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長編小説『暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌』まとめ【完結済】

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周囲から孤立している「僕」と自称狛犬の少女が、神社で歌の練習を通して仲良くなっていく話です。
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#神社

【長編小説】暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌 #1

10月2日(水)――(1)  僕は青空が嫌いだ。  理由は至極簡単、嫌なことを思い出すからで…

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【長編小説】暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌 #2

10月2日――(2)    反射的に顔を上げ、声のした鳥居のほうを見る。  すると鳥居の下に…

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【長編小説】暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌 #3

10月2日――(3) 「……は?」  少女がなにを言っているのか、咄嗟に理解できなかった。い…

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【長編小説】暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌 #4

10月2日――(4) 「次、反対の腕だ」 「ああ、うん」  少女は態度を変えることなく、手当…

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【長編小説】暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌 #8

10月3日――(4) 「おお、アキじゃないか! また来てくれるとは、ワタシは嬉しいぞっ!」 …

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【長編小説】暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌 #27

10月6日(日)ーー(2) 「おはよう! アキっ! おはよう!!」  すっかり慣れた足取りで山…

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【長編小説】暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌 #28

10月6日(日)ーー(3) 「腹式呼吸も発声練習も、だいぶ慣れてきたようだな」 「そうかな」  基礎練習を終え、水分補給のために水筒からお茶を注いでいると、そんなことを言われた。  まだ練習を始めて数日しか経っていないから、僕自身の感覚としては曖昧だ。これで慣れてきていると言えるのだろうか、甚だ疑問である。 「うむ、アキは日々成長している」  満足そうに頷き、少女は言う。 「実はこれ、おざなりにしてしまおうとすれば、簡単にできてしまうことだからな。とはいえ、そんなことをして

【長編小説】暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌 #30

10月7日(月)ーー(2)  中学校に入ってからというもの、昼休みの時間はいつも教室の外に…

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