憲法記念日

【※2019年5月3日にFacebookノートに投稿した内容を再掲】


今日5月3日は憲法記念日。国会の憲法審査会では憲法改正の議論がなされているが,世間一般たる国民はどれほど関心があるだろうか?

憲法改正は,憲法審査会でその案の国会へ発議が可決され,国会で3分の2以上の賛成となれば,国民投票で最終的に可否が決まることとなる。

憲法改正は自民党の結党以来の党是であり,現在安定多数を占める与党自民党としては党是実現に向けての絶好の機会を得ている状態にある。したがって,ここ最近の憲法改正に向けた動きは与党自民党にとっては極当たり前のことであり,一方野党は憲法改正の必要性以上にただただ自民党の動きに反対姿勢をとっているようにしか思えない。普通,このような状況で国会議員選挙(総選挙,参議院選挙)を行えば,何かあれば反対しかしない野党に嫌気をさして,消極的選択で与党自民党が勝利するのは自明なのであるが,憲法改正となれば話は違ってくると思う。

なぜか。それは,冒頭書いた通り「国民は憲法改正にどれほど関心があるだろうか?」ということに尽きると思う。すなわち,現行憲法に係る外交問題や内政問題に日々向き合っている政府と違って,今の国民は現行憲法下で直接的に困った経験がないので,憲法を改正しないことがもたらす問題の「理屈」はわかったとしても,所詮は日々の生活に密着した問題と肌で感じない限り「現実味がない」問題なのである。

そういう意味において,与党自民党が憲法改正という党是実現のためには,憲法審査会や国会の通過ではなく,その先の国民投票に向けていかに国民の理解を獲得しておくかに力点を置くべきである。大阪維新の会が掲げた大阪都構想が前回の住民投票で否決されたにも関わらず,今回の統一地方選挙で大阪維新の会が躍進した背景には,その間で大阪府民・市民が見た問題の「現実」が解決されていく姿を肌で直接感じたからではないかと思う。米国トランプ大統領が選挙に勝ったのも,「理屈」を知る少数の上流社会・上級国民ではなく,「現実」を直接肌で感じている多数の一般国民に支持されたところもあるのではないかと思う。ちなみに,トランプ大統領の英語が易しく,また,直接的表現が多いのは,多分にこれら底辺を支える幅広い様々な一般国民に向けられているからではないかと思う。

国民投票で憲法改正を可決してもらうためには,与党自民党は「現実」の問題を大多数の国民に肌で感じてもらう丁寧な説明が不可欠である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?