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那覇行きのチケット

那覇行きのチケットを予約した。
何カ月も先のではあるけれど。

とたんに 沖縄の友達からメールが来た。
「近々おしゃべりしない?」
「老後は沖縄戻ってくる?」
「連休何してる?」
スゴイな。沖縄。の女たち。

私はかれこれ15年くらい人間の友達と会っていない。
体力的、精神的、金銭的なものもあったし
近くに 会いたいと思える友達がいなかった。
多分、沖縄の暮らしの中で私の価値観が大きく
変わってしまったこともあるし
地元の友達には、自分の症状やできないことが
多々多々あることを説明するのが怖かった。

家族とも疎遠な私は
スーパーのレジの店員さんとのやりとりが唯一
人とのかかわりの場だった。
一緒に暮らす猫がいてくれることが心の支えだった。

そんな中、数年前にオウジと知り合う。
困窮した生活を送ってること、精神障がい者で
あることを伝えても、彼は 私から
離れていかなかった。
そして今は猫とオウジと一緒に暮らしている。
めでたしめでたし。とはいかず、
さらに体調を崩してしまう。

問題は私にある。常に猫をかぶっているので
長時間一緒にいると疲れる。
自分のペースがわからなくなる。
自分が何をしたいのかわからなくなる。

あれこれ模索していく中で
私が今 心から欲しているのは
沖縄に行くことだと気づいた。

日本の中でほとんどの地域は
一歩外に出たら、すれ違う人はみな他人だ。
存在も無視してすれ違う。

沖縄では住む地域によっては、そうじゃない。

私が暮らしていた地域では、子どもにあいさつされる。
スーパーで知らないおばさんに「売り出しの玉子まだあった?」
「あい、これおいしそうさ。なに?」
買い物かごを指さして話しかけられることがある。
アパートの敷地内で住人のおばさんにゴーヤーを
もらったこともある。
首を痛めて整形外科へ行けば、待合室で
たぶん全員初対面だはずなのに
お互いどこが不調かなどと話がはずみ
もちろん私も仲間入り。

沖縄の海も空も緑も動物も、もちろん好きだけど
この魅力的な 人との距離感なんですか?
これがないと 生きるのツライ。

あ ただ 嫁として住むのは無理です。
家事ができません。

読んでくださって、心からありがとうございます。