キナリ読書フェス 応募感想文

さくら

 読了後、すぐに思ったこと。
 美貴ちゃんが、そして一君が、いや長谷川家全員が、
「世界は贈与でできている」を読んでいたらよかったのに。

僕もまだ読んでないけど。


 読んでから見るか、見てから読むか。
このコピー知ってるのは、40代以上かなぁ。
もう40年前になるんだ、角川映画のCMのコピー。

 僕は見てから読む派。なんでかは、その方がハッピーだから。
ここは、さくらの感想を書くとこだから、理由は別に今度また別のNoteでね。

 なんで、この、「さくら」にしたかというと、キナリ読書フェス前に映画が上映されるので、映画を見てからフェスに参加できるねと。
そして、近所の古本屋さんで100円で文庫本ゲット。300円のコーナーにもあったが、念のためと探したら100円のコーナーにもあった。
100円で買えるほど、前の本なんだ。単行本は2005年、15年も前か。

 映画のオフシャルサイトをみると、11月13日(金)全国公開
が、僕の住んでる北陸には上映館がなかった。一番近くて岐阜か長野。
そうか、全国公開だった、全国一斉公開ではなくね。 四国もなかったかな。

 どうしよう、他の本に変えようかとも思ったが、買っちゃったことだし。
公式HPや好書好日のサイトで予告編・インタビューが見れたんでそれでヨシとして。

 見てから読む理由の1つは、キャスト。
本読んでる時って、自分の頭のなかで登場人物がしゃべってない? 
読んでから見ると、映画のキャストの声が自分のイメージと違うってことない?
思とったんと、違う。もっと可愛い声のはず。とか、外見も然り。
見てからだと、それがない。 ストレスが減るわけ。

 あと、僕は犬を飼ったことがない。奈美ちゃんを知ったきっかけもだが、糸井さんのほぼ日をかなり前からみてる。ヴィチャンを見るのが楽しみだった。ヴィチャンなら飼ってみたいと思ってたが、昨年中古住宅を買って引っ越すまでは、ペット禁止の借家暮らしだったので、飼えなかった。
 昨年引っ越したら、同居の妻と娘は猫を飼いたいと言ってる。
多数決で勝ち目はなく、アラカンの自分としてはもう一生犬を飼うことないんじゃないかと思ってる。

 兄はいない。子供は3人いる、長男は一君が生きてたらの24歳。娘が二人。
兄弟3人仲が良い。 父親の立場で読んでみようかと思った。
家出はしたことないが、単身赴任で2年前まで離れて住んでた。

(ありゃ、感想書きだす前に規定の500文字以上の倍の1000文字ぐらい書いてるぞ。)

 奈美ちゃんと、会ったことも話したことないのに気易呼んでるし、作家さんになられたんだから岸田先生と呼ぶべきだろうけど、(本人は絶対に嫌がるだろうし、それを見たい気が多いにある。)
娘ぐらいの年やし、多分、お父さんと僕は同じ年代やし奈美ちゃんでいくことにします。

 奈美ちゃんのおかげで、今年は今まで読んだことのない作家さんの本を読むことができた。
 一冊めが、村上春樹さんの「海辺のカフカ」、そして、今回の西加奈子さんの「さくら」
二冊とも実は、途中で読むのやめようかと思った。

カフカはジョニーウォーカーさんのとこで、さくらはランドセルのとこで。

 いやちょっと待ってよ、そんな話とは思わず読んでるよこっちはと。
軽い気持ちでドライブ行こうかと助手席に乗ったのに、F1レーサーの運転でサーキットを走ってる感じ。ほんと、吐くかと思った、は、大袈裟だけど。

 カフカの時は、春樹ファンの友達にこの後もこんなグロいシーンあんのって聞いたけど、読んだの10年以上だから憶えてないって。10年経つと猫を殺して頭を冷凍庫に保管とか、腹を開いて、生きてる心臓食べるとか、 そんなシーンも忘れちゃうんだ。
(カフカこれから読もうと思ってた人、ネタバレでごめんね。 いや、レビューじゃまずいけど、感想文はネタバレしていいんじゃないの。 おまけに別の本だし)

 ランドセルのとこは、映画の予告編でも出るから言ってもいいよなぁ。薫君が美貴ちゃん殴るとこ。この先どうなるんだと、最悪考えたら怖くて先を読むのを悩んでしまった。

 そうです、奈美ちゃんを そして西さんもだけど、関西の女の子を誤解してました、ひたすら、お笑いが好きで、笑えること楽しいことだけ書いてあるかと。

 そういう、意味で関西の女の子ってのでは、美貴の友達の方の、薫さんがカッコイイよね。
 卒業式のシーン。15年前ってLGBTや、性同一性障害って言葉もなかったんじゃないかな。そんな時代に、よく書かれたなぁと思ったのが。
「もしその人らがいじけとったら、堂々とできるように努力しようって言う。・・・いつかきっとそれがおかしくないときが来る。そのときのために努力する」

 15年たって、まだ、“おかしくないとき”じゃないかもしんないけど、それにうーんと近づいている。この本よんど励まされて、努力した人達いるんじゃないかなぁ。

 サキコさんも、そうだよなぁ。
「嘘をつくときは、あんたらも、愛のある嘘をつきなさい」
お母さんの葬式のシーンもグッときたよね。

 そうだ、ゲンカン(薫くんの最初の帰国子女の彼女)が言った
「日本に来て思ったの、ああこの人たちは何て目立つことを嫌う人達なんだろう。少しでも自分達と違う人間がやって来ると、徹底的に排除しようとするのよ。」

 まさに、イジメとかこれだよなぁ。
 これもほぼ日のインタビューにでてた、あぁ名前出てこない、マイケル・ジャクソンのバックダンサーの人。日本で馴染めなく、日本でだめだ言われことが、アメリカ行ったらクールって言われたって言ってたよなぁ。

 もうひとつ、ゲンカンの言葉
「辛いことがあったら言ってね。」
 
薫君、一番つらい時にもうゲンカンちゃんと別れてて聞いてもらえなかった。
辛いことを辛いと言ってと言ってくれた人に、一番いて欲しいときに別れてて言えない。これが更に辛かったろうなぁ。

 実は一番グッとというか、・・・・・。
ここで、ブルチックの感情の輪をみて、読んだ時の感情に合う表現を探したんだけど、ピッタリはないんなぁ。胸に刺さってるんだけど、痛いんじゃなくて柔らかく温めるというか。

「辛いことがあったら言ってね。」これを単身赴任時代に聞きたかった。
当時、パワハラを受けてた。録音しとけば裁判で絶対勝てそうな程、ひどい事何度も言われた。
 地下鉄で通勤してた、飛び込んだら楽やろうなと何度も思った。先に書いたように、家族は借家だったから、僕が死んだら会社の家賃補助が無くなればとても住み続けれないよなぁ。
 その前に、前の年に生命保険見直して入り直したから、たしか一年間は自殺しても保険金おりない筈だったよなぁ、(確かめようと思ってもし、違ってたら即実行しそうで確かめなかったけど。)下の子来年から大学やし、頑張って県下一の進学校に入ってるし・・・。

 帰省のたびに、妻に愚痴ろうと思っても先に妻が自分の職場の愚痴を言う。頑張ってるよねと言うだけで、自分の辛いことは言えなかった。
体と心が壊れる前に、配属が変わって地元に帰れたから、こうしてこれを書けてるけどね。

辛いことがあったら言ってね、 って 言える人になろう。
そして、辛いことを我慢せず言える自分になろう。

奈美ちゃん、西先生ありがとう。


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