【短編小説】幽体離脱を経験した友達とお喋りする「私」の話
『稀によくあるありふれた日々』
「風邪をひいたときにみる、変な夢ってあるじゃん」
放課後。
なんとなく家に真っ直ぐ帰る気になれなかった私たちは、学校の教室に残り、雑談に興じていた。
中学三年生の秋。
部活は春先に引退し、受験に本腰を入れなければならない時期。しかしそれ故に、どこかで肩の力を抜きたい衝動に駆られる。今日のこの時間は、お互い明確に言葉にはしていないが、息抜きの意味合いが強かった。先へ進む為には、こういう時間も必要なのだ。
それに、今日中に彼女に伝えておき