見出し画像

苫小牧発仙台行フェリーで猫島弾丸ツアー③ 人口がたった40人?

仁斗田港入港・野良猫たちが出迎えてくれる 

正面の建物がフェリーの待合所

 1時間ほどで田代島に到着、出迎えてくれた猫たちはいかにも野良で、毛並みがぼさぼさ、きっと猫エイズに感染している猫もたくさんいるだろう。見ていると可哀そうに思うのはよそ者だからかな?人懐っこいから大事にされているんだろうけど。

いかにも野良な猫たち

観光地というより僻地の漁村

 港のトイレにあった張り紙、島が置かれている状況を知ることができました。普通の漁村が猫ブームとSNSのおかげで観光地になってしまったんでしょうね。島の人たちにとっては迷惑な現象なのかもしれません。

餌やり禁止
観光地で見られる迷惑行為がここにもあるんでしょうね。

 島の人たちは高齢者が多いのでマスクを着用してくださいという注意もありました。
 石巻の乗船場で聞いた通り全島停電で飲食店はどこも開いてませんでした。災害でもないのに全島停電っていうのもすごい。私の子どものころは、予告停電がけっこうありましたが、今でもあるんですね。

島の人口は40人

島を歩くと、人の少なさと空き家の多さが気になります。

人影がない町の中
猫を追いかけていると人さまの家の敷地に迷い込みそうになる

 たまたま、裏通りのようなところへ迷い込んで、島に住んでいる人の話を聞くことができました。田代島はもともと流刑地で、主に政治犯が流されてきたそうです。政治犯には賢い人たちが多く、産業を興す人たちもいて裕福になったそうです。
 
 戦後は遠洋漁業で栄え、ニチロはこの島が発祥だと教えてくれました。最盛期には1000人もこの島に住んでいたと自慢気に語りましたが、現在は40人しかいないと残念そうでした。

 もともと東京で蕎麦屋を営んでいたそうですが、島で蕎麦屋を開く人がいて、技術を教えるために来島し、住みやすさに魅了されて移住したといいます。
 
 「ここは金がなくても生きていける。食べ物はもらったり作ったり、こんな小さな島でも米の産地なんだ。東京は何も取れないからみんな金をとるのに必死でたいへんだ。ここに来ればのんびりできるのに」

 津波の話も聞くことができました。「石巻は山に囲まれているから、津波が流れ込んで大きな被害になった。ここは通り道だったので水があふれる状態にはならなかった。港に防潮堤があっただろう。あそこまで来たけど民家がある高台の方は無事だった」と教えてくれました。ちなみに猫島として有名になった現在については何だか不服そうでした。 

港の高台にある防潮堤の水門 津波の際の避難口になる

3時間ほどの滞在でしたが正直のところ時間を持て余してました。猫を相手に3時間は長いです。私だけではなくみなさん疲れた表情で船を待ってましたから、やっぱり時間を持て余したと思います。

 しつこいようですが観光地ではありません。島の人たちに迷惑にならないように心がけていきましょう。 

おわり