ナビダイヤルの「損」に注意

 最近,各種顧客サービスや行政・公的機関の電話窓口の電話番号が「一般電話」(東京なら03で始まる電話)から「ナビダイヤル」(0570から始まる電話)に知らないうちに切り替わってると感じませんか。行政・公的機関の例では「ねんきんダイヤル」がナビダイヤルだし,最近では,全然繋がらないとの報道多数の新型コロナワクチン接種の予約電話にも一部の自治体,また,東京,大阪の自衛隊大規模接種センターのお問合せ専用窓口(※1)でもナビダイヤルが利用されてますね。
 ※1:https://twitter.com/ModJapan_jp/status/1395310434509463554

 実はこのナビダイヤル,知らずに利用してると「損」をするのです。

<損①>
 最近は,かけ放題料金プランのおかげで,固定電話より携帯電話からそのプランを利用して通話する人が多いでしょう。特に,固定電話を自宅に設置せずに携帯電話しか利用していない最近の若者,独身者,単身赴任者等にとっては必需プランとなっている人も少なくないでしょう。しかし,ナビダイヤルは携帯電話のかけ放題料金プランの対象外であるため,知らずにナビダイヤルに電話すると,ナビダイヤルの通話料金がかかることになる。知らない人の多くは,通話料金請求時に気づかされるのだが,時すでに遅しということになる。

<損②>
 最近はインターネットの普及により,固定電話には,距離制・高額料金体系のアナログ電話に替えて,全国一律・低額料金体系のデジタル電話(ひかり電話などのIP電話)を利用している人が多いでしょう。このデジタル電話でナビダイヤルを利用すると,デジタル電話よりも高いナビダイヤルの電話料金が優先課金されるので,安いデジタル電話料金の恩恵が受けらず,高い通話料金が請求される。

<損③>
 今でもアナログ電話を利用している人でも,区域内(同じ市外局番内)なら一般電話よりナビダイアルにかけると電話料金が高いことが多い。ナビダイヤルを利用した人なら,最初のガイダンスで「○○秒当たり××円の料金がかかります」というのを聞いたことがあると思うが,よくよく考えてみると,アナログ電話の区域内一律料金(平日日中で3分約10円)より高いと気づいたことがありませんか?


 ということで,全国各地にサービス拠点があったり,一拠点でもサービス窓口に複数の対応者がいる場合,複数の電話回線を一つのナビダイヤル紐づけることができるという利点が設置者にはあるものの,携帯電話やデジタル電話が普及している,いや,もはやインフラ化されている現在においては,ナビダイヤルの利点は利用者にはないといっても過言ではなく,むしろ,上記のナビダイヤルの「損」に注意が必要である。
なお,ナビダイヤルと一般電話番号が併記されている場合,携帯電話かけ放題プランに加入していない場合はナビダイヤルへ,それ以外は携帯電話,固定電話ともに一般電話番号へかければ上記三つの損を受けることはない。



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