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連作短編小説「奇特な病院」

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ニッチで風変りな、もしかしたらどこかにあるかもしれない病院の話です。
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2024年7月の記事一覧

「奇特な病院2」迷惑をかけたくない科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第16外来:迷惑をかけたくない科(患者 高橋ゆ…

渋紙のこ
2か月前
1

「奇特な病院2」期待されたい科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第15外来:期待されたい科(患者 宗谷紘一) …

渋紙のこ
2か月前
1

「奇特な病院番外編」勝ち負けにまつわるあれこれ科

※連作短編小説の番外編です。 「勝ち負けにまつわるあれこれ科」(研修医 アントニオ猪崎)…

渋紙のこ
2か月前
1

「奇特な病院2」思い通りにならない科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第14外来:思い通りにならない科(患者 清野れ…

渋紙のこ
2か月前

「奇特な病院2」整理整頓科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第13外来:整理整頓科(患者 杉田かよ)  私…

渋紙のこ
2か月前
3

「奇特な病院2」まじめ科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第12外来:まじめ科(患者 志村賢一)  なぜ…

渋紙のこ
2か月前
1

「奇特な病院2」うっかりさん科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第11外来:うっかりさん科(患者 佐渡川千景)  最近、鍵をかけ忘れたり、財布をどこかに落としてしまったり、人の名前を間違えてしまったり、段々と笑えるうっかりではなくなってきたので、うっかりさん科を受診することにした。 「どうしました?」  先生はかなり前のめりに質問してきた。 「もううっかりですませられない事態に陥ってまして」 「そうなんですね?」 「私もうだめなんでしょうか。なんでこんなにポンコツなんでしょう」 「そうですね

「奇特な病院2」話が脱線する科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第10外来:話が脱線する科(患者 小杉ひみこ) …

渋紙のこ
2か月前
4

「奇特な病院2」涙こらえて科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第9外来:涙こらえて科(患者 慶福あさみ)  …

渋紙のこ
2か月前
2

「奇特な病院2」どこまでが私事科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第8外来:どこまでが私事科(患者 楠田民代) …

渋紙のこ
3か月前
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「奇特な病院2」すぐ慌てる科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第7外来:すぐ慌てる科(患者 木部京子)  …

渋紙のこ
3か月前
4

「奇特な病院2」沈黙科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第6外来:沈黙科(患者 加藤啓二)  俺は、先…

渋紙のこ
3か月前
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「奇特な病院2」非推し活科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第5外来:非推し活科(患者 大野美咲)  推…

渋紙のこ
3か月前
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「奇特な病院2」失敗したくない科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第4外来:失敗したくない科(患者 江川七海)  俺は、名前から失敗してると思ってる。  七海。  女性と間違われるじゃないか。  女性か男性かなんて俺にはどうでもいい問題だ。  だけど、どうでもいい問題を「男です」といちいち繰り返さなくてはいけない。  その面倒くささの伝わらなさが。  相手にとって名前と性別なんて大して気にならないのかもしれない。  俺は、相手の真意を取り間違える。つまり失敗だ。  そして必ず、 「男ですけど」