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~ガッチガチの洋ゲーで萌えてみた~ Gears Tacticsの俺認定ヒロイン・マルセラたんの悲劇

 シミュレーションゲームやRPGでしばしば見る、「ストーリーに一切関わらない名も無き戦士」といった扱いの仲間キャラクターが好きだ。勝手にバックボーンを想像して脳内で楽しめるから。最近だと、先日クリアした「Gears Tactics」のマルセラ"スペクター"トリンがそうだった。

 同作についての細かい説明は省略するが、要はいかつい老若男女が地底人を相手にバリバリ殺り合う戦術系ゲームだ。物語の中心となるキャラクターは、ヒゲマッチョの「ゲイブ」と隻眼マッチョの「シド」、女性マッチョ「ミケーラ」の3人。プレイヤーは彼ら「名有り」と、ゲームの進行に伴って補充される「名無し」を組み合わせて、最大4人のチームを組んでミッションに臨むこととなる。ぼくが勝手にヒロイン認定して遊んだマルセラは、そんな名無しさんの第1号だ。

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↑左から順に、マルセラ、ゲイブ、ミケーラ、シド。この公式スクショにも写っているということは、マルセラは名無しとはいえ、必ず参戦するのかもしれない(リプレイがめんどいゲームなので確認はしてない)

 マルセラの初登場は、序盤の捕虜救出ミッション。彼女は敵に囚われ、「責め苦の繭」とかいう「針が絶妙に短くてギリ死なないアイアンメイデン」みたいな棺桶に放り込まれていた。地底人の趣味はよく分からないが、彼女が相当にストレスフルな日々を送っていたことは確かだ。だからゲイブが任務で解放してくれたとき、「何このヒゲマッチョ……やだ……いけめん……」くらいにときめいていたとしても不思議はないと思う。

 そのようにふらっと降ってきた妄想と、彼女の戦士としての有能さは、ぼくのプレイングをちょっと狂わせた。なにせ、名有りは最大でも3人で、チームにはたいてい1人分の空きがある。しかもマルセラの兵種はゲーム中初登場の「斥候」で、名有り連中にはない優秀なスキルを多数修得可能。ちょっと鍛えたうえで良い装備を与えたら、「ステルススキルで敵陣深く潜入しグレネードで地底人を爆殺するボンバーガール」となり、ぼくのなかでチームのエースとして欠かせない「4人目の主人公」にまで上り詰めた。

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↑斥候はグレネードのクールダウン(5ターン)が2ターン短縮されるスキルを序盤に修得できる。運良く「クールダウンを3ターン短縮するズボン」を入手できれば、毎ターンの投擲が可能。グレネードが必中となるこのゲームにおいて、トップクラスの戦力となる

 こうなると、戦場で一騎当千の活躍をしているマルセラが、まるでストーリーにからまないのがおかしくも思えてくる。そこで、ぼくは彼女が「ゲイブに惚れているけれど素直に言えなくて、とりあえず無口でクールな爆弾のスペシャリストを装っている」と設定し補完した。さらに「恋心を察せられるのが怖くてヘルメットを外せない」キャラも加味し、萌えどころをプラス。決して、彼女の素顔がパワフルすぎて好みでなかったからではない(と思う)。

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↑素顔だと「あの腐れローカスト野郎、吹っ飛ばしてやる」って感じ

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↑ヘルメットを装着すると「モクヒョウ……フットバス……」みたいでかわいい

 以降、ぼくの脳内では「敵陣をきれいなミンチにできた……ゲイブ喜んでくれたかな」などとブツブツ言いながら、黙々と仕事をこなすマルセラの戦いが展開。彼女に高性能な装備品を渡すときも、「ゲイブが腕を見込んで支給している」とイメージしていた。ゲイブが彼女の愛情に気付いているわけでなく、成果に応えただけってあたりが切ない。そうしたくてそういうことにしているのはぼくだけど。

 この名有り3人+名無し1人の構成がうまく機能し、チームは連戦連勝を重ねてゲームも終盤に。しかし、ここでぼくの妄想ストーリーに波瀾が起きてしまった。急に「4人目の名有り」が登場したのだ。しかも参入の経緯が、マルセラと同じ「ゲイブによる救助」。ぼくのマルセラだったらたぶん、「この子も自分と同じように、ゲイブに惚れてしまうのでは?」と焦り始めるはずだ。もっと言うとこのレイナという女性、造形がものすごくシュッとしていて、「遅ればせながら参上しました。メインヒロインです」みたいな顔してやがる。

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 悪いことは重なるもので、レイナの兵種はマルセラと同じ斥候。レベルも同等なので、すぐ同じように活躍できる。そしてレイナは名有りゆえ、ミッションに強制出撃する機会も多い。1戦に斥候は2人もいらないということで、マルセラはベンチを温めがちになってしまった。

 そして非番になるたびに、代わりに出撃するレイナが「あんたオフだから使わないでしょ」とばかりに、オキニの装備を借りにきてイラッとさせるとくる。でも拒否したところで、ゲイブに「そうイヤな顔をしないで貸してやってくれないか」などと言われて悔しい思いをしそうだから、マルセラは我慢して貸す。ぼくのかんがえたさいきょうのマルセラはそんな女性だ。

 しかし、不遇にあっても彼女はこう考えるだろう。私とて3ケタの地底人を爆殺してきた歴戦の勇士。最終決戦には私のスキルが絶対必要となる。敵の首領を爆破できたとき、ゲイブはきっと私を見てくれる。そう願いながら迎えた最終決戦、出撃メンバーは――

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――最終ミッションには「名有り」しか出られないのであった。

マルセラ「くそがああああああ!」

 なお、ラスボスはレイナがショットガンで粛々と削って屠り、ぼくのGears Tacticsはとりあえずエンディングを迎えた。ゲイブとレイナがツーショットでいい雰囲気を醸しながら――まあ、同作はシリーズのエピソードゼロ的な位置付けで、ゲイブはナンバリング作品の主人公の父親と聞いていたから薄々と感づいてはいたのだけれど、まあそういうことなのだろう。

 一応、クリア後も地底人の残党狩りみたいなミッションを延々遊べるので、マルセラの大逆転ストーリーを脳内で継続するのも可能ではあるのだけれど、ここはキッパリと終わりにしたほうが彼女らしい気がする。

人類の勝利を見届けると、マルセラは人知れず部隊を去った。寡黙な工作兵らしい静かな去り際であった。その後の彼女の足取りは杳として知れない。

 「英雄が為した偉業は、実は陰で尽力した人物の貢献があって初めて成功した」みたいな話は鉄板で面白いので、「知られざる天才」を妄想するの超おすすめ。

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