いぼ痔になった。
便秘しやすい身体ではある。最近は特に、ウサギのそれのようなコロコロ硬いやつが多かった。
が、いつものことではあるため、気に留めてはいなかった。
1週間ほど前、トイレで用をたそうと踏ん張ったら、痛いのなんのって。お尻の後ろ避けたかと思うくらいクッソ痛かった。
しこたま硬いのが通ったのかなぁまだヒリヒリジンジンするけど、しばらくしたら治るかなと思い放置した。
翌日トイレに行った時は少しヒリついたくらいで特に問題はなかった。そのまた翌日トイレに行くと、また同じようにおしりが避けたような激痛とともにコロコロが通過した。
これはやばい。こんなのがトイレのたびに起こっていては用をたせなくなる。この痛みの原因は何なんだ。
母にめちゃくちゃ痛かったことを使えると「痔になってるんじゃない」と言われた。
え、痔なのこれ。と思った。確かに、お尻のトラブルの象徴だったな。調べてみよう。…ふむふむ。……あぁ、痔かも。となった。
えぇ痔ってどうしたらいいの。「痔に〜はボラギノール」のボラギノールとか、ヘモリンドみたいな市販薬で十分効くのかな。でもこれが絶対に痔だとわかったわけではないし、仮に痔だとしても、下手に扱うと悪化しかねない。もしこれが重症だった場合、自己判断で処置したら取り返しがつかなくなるかもしれない。
肛門科、行くしかないか。
男の人ばっかりなのかな。おじさん先生嫌だなでも町での評判はいいからな。診察ってどうやってされるんだろ。クイって開くやつ突っ込まれて見られるのかな。クッソ恥ずかしいな。痔って治るのかな。
不安でしかなかったが、翌日、近所の肛門科に行った。
私が来院した時、待合には女性しかいなかった。歳は近くなさそうだったけど、女性がいるだけでだいぶ心が楽になった。問診表書いてしばらく待っていると診察室に呼ばれた。
おじさん先生が問診票を見ながら待っていた。パソコンパチパチしながら「いつから?心当たりある?」など物腰柔らかく聞いてくれた。そして「じゃあさっそく診察しましょうね」と言われ、服を下ろしてそばにあったベッドに横になった。
「しんどかったら言ってね」と言われ、指で触診された。痛くはない。痛くはないけど、人生で味わったことのない感覚に少し冷や汗が出た。その後、例のクイッとされるやつでも診察され、数分で触診は終わった。
椅子に座り、先生から言われた。
「痔核があるね。内核痔。いわゆるいぼ痔ってやつだね。」
あーやっぱり痔だったか。とショックを受けた。
その後は図を見せてもらいながら、ネットで見た痔の説明とほぼ同じようなことを聞き、ネットで見た治療法やネットでは見つけられなかった改善方法も教えてもらった。
とりあえず軽度だから投薬しながら様子見で十分だろうとのこと。薬がなくなるころにまた来て経過見せてねとなった。
帰り道、車の中でなんともいえない虚無感を味わいながら運転していた。
痔。痔なんだ…。THE痔なんだ…。なんか…ショック…。痔って治るのかな。手術しないと治らないとかあるのかな。だったら嫌だな。なんか、痔って恥ずかしいな。なんで恥ずかしいんだろう。わかんない。痔っていう響きが悪いんじゃないだろうか。濁音ってのがさ。濁ってるから。なんで痔っていうんだよ。なんで病垂に寺なんだよ。お寺で修行したら治るのかな。。。
なんてどうでもいいことぐるぐる考えながら家に着いた。
幸い、トイレの時以外は痛みもないから生活にほぼ支障は出てないし、処方された薬をちゃんと続ければ大丈夫だよね。と言い聞かせた。
翌日、朝食後や昼食後にトイレに行きたくなるのだが、こわくてこわくて。
昨日から薬はじまったばかりだし、さすがにまだ痛そうだよな。もうあの避けそうな痛みは味わいたくないな、トイレで叫んじゃうよ。でも我慢して硬くなったら悪循環になって元も子もないし多少痛くても出すべきなのか。。。
トイレに行くたびにもよおすのだが、出そうになると土壇場で恐怖がガンっと押し寄せてきて、寸前のところで我慢する。を繰り返した。
痔ってこれが辛いのか。と思った。命に別状がないため、ただひたすら辛いという…。痛い。こわい。辛い。痔って世間の認識異常に孤独なんやなと思った。
ラッキーなことに、その日の晩に排泄したが避ける痛みはなかった。このまま薬が効いて痔とおさらばできればいいのだが。。
薬がなくなるまで、もう少し闘いは続きそうだ。
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