惑(高校野球中継など)に負けず、自分の意思をコントロールしながらどの様にこの夏を過ごすのだろうか?

おばちゃんとしては、やはり彼の呑気さがもどかしく、じれったく感じてしまう。
自分のメンタルに影響しない様に私自身こそコントロールしなければ!

彼の人生は彼のもの。
私達夫婦に出来ることは環境を整え、声をかけ、背中を見せること。

少年、中学三年生の夏。
色んな意味での「力」が試される。

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