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家作り、家探しに役立つ本 4選(適宜update)

適宜追加予定です


1. 家事導線と住みやすい家のロジック

私は増補改訂版ではない版をもっていて、衝撃を受けました。

水越美枝子さんの本はその後気になり、たまたま『がまんしない家』がアンリミに入っていたので(24/4/15現在、アンリミに入っています)二冊連続で読みました。『がまん~』は『いつまでも~』の内容をテキストでロジック説明している部分が多いので、ムック本の写真で理解してみた方がいいかも?

私が特に「そうなの!」と思った場所は、キッチン関連と洗面関連です。現在、キッチンがⅡ型と呼ばれる並行列になった形で使っていますが、便利です。色々な制約があり「便利」があと一歩…と感じることが多かったのですが、その理由が本を読んでわかりました。

即時で解決できて効果を発揮したのは「キッチンとキッチンの間は85cmでいい」という部分で、「狭いのでは?」と思って実行してみたら、ぐんと使いやすくなりました。

キッチン間隔は90~120cm程度がセオリーとされており、85cmって結構狭いのでは?と半信半疑だったのですが、夫と2人で同時に使っても大きな問題はなく、なにより「手で届く範囲や、歩く歩数が劇的に減った」ことで使いやすさを実感しています。

水回りでいうとドラム式全盛期時代なこともあり「ベランダに干すことが少なくなっている中、寝室階と洗濯機が同一であることはマスト」という方針があったのですが、そのあたりも語られていました。

事例で乗っているおうちはどこも「巨大豪邸注文住宅」なので正直それをこのまま…というのは難しそうな部分もあるのですが「何がどうしたら便利か」は明確にされているので、ぜひ今から家を作る人に見て欲しい本です。

2. 全体と部分を美しい家で把握できる

こちらも事例10件程度が多彩な写真で紹介されています。なにがいいって「間取り」が全部ちゃんとついていることです。

1で紹介した本と思想が通じる部分があり、やはりいかに「生活導線」を意識した上での間取りと収納を設置するかで散らかりにくく、美しい家を保つことで重要かがわかります。

全般的にこちらも「豪邸注文住宅」感がありますが、木と白を効果的につかったシンプルで上質で美しい、ずっと素敵だと思われる家が紹介されていて見ていて飽きません。

やはり間取りがあると「家全体の構造」がわかるので、より細部まで理解ができてよいなぁと思います。例えば写真と文字で「回遊導線になっており便利」と書いてあっても、わかるけど、全体はどうなっているんだ…?と気になったりしますよね。意外とそういったつくりの本は多くて、「間取り…間取りでどこの話をしているかを教えてくれ…」となるのですが、この本にはそのストレスがないです。

また、テキスト分量も多くて読み物としても一定の強度があるので、写真・テキスト・間取りで3度おいしいです。

3. 家に必要な機能は断熱

築50年の戸建に越してきてから「窓…断熱…」と呟く妖怪になっていたのですが、本当に日本の断熱性能がクソ!ということがよくわかる本でした。

築古住宅の現行自宅は恐らく樹脂×アルミのハイブリッドと、アルミ単体窓枠が両方使われている家なのですが、シンプルに寒いです。あまりに寒いのでラグを買いまくり、昨年からは灯油ストーブを導入して命を繋いでいます。「家の方が、外より寒い」を地でいくのは、全て断熱性能の問題…というのが非常によくわかりました。嘘でしょ。

アルミ窓は当初見た目観点から「やだーーー」と思っていたのですが、命の危機を感じるレベルなので、見た目とかではない。いや、見た目も大事なのだが…。

特に「日本の技術は世界一」的な刷り込みを受けているにもかかわらず、住宅性能があまりにも低く、欧州(特にドイツ)の基準であれば日本の家はほぼ違法建築であるという文言には度肝を抜きました。

で、家づくり的には「断熱を考える(特に窓を2重にするなど)」という投資効果のリターンの大きさを心から感じ、絶対にそこは考えよう、と心に刻みました。

2024年も環境省の『先進的窓リノベ事業』は継続が決まったので、補助金を得ながら皆さんすぐにやったほうがいいです。特に昨今は電気代の高騰も激しく、今後もエネルギー問題は解消しないであろうことを考えると、100万円程度の投資をして回収できるリターンが大きすぎる。

エアコン20畳用…も意味がないらしいのですが、断熱が優れていれば少しの温冷で保てる時間がながく、かつ家全体の空気を循環させるだけでよいのでエアコン台数も少なくて済む…など目から鱗のお話しがデータと実例と共に語られており、絶対読んだようがいいです!!!

4. 切っても切れないお金の話

お金の話。住宅購入するとなると次々お金のことを考えることになるのですが、雰囲気で「諸経費がかかる」「金利は変動、固定がある」「なんか税金とかかかるらしい」っていうのは知っていても、実際どうすんの!?みたいなのがわかりにくいんすよね。

あと、FP行ったり、不動産屋定型FP聞いたりってできますけど、保険系or住宅系とかそれぞれの「立場」があるのもあり、結構情報を集めるの苦労します。

で、この本のいいところは、著者が明確なスタンスを取っているところかつ、押しつけがましくないところ。最後に決めるのは自分なんで。

「家は賃貸でなく購入がいい」
「固定でなく変動金利がいい」
「金利支払いは元利均一がいい」

を、明確にしてその理由を簡易な数値で説明してくれていて、めっちゃありがたい。

なんかフンワリしている記事が多いのですよね。あと賃貸 VS 購入において目先の金の話だけとか、なんか条件がapple to appleじゃないとか気持ち悪いのが多いのです…。

が、本書は読み口は柔らかい(するする読める)のに内容は必要な情報をキチっと出してくれています。最高。

正直諸所の決済前に読みたかったけれど、結局最終的には自分の判断でも収まるところに収まったかなぁという点はあり、よし!となりました。

賃貸時と物件購入の金額は違えど、たぶん年収に対する価格に対してはだいぶ厳しめに見た上で最後DINKSの教育費がない部分で金額を上乗せして決めた感じです。

ありがとうございます。『あなたの課金は、私の課金』を標語に経済をまわしていきましょう。