見出し画像

14時間。海外へのフライト時間が長すぎてビビる話

時間の無い生活をしていると、ゆっくり過ごしたいと思うものだ。ただそれは、くつろげるスペースがあっての話だ。

仕事で人生2回目の海外。フライトは14時間。

はじめは座席にある端末で映画を見たり、機内食を珍しがったり、持ち込んだ雑誌を読んだりとくつろいでいたが、4時間もすれば飽きてくる。

一度トイレに行こうと座席を立ち、途中伸びをして、凝り固まった身体をほぐす。

トイレも行列だ。わたしは空いているトイレが無いかと見回すと後部の方が空いて見えた。
移動してみると、中にひとり先客がいるので立ち止まり待っていると、キャビンアテンダントがわたしに声を掛けた。

「こちらのトイレが空いてますよ」

見ると、食事の提供などヒトシゴト終えた彼女が、コーヒーを片手にくつろいだ姿でわたしにそう言った。

ほんとうだ。陰になって分かりにくかったが、そこにもトイレがある。礼を言って空いていたそこに入る。CAの仕事をしていればこのフライトも慣れたものなのだろうか、などと手馴れた彼女を見て思った。

なぜならその目は、『本当の闘いはこれからだ』とわたしに語りかけているように見えたからだ。

14時間。あと10時間もある。

たすけて。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?