確認
水曜日担当の平林です。今日は金曜日みたいですけど、「水曜日担当」というのは実態を反映している訳ではないんです。山本晋也監督は監督業をやってなくても、監督と呼ばれているんです。カントクですけど。そういう意味での「水曜日担当」と思っていただきたい。そういう意味での、そういう、そうい
先日、ぱっぷこーんとの撮影がありました。冒頭の30分、須田さんがアルバイトしているバーの話をしました。どこに問題があって、須田さんはどう思っているのか。須田さんは何が嫌なのかを30分ぐらい語りました。かなり具体的なケースも語っていました。たっぷり30分聞いたあとにこう思ったんです。「店に行ってみたい」と。
そのバーの素敵な部分を30分語ったわけじゃないのに、私は「行きたい」と思ったんです。ひどい話を聞いての「怖いもの見たさ」とも違う感覚なんです。たぶん私は「確認」しに行きたいと思ったんです。
私たちはエンタメを考える時に、ドキドキとか、ビックリとか、スッキリとか、面白いとか、泣けるとか、そういう「変化」を期待するのですが、エンタメの種類として「確認」というのもあるんじゃないかと思ったんです。エンタメというか、人間が根源的に持ってしまっている欲求みたいなものかもしれません。「確認」も人を惹き付ける気がするんです。良い意味でも悪い意味でも。
「3丁目のスーパーのレジに、いっつも赤いバンダナをしている男性がいるんですよ。若いのに、すごくちゃんとしてて、ミスすることもなくて。名札見たらカブラギって書いてあって、まあ漢字で書くとどういう字かわかりませんけど。顔は普通ですね。スゲー普通って感じです。で、朝7時に行っても、夜11時に行っても、レジにいるんですよね。いつもいるなーって思ってて。今日もいるんじゃないかな?カブラギさん。」
て聞かされたら、カブラギさんを確認したくなりませんか?情報的には変わったものは何一つありません。イケメンでもないし、変人でもありません。でも確認したくなるんです。
これをコントに応答するとします。例えば『最後に怒る男』というタイトルのコントが始まったとすると、我々は出演者が最後に怒るところを確認したくてたまらなくなります。「こんなにみんな仲良く和気あいあいとしてるのに、最後怒るんだよな?」と思って惹きつけられてしまいます。「おいおい式典始まっちゃったけど、この状況で怒るの?」と更に惹きつけられます。
「確認」という「時限爆弾」が埋め込まれているからですね。
今度、「確認」をコンセプトにした「なんらか」を作ってみたくなりました。
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