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徒然〜日本の夏、いとエモし
急に暑くなってきた。
まだ六月半ばで30度をゆうに超えて、夏本番が不安になってくる。
もはや最近の夏は、大袈裟でなく生死に関わる暑さなので、暑くなるのはあまり嬉しくない。
そんななか、最近は畳の需要がめっきり減っていると聞く。
でもわたしは暑い夏こそ、畳の上でゴロゴロ昼寝をしたい。
あの感触や井草の香り、『エモい』。
これだけ暑いともう現実的には冷房入れざるを得ないのだろうけれど、扇風機の風を感じながら、畳の感触と香りに包まれ、少し汗ばんでまどろむのが『エモい』。
以前ヨーロッパに住んでいた時の夏、風鈴の音や、夏の夕立の匂い、真っ青に広がる田んぼの景色、南仏のおしゃれビーチじゃなくて日本の海水浴場の雰囲気やそこで食べるラーメンやカレー、お祭りの音(特に京都の祇園祭のコンコンチキチンのお囃子!)、をすごく恋しく感じたことを覚えている。
日本では時にうるさくさえ感じたアブラゼミの鳴き声も、晩夏のヒグラシの鳴き声も、その鳴き声とセットの夏の薫りも併せて「あー、なんかセミの鳴き声聴きたいな」と恋しくなった自分に驚いた。
暑いのは勘弁だけれど、日本の夏の情緒は、いとエモし。
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